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男性の育休の意義

最終更新日:2020年9月17日

寄稿 男性の育休取得が社会問題の改善につながる

OS入れ替えて、父親であることを楽しもう

育児に積極的な男性が増えました。「イクメン」という言葉も定着し、街中では子どもを抱っこしたり、ベビーカーで連れて歩く父親をよく見かけるようになりました。しかし全体から見たらまだ少数派かもしれませんし、「ワンオペ育児」「取るだけ育休」などという言葉が出る状況からして、父親育児の「質」の向上はこれからの課題なのかもしれません。国の調査でも、父親の1日の平均育児時間は母親の4分の1以下です。その差の大きな理由はいわゆる「ジェンダーギャップ」で、社会全体に「古典的な男女役割分担意識」が根強くあるからだと言われます。「外で働き収入を上げ家族を養うこと」が父親の役割で、「育児や家事は母親がやるもの」と思いこんでいる人が男性に限らず少なからずいるのです。

そういう1962年生まれの私も若い頃は好きな仕事に没頭していました。でも23年前に娘が生まれたとき、直感的に「育児って義務ではなく権利なのではないか」と思ったのです。仕事も大事だけれど、子どものいる人生も目いっぱい楽しみたい。主体的に育児することで父親として成長し、家族も自分も幸せになれるのではないかという予感があったのです。そのためにはまず「男は仕事、女が家事育児」といった古い価値観を捨てる。意識改革、つまり自分の中のOS(オペレーティング・システム)を入れ替えねばと悟りました。

 父親支援の事業を展開するファザーリング・ジャパン(以下FJ)では、まずセミナーで父親たちにこの「OSの入替え」を伝えます。最近は晩婚の影響で40代から50代の新米パパも増えています。しかし彼ら世代は学校教育で家庭科すら受けてない古いOSの持ち主。自分もそうだったように、「育児・家事ができないのは自分の能力ではなくOSの問題だったのか!」と気づくことが多いのです。OSが入れ替わる、つまり価値観が変わると男性も「仕事だけ」の生活から脱却できます。ワーク・ライフ・バランスを自然と考えるようになり、仕事を切り上げてなるべく早く帰宅したり、土日も育児家事を妻と協業するようになります。

私たちファザーリング・ジャパン(FJ)は「父親の育児支援」をテーマにこれまで14年間活動してきました。新潟県にも支部があり、令和元年には「ファザーリング全国フォーラムinにいがた」を開催し、FJが目指すところの「笑っている父親」が新潟にも増えてきたことを実感します。FJでは新潟に限らず、全国で講演セミナーやイベント等を通じてこれまで数万人のパパやママたちに出会い、様々な相談を受けてきました。

子育てが始まると妻と不和に陥る男性は少なくありません。でも、それはパパの能力や向き不向きの問題ではなく、単にOSの問題。『育児は母親の仕事。外で稼いで家族を養うのが、父親の役割だ』といった古い父親像をアンインストールして、自分の中のOSを入れ替えればいいだけ。家庭をほったらかしにして仕事一筋で生きても、今の時代に家族は幸せになれないし、自分の人生だって楽しめないと思います。
私も今は3人の子どもに恵まれ現役でパパを楽しんでいます。これは、あの時OSを入れ替えられた自分へのご褒美だと思っています。仕事も子育ても自分の人生・自分の時間にして、父親がまず子どものいる暮らしを目いっぱい楽しむ。その姿を見て育った子どもはきっと仕事も子育ても楽しむ親になる。パパが育休を取得することが家族の幸せの第一歩だと思います。

自らの体験も通して、やはり男性の意識や働き方を変えることが肝心で、「父親が変われば、日本の子育てが、家庭や地域が職場が、そして社会が変わる」ということをモットーに活動を続けています。

上司が変われば、日本の子育てが変わる。”キーパーソンは”イクボス”

こうして2010年あたりから男性の意識は徐々に変化していったのですが、現実問題として、男性が仕事をしながらも育児に主体的に関われる職場環境が未だ日本では整っていないと感じ、FJでは多様性時代の管理職養成を狙って、「イクボスプロジェクト」を2014年からスタートしました。FJの子育て講演後のアンケートでも、「自分が仕事終わっても帰れる雰囲気ではない」「育休どころか子どものことで有休すら取りづらい」「管理職世代の意識を変えて欲しい」という声が多かったからです。男性の育児・家庭参画は本人の努力だけでは限界があったと思い知ったからです。

一方、政府が成長戦略として2016年から掲げる「女性活躍」もなかなか進まない状況です。原因はいろいろありますが、やはり「ジェンダーギャップ」が構造的な課題で、特に「男性の長時間労働・休みづらい環境」を変えないといけないと考えます。そこが変わり、父親の家庭における家事育児時間が長くなれば、どれだけ働く母親は楽になるでしょうか。しかし未だに多くの職場では、かつて育児をしてこなかった管理職世代の昭和の男女の役割分担意識や、残業を当たり前とする仕事観が邪魔をしているのです。男女ともに育児や介護で「時間制約社員」が増える時代に経営者はそのことを理解し、多様性を活かすマネジメントができる管理職を増やさねばなりません。

