(7-4)新潟市オープンデータ利用規約の不備
最終更新日:2025年6月3日
(7-4)新潟市オープンデータ利用規約の不備
令和7年5月15日(苦情申立書受理)
申立ての趣旨
新潟市は、新潟市ウェブサイト上でオープンデータを公開しているが、それらオープンデータについて、基本的に「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示2.1日本」(以下、「CCライセンス」という。)を付与して公開しているにもかかわらず。「新潟市オープンデータ利用規約」では、以下の禁止事項を規定している。
・本市又は第三者に損害を与える行為又は損害を与える恐れのある行為
・本市又は第三者の名誉を棄損する行為又は名誉を棄損する恐れのある行為
・本サイトの運営を妨害する行為
・本サイトのコンテンツを有害なプログラムに利用する行為
・その他、法令に違反する行為又はその恐れがある行為
つまり、新潟市オープンデータにはCCライセンスが付与されているとしながら、実際にはオープンデータのライセンスとして「CCライセンス+新潟市オープンデータ利用規約」を付与して公開していることとなり、CCライセンスで公開しているとはいえない状況であるか、あるいは、利用規約のすべてがCCライセンス上で上書きされているため、利用規約はそもそも無効ということになる。また、オープンデータに付与されているライセンスであるCCライセンスでは、「あなたは、この利用許諾条項及びこの利用許諾によって付与される利用許諾受領者の権利の行使を変更又は制限するような、本作品又はその二次的著作物に係る条件を提案したり課したりしてはならない。」との規定がある。
これは、CCライセンスに追加の条項を課してはならないという趣旨の規定である。逆に、CCライセンスによってそのままの形で再配布すること自体を認めている以上、新潟市のオープンデータをそのまま再配布すれば、利用規約を無効化することも可能ということになる。
また、それ以外の利用規約の規定についても、法人としての自治体の持つ法的な権利が羅列されているに過ぎないが、CCライセンスは法的な権利を放棄するものではないため、禁止事項以外の事項についても、事実上何も規定していない。したがって、利用規約の全部はCCライセンスの趣旨と矛盾しているため不要であり、その全部の取下げを求める。
なお、仙台市、大阪市、千代田区では、オープンデータの公開に際して利用規約を設けておらず、CCライセンスの採用の事実だけを掲示していることを付け加える。
調査しない理由
申立人は、新潟市がホームページ上で公開しているオープンデータについて、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示2.1日本(以下、「CCライセンス」という。)」を付与し利用条件を設定した上で、更に「新潟市オープンデータ利用規約(以下、「利用規約」という。)」を設けて運用していることは、CCライセンスにより公開しているとはいえず、利用規約は無効であり利用規約の取下げを求めると主張している。
本件における申立人の主張については一般的な指摘であり、申立人自身のみが有する個別具体的な利害がないものであることから、新潟市行政苦情審査会規則第11条第1項第2号(苦情申立人が苦情の申立ての原因となった事実について苦情申立人自身の利害を有しない場合)の調査対象外事項に該当するため。
所管部署
総務部デジタル行政推進課
調査しないことを決定した日
令和7年5月30日
このページの作成担当
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