(7‐6)情報公開請求に係る一部公開決定通知書記載内容の不備

最終更新日:2025年12月2日

(7‐6)情報公開請求に係る一部公開決定通知書記載内容の不備

令和7年6月16日 苦情申立書受理

申立ての趣旨(要約)

 私が情報公開請求を行った件に対し、令和6年10月8日付新人第672号の2で一部公開決定通知書(以下「本件通知書」という。)の送付がありましたが、本件通知書の記載内容において、下記の点で誤り及び誤字があります。
1.「該当条文」の欄に、一般的に「条項」と呼ばれるものしか記載されていないことから、記載内容は誤りであります。
2.「理由」の欄に、「存否を応える」と2回記載されていますが、新潟市情報公開条例第6条の3の条文上「存在しているか否か答える」となっておりますし、意味合いからも「存否を答える」が正しいと考えることから、「応える」は誤字であり、記載内容は誤りであります。
 これまでに、市の他の部署から受けた同種の通知書について記載内容の誤りを指摘したところ、当該公文書を取消し新たに訂正した公文書をいただいた経緯があります。そのため、本件通知書を発出した人事課に対し、メールにより上記のことを指摘し、新たに訂正した通知書の発出を求めたところ、誤りや誤字について人事課の考えにより否定され、本件通知書を訂正し新たに発出することはしないとの回答がありました。
 上記1.、2.の点については明らかな誤りであることから、本件通知書を取消し、指摘した箇所を訂正した通知書を発出すべきであるとともに、謝罪及びお詫びを行うことが然るべきものと考えます。

所管部署

総務部人事課(以下「所管課」という。)

調査の結果の要旨

令和7年11月10日決定

 
 申立人の主張及び所管課の説明と所管課から提出のあった資料に基づき、当審査会では以下のとおり判断し調査結果とします。

第1 事実経過
(1)令和6年9月23日、申立人が本件情報公開請求を実施。
(2)同年10月8日、所管課が本件情報公開請求に対して一部公開決定通知書(本件通知書)を発出。本件通知書の該当条文欄には条項が記載され、理由の欄には「存否を応える」と記載されてあった。
(3)同年12月14日、申立人が情報公開に係る審査請求書等を提出。

第2 審査会の判断
1 申立人は、上記の申立の趣旨のとおり、本件通知書について、一部非公開とした決定のほか
(1)「該当条文」の欄には条文を記載しなければならないところ、条項のみが記載されており記載内容は誤りである。
(2)「理由」の欄に「存否を応える」と2か所記載されているが、新潟市情報公開条例第6条の3は「存否を答える」と規定しており、また通常の用語法としても「答える」が正当であることから、記載は誤字であって、本件通知書については加筆訂正をした上で再発出すべきであると主張し、加えて謝罪(お詫び)を行うことを求めています。

2 これに対し、所管課は次のとおり回答しています。
(1)「該当条文」については、新潟市の運用として「条文」と記載されている箇所に「条項」を記載する扱いとされており、理由欄において条文を補足説明することで足りるとの整理がなされている。情報公開制度を所管する市政情報室に確認したところ、全庁的に同様の取扱いであるとの回答を得ている。
(2)「存否を応える」の記載については、条例上は「答える」を用いるのが適切であり、所管課としても「答」を用いるべきであったとの認識はある。しかし、本件通知書の決定趣旨を損なうものではなく、公文書の加筆訂正、再発出は不要であると判断した。また、所管課は、申立人に対して経緯を丁寧に説明してきたが、文書の再発出はしない旨を繰り返し回答しており、法制部門にも確認したうえで、通知書の差替えは必要ないとの見解を得ている。

3 当審査会の判断は次のとおりです。本件苦情は、本件通知書に記載された「条項」および「応える」の表記が誤っているため、本件通知書の取消しと当該箇所を訂正した通知書の再発出並びに謝罪を求めるものです。
 この点、本件通知書に対しては、前記1に記載した趣旨により、申立人により行政不服審査法による審査請求書が提出され審議が行われていることから、新潟市行政苦情審査会規則第11条第1項第1号、新潟市附属機関設置条例別表新潟市行政苦情審査会の項第1項各号に掲げる事項のうち、第2号「判決裁決等を求め現に係争中の事項」に該当するため、当審査会としては判断を行うことができません。
 そのため、公文書を受取った方から、記載内容に誤りがあると指摘された場合、一般的にはどのように対応し得るのかについて以下に見解を述べたいと思います。

4  行政行為が違法または不当なものである場合、その行政行為には瑕疵があるといえ、瑕疵ある行政行為は取消しの対象となります。もっとも、軽微な瑕疵にとどまる場合には、取消事由となる瑕疵には当たらず(最判昭和49年12月10日・民集28巻10号1868頁)、また、行政行為が特定の内容を意味していることが関係当事者間に疑いを容れない程度に看取しうる場合には、その内容は特定されていると解して差し支えないとされています(最判昭和32年11月1日・民集11巻12号1870頁参照)。

5  したがって、公文書に誤りがあると指摘された場合、行政はこれらの判例などに照らし、文書の訂正や再発出について個別に判断する必要があるものと考えます。
 なお、その際には、公文書を発出した相手方に対して、丁寧な説明を行った上で、十分に理解を得て対応する必要があるものと考えます。

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