(7‐13)市長への手紙制度の是正

最終更新日:2026年3月25日

(7-13)市長への手紙制度の是正

令和7年11月4日 苦情申立書受理

申立ての趣旨(要約)

 私は、令和6年11月10日に、「新潟市福祉部福祉監査課及び高齢者支援課に関する要望」として市長への手紙を提出しました。それに対し、令和6年11月26日付けであった回答は、市長への手紙事務取扱要領第4条(2)ア「所属の具体的及び個別的な所管事務に関するものや詳細な説明が必要なもの」に該当するとのことで、担当課長から回答を受けました。しかし、その回答内容は、私が手紙で厚生労働省のガイドライン等の根拠を示して指摘しているにもかかわらずその指摘を無視し、調査や是正に必要な措置を自らに有利となる形で行うなどの中立性・公正性を欠く対応がなされ、根拠のない抽象的な責任回避の回答となっています。
 例えば、公益通報においては、公益通報者保護法に基づく指針本文に「内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関し行われる公益通報対応業務について、事案に関係する者を公益通報対応業務に関与させない措置をとる。」とあり、その趣旨の概要として、内部公益通報に係る事案に関係する者が公益通報対応業務に関与する場合は、中立性・公正性を欠く対応がなされるおそれがあり法令の遵守を確保することができない。実質的に公正な公益通報対応業務の実施を阻害しない場合を除いて、内部公益通報に係る事案に関係する者を公益通報対応業務から除外する必要があるとしています。
 市長への手紙は内部公益通報ではないかもしれませんが、前述の市長への手紙の回答では、厚生労働省のガイドライン等を根拠とした私の指摘を無視し、調査や是正に必要な措置を自らに有利となる形で行う等の中立性・公正性を欠く対応がなされた事実がありますので、苦情に関するものについては、事案に関係する者を対応業務から除外する必要があるのでこの点是正をお願いします。
 また、市長への手紙の回答に、市長の指示を受け業務の担当課長から回答する旨の記載がありますが、前述の市長への手紙においては、11月10日に提出してから回答のあった11月26日までの間に、市長は関与していないことが情報公開請求により判明しましたので、「市長の指示を受け」との表現は不正確であります。
 このことについて、市長への手紙制度を担当する広聴相談課に問い合わせたところ、「市長への手紙制度は、市長への手紙事務取扱要領に基づいて対応しており、これをもって「市長の指示を受け」と表現しているものです。」との回答でした。しかしながら、市長への手紙事務取扱要領には「市長の指示を受け」と表現する規定は無いことが判明しましたので、表現するとすれば「市長への手紙事務取扱要領に基づいて」等に是正するようお願いします。

所管部署

市民生活部広聴相談課(以下「所管課」という。)

調査の結果の要旨

令和8年3月23日決定

 申立人の主張及び所管課の説明と双方から提出のあった資料に基づき、当審査会では以下のとおり判断し調査結果とします。


第1 事実関係
(1)申立人が令和6年11月10日に、「新潟市福祉部福祉監査課及び高齢者支援課に関する要望」と題する市長への手紙をメールで提出。
(2)令和6年11月26日付けで、所管課が申立人に対し、市長への指示を受け、業務担当課長から順に回答させていただきます旨を回答。

第2 審査会の判断
1 申立人は、市長への手紙による苦情に関する事項については、公益通報保護法に基づく指針の趣旨と同様、事案に関係する者を対応業務から除外すべきであるにもかかわらず、そのような措置がとられていない点は不当であり、是正されるべきであると主張しています。
 また、市長への手紙に対する回答に「市長の指示を受け」、との記載があるが、市長への手紙事務取扱要領によれば「市長の指示を受け」と表現する規定はないことが判明したので、「市長の指示を受け」ではなく、「市長への手紙事務取扱要領に基づいて」等の表現に改めるべきであると主張しています。

