(4-14)香害に関する市の対応に対する市長への手紙の対応

最終更新日:2023年5月24日

(4-14)香害に関する市の対応に対する市長への手紙の対応

令和5年2月27日苦情申立書受理

申立ての趣旨

香害に関する市の対応に対し市長への手紙を書いたが、手紙の趣旨に沿った回答がなされていない。

申立ての理由(要約)

香害を人権問題という観点から市としてどのように捉え対応していきたいとお考えなのかについて、市長への手紙の投稿フォームで2回、メールで1回、合計3回に渡り提出し回答をいただいているが、手紙・メールでは人権問題としての香害についての認識を問うているところ、質問の趣旨に沿った回答がなく、私の存在や人権が無視されていると感じた。
質問の趣旨に対し、誠意を持って真摯に回答していただきたい。

所管部署

保健衛生部保健所環境衛生課(以下「所管課A」という。)
市民生活部広聴相談課(以下「所管課B」という。)

調査の結果

令和5年5月19日決定
所管課の対応に非があるとは認められない。

調査結果の理由

当審査会では、所管課A・B及び申立人から資料を提出してもらうとともに、聞き取りを行いました。
その結果、以下のような事項が認められました。
1 事実経過については、次のとおりであったことが認められました。
(1) 申立人は、いわゆる香害問題に関して、人権という観点からの香害問題に対する市の考えや施策を回答してもらいたいと考え、令和5年1月10日、市長への手紙の投稿フォームを利用して投稿した。
但し、この投稿の際には、「人権という観点からの香害問題に対する市の考えや施策を回答してもらいたい」との趣旨がストレートには記載されておらず、申立人の上記意図が正確に理解されない可能性があると考えられた。
(2) 上記投稿に対しては、同月27日、所管課A・所管課Bの連名で申立人宛にメールで回答がなされた。同回答には「ホームページへの掲載等により、香料等によって体調を崩す人がいることの周知や人の集まる場所等での配慮をお願いしてきたところだが、改めて市の公共の施設管理や事業を行うにあたって、その状況に応じた配慮ができるよう、庁内での周知をすすめていく」との趣旨が記載されている。しかし、申立人が期待していた回答は記載されていなかった。
(3) 上記回答を受け、申立人は、同日、上記メールに対する返信メールの形式で、「人権問題としての香害を新潟市としてどのように考えるのか回答をいただきたい」との趣旨を記載したメールを送信した。
(4) 上記メールに対しては、同年2月2日、所管課Bの名義で申立人宛にメールで回答がなされた。同回答には「回答については1月27日付けで回答した内容と同様になる」との趣旨が記載されているが、申立人が期待していた回答は記載されていなかった。
(5) 上記を受け、申立人は、同月3日、市長への手紙の投稿フォームを利用して「市長として、香害を人権問題の視点からどのように考え、どのような対応をお考えなのか。回答をお待ちしています。」との趣旨を投稿した。
(6) 上記投稿に対しては、同月6日、所管課Bの名義で申立人宛にメールで回答がなされた。同回答には「上記投稿を確かに受領した。頂戴した意見は、市長が拝見する。関係課にも伝える。回答については同メールに代えさせていただく。」との趣旨が記載されている。しかし、申立人が期待していた回答は記載されていなかった。
2 「市長への手紙」制度の趣旨及び運営の実情等は次のとおりであることが認められました。
(1) 「市長への手紙」は、市政に関する意見、提案を手紙やメールで募り、今後の市政運営に生かすための広聴制度として設けられた制度である。
(2) 受領した意見、提案は、関係課へその内容を伝える。また、市長に対しては、ある程度まとめた上で報告する。
(3) 意見、提案の提出者(市長への手紙の差出人)が回答を希望する場合は、市として回答が可能なものについては、提出者(差出人)に対し、可能な範囲で回答する。なお、回答は市長名で行うとは限らず、内容によっては区長名や所管課長名で回答する。
(4) 市政に関する質問等は「市長への手紙」の制度趣旨に合致しないことになる。しかし、質問等がなされた場合も、上記と同じく、市として回答が可能なものについては、質問者に対し、可能な範囲で回答する。
3 本件に関する所管課の説明等は次のとおりでした。
(1) 個人の香料等の使用に対する国の規制がないため、現状では、自治体において使用に制限をかけることは難しい(制限をする場合には、使用する個人の権利を制限することになるが、自治体として当該権利を強制的に制限することは難しい)と考える。
(2) 但し、いわゆる香害による被害を訴える方がいることは事実である。そのため、被害を訴える方の権利を守る観点から、ホームページへの掲載等により、香料等によって体調を崩す人がいることの周知や人の集まる場所等での配慮をお願いしてきた。また、改めて市の公共の施設管理や事業を行うにあたって、その状況に応じた配慮ができるよう、庁内での周知をすすめていきたいと考える。
(3) 以上より、申立人に対し、上記1(2)記載の趣旨を回答した。また、この回答内容は、上記1(3)記載の「人権問題としての香害を新潟市としてどのように考えるのか」との質問に対応する回答であると理解している。
(4) これに対し、申立人は所管課からの回答に納得していない。本苦情申立の内容に鑑みると、申立人は、市としての、より一般的な考え方等の回答を求めているものと思われる。
しかしながら、現状では、市として上記1(2)記載の趣旨以上の回答をすることができない。そのため、これ以上の回答をすることができない。
以上によれば、所管課は申立人の質問に対し、可能な範囲で回答をしていると判断できます。よって、当審査会では、所管課の対応に非があるとは言えないと考えます。
他方、本件に関連して、次の事項も認めることができました。
1 申立人を含め、いわゆる香害による被害を訴える方が一定数存在すること。また、且つ、その中には、深刻な被害を訴える方もいること。
2 そのため、所管課はホームページへの掲載等により、香料等によって体調を崩す人がいることの周知を図るとともに、人の集まる場所等での配慮をお願いしていること。
3 令和3年に、申立人の提案等も踏まえて、市独自のチラシを作成したこと。また、チラシの作成に際しては、申立人の意見を聴取し、同意見も反映したうえで作成していること。(なお、同チラシは、市民団体である「新潟市住みよい郷土推進協議会」が年に1回発行する会報に掲載され、同会報は自治会等で回覧してもらっている。)
4 「香害」という言葉は、「香害」による被害を訴える方らを中心に使用されている造語であり、現時点では国としては使用していないところ、上記チラシでは「香害」との表現を明記していること。
5 市職員用のポータルサイトの掲示板においても、いわゆる香害問題を周知するとともに、被害を訴える方に対しては配慮が必要であることの周知も行っていること。
6 所管課は、いわゆる香害問題に関するシンポジウム等(申立人からの情報提供によって所管課が認知したものではなく、所管課が独自に情報を得たもの)の開催についても上記掲示板で周知し、参加を促していること。
以上のとおり、所管課は申立人の意見等を踏まえて、いわゆる香害問題に対応していること、且つ、意見を受けて受動的に対応するだけではなく、能動的に対応していることが認められます。所管課においては、被害を訴える方の実情を考慮し、引き続き、適切に対応していただくことを希望します。

このページの作成担当

市民生活部 広聴相談課

〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1(市役所本館1階)
電話:025-226-2094 FAX:025-223-8775

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