秋葉区げんき!トークキャラバン 第7回

最終更新日:2022年1月7日

秋葉硝子編

秋葉区の「げんき!」を発信していく区長のトークキャラバン。秋葉丘陵に抱かれた草水町で、新潟市内で唯一のガラス工房・秋葉硝子さんにて、代表のガラス作家・照井康一(てるいこういち)さんと、若手の澤口萌恵(さわぐちもえ)さんをお訪ねしました。

上記フェイスブックページ(秋葉区公式フェイスブックページ)にもトークキャラバンについて掲載しています

夏目区長、照井康一さん、澤口萌恵さんトーク
秋葉硝子にて

照井康一さん、夏目区長、澤口萌恵さん集合写真
写真左より照井康一さん、夏目区長、澤口萌恵さん

【なぜガラスの工場が?】
夏目区長、以下夏目)こちらの秋葉硝子、とても歴史を感じさせる趣ある所ですが、照井さんはこの地でどのくらいガラス作品の制作に携わってこられましたか?
照井康一、以下照井)30歳ころから関わり始め、途中他の場所での活動も経て、合計17年間ここで制作してきました。かつては業務用食器などを生産する会社の工場だったのですが、ガラス工芸作品を作る工房としてからは10年ほどになります。
夏目)古くからここに工場があった理由や歴史などをお聞かせください。
照井)ガラス製造には燃料がとてもかかります。石油やガスが豊富に産出されたこの場所に、愛知や大阪から職人が移って来て、調べると新津の街なかを含めて16社もあったようです。原料や製品の物流で鉄道の役割も大きかったと思います。

【秋葉硝子の作風と発信】
夏目)その後は産業としての生産を終えて、照井さんが代表を務める「秋葉硝子」となったわけですが、作品の特徴や作風など、どんな思いを込めていますか?一般の方の体験型ワークショップなども行われていますね。
照井)地元としてのオリジナル作品を発信していきたいということですね。飴色と言われる独特のガラスのほかにもいろんな色を使いつつ、秋葉硝子らしい特色を出し、多くの人に見ていただきたい。制作に専念してきたのでワークショップはあまり多くできずに来ましたが、参加される皆さんからは、作る過程のガラスが柔らかいこと、急速に冷えるので短時間で作ることなどに、豊かな反応があります。
夏目)この地で生み出される数々の作品、その広がり具合はいかがですか?
照井)9割が県外で作品展をやってきたので、県内より県外での認知度の方が高いと思います。ここで仕事をする以上は、地元の方により知っていただきたいと最近思うようになりました。一方で情報発信の仕方も変わって来て、それまでは作品を手に取って見て気に入ったものを買い求めてもらっていましたが、今はインターネットの情報を見て、遠方からでも若い人が買ってくれるようになっています。

【若手への継承】
夏目)広く集客につながるユニークな音楽イベントなども話題となりました。特徴的な秋葉硝子の場所や作品が若い層にも評価されている中、後進となる若手の育成や継承などはどんな取り組みが行われていますか?
照井)今はガラスが主体ですが、分野を超えたいろいろなクリエイターがここに集まって、デザインや絵画、音楽など多角的な文化で活用していければと考えています。簡単に「楽しい場所」にしたいので、イベントも自分にとって心地よいジャズなどをやってみただけで、その結果人々に集まってもらえればそれはありがたいこと。今日は若手を1人紹介します。
澤口萌恵、以下澤口)新潟大学の教育学部美術専修4年の澤口萌恵です。昔から粘土で造形したりする立体表現が好きで、ガラス職人という職業があると知って、将来の夢として考えました。4月からここで活動していく予定です。
夏目)この場所につながったきっかけとか、その時の照井さんの反応は?
澤口)調べてみると新潟で秋葉硝子という存在はとても大きくて、ここで修行して独立した作家さんもいるので、ここしかないと思いました。でもアニメみたいに「ここで働きたいんです!」とは言わずに、令和2年の夏に制作体験をさせてもらいました。照井さんは特にウンともスンとも。。。
照井)ガラスの仕事は、制作過程や作品は魅力的だけど、そこまでの準備が地味で大変で、力仕事と暑さに苦労するんですよ。昔の工場では炉の前は60度でしたからね。今では環境が改善されてきて、そんなこともありませんが。
澤口)黄金色・飴色の硝子は素直にきれいだと思いますし、一目見てすぐに秋葉硝子とわかるオリジナリティがあります。私も自分にしか出せないような色の作品を作ってみたいです。
照井)かつては職人時代の技の習得のステップがありましたけど、作家としてもう横並びなので、伝えられるものは100%伝えます。ガラスという素材をどう生かすかは彼女の自由な感性ですから。

【好きなところ、元気の源】
夏目)秋葉区で好きなところ、また元気の源は何でしょう?
照井)やはりこの秋葉山ですね。新潟市の中心部からこの近さで、珍しいですよ。それを活かしきれていないというか、長く住んでいると良さに気づかないのかも。産業構造が変わってきた中で、最終的に残るのは文化だと思います。交通の便に関わりなく、その場所に魅力があれば人は訪れます。クリエイターたちがここに集まって活動し、空き家などを活用して住んでくれると、秋葉区の街なかの商店街にも変化が現れるかもしれません。
澤口)やはり秋葉区の方々の人柄は魅力的です。ここには尊敬できる先輩方がたくさん集まっていて、何かを生み出そうとする人のエネルギーを感じます。
照井)今まで何度厳しい局面があっても、そのたびに協力してくれる人が現れて、不思議なくらいです。それも作り手だけではない、いろいろな関係者の方が集まって支えてくれるから、自分もやる気が出るんですね。

【今後に向けて】
夏目)ちょうど1年前、令和3年1月の豪雪で工場倒壊があり、クラウドファンディングで再建するプロジェクトも行われました。ここからの再出発について伺います。
照井)無事プロジェクトが成立して長年の夢であった電気炉を購入でき、2月には建屋が完成、4月からフルオープンします。新しい炉での作品制作と展示販売、体験、アート系イベントができると思います。ガラスにこだわらずに、秋葉区から三条・燕・五泉などにもエリアを広げて、お互いにつながる若手がどんな活用をしてくれるか楽しみです。自分のラストチャンスだと思うので、若い人に全部伝えたいし、ここを運営したいという人がいたら喜んで引き継ぎます。
澤口)完成したらとにかく私も早く吹いて作品を作ってみたくて、今とてもワクワクしています。照井さんが“ガラス職人”になる姿を見てみたいですね。
夏目)秋葉硝子の取り組みや熱い思いなど、秋葉区のいろんな「げんき!」が区民の皆さんにもっと広く伝わるよう、令和4年も頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

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