イクボスとは、職場で共に働く部下・スタッフのワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の結果も出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のことを指します(対象は男性に限らず、今後増えるであろう女性管理職も)。

しかし、勤勉という名の長時間労働を良しとしてしまう日本では、プライベートよりも仕事を優先するという空気が多くの職場にあります。最近ではどの職場でも多くの男性が育休を取得したいと思っているのに、実質取得できている社員はほんの一握り、という会社はまだ新潟でも多いのではないでしょうか。職場にせっかく制度があっても実際には取りにくいのが現状です。なかには、育休を取りたいと上司に言ったら、「お前が産むの?」「父親なんて居ても役に立たないぞ」と言われてしまったなんて話も他県ではあります。だからイクボスが必要なのです。子育てを理由に仕事を抜けることを後ろめたいと思ってしまうのは、その男性自身の意識もあるのですが、そう思わさせてしまう環境を変えねばなりません。つまり職場の空気をつくっている、上司の意識・行動改革こそが必要なのです。

職場がまだ男性社員の会社への忠誠やそれに伴う長時間労働および休暇が取りにくい風土を継続させている限り、男女問わず育児と仕事の両立を求める社員・職員を苦しめることになります。仕事のパフォーマンスや生産性も上がりません。一人ひとりのキャリアパスや家庭の事情に寄り添い、部下の人生を応援し社員を幸せする。そのために組織の制度や働き方を抜本的に変え実行する。その実践こそが日本の子育て支援、果ては子どもが生まれ育てやすい少子化対策にも繋がっているのだ、ということを上司・管理者は理解して欲しいと思います。

男性の育休取得はボウリングの1番ピン

そこでFJでは、自治体や企業の管理職研修(イクボスセミナー)で、「男性育休はボウリングの1番ピン」だと伝えています。男性の育休取得は単なる個人のわがままや贅沢ではありません。男性が育児休業を取得する=男性の家庭進出は、働き方改革、ジェンダー平等、少子化対策、児童虐待・DVなど、社会が解決しなくてはいけない問題を改善していくキッカケ、つまり最初に倒さなくてはストライクにならないボウリングの1番ピンなのです。

 現在、多くの企業で配偶者出産休暇(有給)が推奨されるようになり、1週間程度の「パパ産休」は進んできました。これは育休の最初の5日間を有給にすることで、土日を付ければ1週間、収入を減らさずに休めるという仕組み。でも、産後の家族ケアを考えれば最低でも欧州並みに2週間、できれば1カ月から3カ月ほど父親の育児時間を増やしたいものです。

男性の育休期間を増やすことは家庭のメリットだけではありません。長期間の育休を取得することは会社の経営にとってもメリットがあることが、すでに多くの企業で実証されています。私がアドバイスしたある住宅メーカーでは「男性社員の育児休業1カ月以上の取得」を義務付けたことで、取得した男性社員の職場では働き方改革が進みました。1週間くらいの休暇の場合、本人が前後の残業で調整してしまいますが、長期間の育休となるとその要員マイナスをどう補てんするか、少ない人数でも生産性を上げる工夫をより考えるようになり、働き方改革が本質的に進むのです。

また男性も育児・家事をすることで生活者目線を持つことができて業務でプラス効果も見られました。その住宅メーカーでは「子育てに優しい家づくり」の提案に繋がったようですし、育児を通じて視野が広がるのは仕事力の向上・会社の利益向上に繋がります。さらに職場のダイバーシティも進みます。誰しもがより働きやすい職場の実現が望めます。実際に育休を取得した男性からは、「これまでよりも子どもの病気などで急に休んだり早退したりする女性社員にも共感できるようになった」という声も多く、子育てや介護に携わる人も働きやすい職場が定着することで、おそらく離職率も下がり企業イメージも上がるでしょう。

父親たちへ。育休取得のファーストペンギンになろう!

多くの男性が長期育休取得に二の足を踏むのは「職場にまだ前例がない」。でも、働き方改革が進む今だからこそ先駆者になろう、とマインドを変えてみませんか。あなたが一番手、つまりファーストペンギンとして育休を取得し前例を作ることで、後に続く後輩が育休を取りやすくなります。

いまコロナの影響で在宅勤務(テレワーク)が可能になる職場も増えています。となると男性も育児や家事の時間は増えるわけで、それを楽しむことが肝心です。不安やストレスはありますが、やはりOS(意識)を入れ替えて、ピンチをチャンスを変えていく。特に父親が家庭での居場所を確保するには好機といえるでしょう。またもし、新生児が産まれる予定があれば、ぜひ前向きな育休の取得を考え家族と話し合ってもらいたい。周囲や上司に忖度することなく自分の家族のことは自分で決める。空気を読まずに、空気を変える人こそ、いま社会に求められる人材ではないでしょうか。

このページの作成担当

市民生活部 男女共同参画課
〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1(市役所本館2階)
電話:025-226-1061 FAX:025-228-2230

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