2 所管課は、申立人の苦情内容に対し、まず、「市長への手紙」制度は市政全般に対するご意見、ご要望等を寄せていただくものであり、組織内の不正行為の通報者保護を目的とする内部公益通報とは制度の目的が異なるとした上で、「市長への手紙」では制度上、組織内の不正行為の通報に関する内容は想定しておらず、仮にそのような内容の手紙をいただいた場合は、「市長への手紙」としては受理せず、それ以外の方法で、事案ごとに対応を検討することとなる。
 今回の申立人からの「市長への手紙」(令和6年11月10日付け)については、内部公益通報ではなく、要望の内容であることが明らかであったため、要望案件と判断して対応したものである。
 また、「市長への手紙」に対する回答が、市長からではなく所属長からの回答となる場合、回答文の冒頭で、「市長の指示を受け」業務を所管する担当課長から回答させていただく旨記載しているが、「市長への手紙」制度は、「市長への手紙」事務取扱要領に基づき事務処理を行っており、同要領では、受理した手紙について回答するのかどうか、回答する場合は誰から回答するか、回答はいつまでに行うか等、一連の事務処理方法について定めており、この点、市長にも確認済みである。回答で「市長の指示を受け」と表現しているのは、同要領に基づき処理することを、包括的に市長からの指示と捉えているためであり、「市長への手紙事務取扱要領に基づいて」と表現することも一つの方法であるが、手紙という性質を考えると「市長の指示を受け」という表現の方がふさわしいと考えていると説明しています。

3 当審査会は、次のとおり判断します。
 まず、申立人は、市長への手紙に対する回答について、公益通報者保護制度における中立性・公正性確保の考え方を援用し、事案に関係する者を回答又は対応業務から除外すべきであると主張しています。
 しかしながら、所管課の説明にもあるとおり、「市長への手紙」制度は、市民等から市政全般に対する意見又は要望等を受け付ける制度であり、法令違反行為等の通報を受けて調査・是正を図ることを制度目的とする内部公益通報制度とは、その趣旨及び目的を異にしています。
 したがって、内部公益通報制度における事案関係者の排除に関する考え方が、そのまま「市長への手紙」制度に当然に妥当するものとはいえません。
 また、申立人の令和6年11月10日付け、市長への手紙の内容をみても、福祉部福祉監査課及び高齢者支援課に関する要望を述べたものであり、これを内部公益通報に該当するものとして取り扱うべきであったとは認められません。
 そうすると、所管課が当該手紙を要望案件として取り扱い、当該業務を所管する課において回答したことが、不合理又は不公正な取扱いであったとはいえないものと判断します。
 次に、回答文中の「市長の指示を受け」との表現について検討します。
 確かに、市長が個別の手紙ごとに回答内容を確認し、その都度具体的な指示を行っている事実は認められず、また、市長への手紙には多数の意見や要望が寄せられていることに照らしても、市長が個別の手紙について逐一内容を確認し指示を行うことは、制度の運用上現実的に困難であるといえます。
 しかしながら、市長への手紙制度は「市長への手紙事務取扱要領」に基づいて運用されており、同要領において回答主体や処理方法が定められているところ、このような制度運用の枠組み自体について市長の確認がなされています。
 これらの点に照らせば、同要領に基づく事務処理を包括的に「市長の指示を受け」と表現することが、不当な表示に当たるとはいえないと考えます。申立人が主張するように、「市長への手紙事務取扱要領に基づいて」等の表現の方が、より事務処理の実態に即しているとみる余地はあるものの、市長への手紙という制度の性質に鑑みれば、直ちに是正を要するほど不正確なものとは認められないものと判断します。

4 以上のとおり、当審査会は、本件苦情に係る所管課の対応について不適切な点は認められず、新潟市行政苦情審査会規則第16条第1項に基づく、市長等に対する意見の表明又は提言を行う必要はないものと判断します。

規則第16条第1項
 審査会は、苦情等の調査の結果、必要があると認める場合は、市長等に対し、当該苦情等に係る市の業務について、是正その他の改善措置(以下「是正等」という。)を講ずるよう意見を表明し、又は制度の改善を求める提言をすることができる。

このページの作成担当

市民生活部 広聴相談課

〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1(市役所本館1階)
電話:025-226-2094 FAX:025-223-8775

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