第2章 低炭素社会の創造

最終更新日:2023年1月10日

現状と課題

田園風景

 本市は、市域の約5割以上を田畑が占めており、市街地近傍に新潟市の鳥「ハクチョウ」をはじめ多くの渡り鳥が飛来する里潟が存在するなど、都市と自然との調和が保たれた田園型都市です。食、産業、雇用・活動の場、エネルギー、文化・伝統、地域の結束などさまざまな価値の源である田園環境は、市民にとってはもちろん、そこに住む動植物にも必要不可欠な環境となっています。

図表2−1 農業就業人口の推移(出展:「農林業センサス」農林水産業)
図表2−1 農業就業人口の推移(出展:「農林業センサス」農林水産業)

 本市は、都市として国内有数の農業生産の実績をもつ一方で、米価が下落傾向にあることや後継者不足などから、就業者数の減少や耕作放棄地の拡大が懸念されており、将来における農地の健全な保全が課題です。また、農地の状態を良好に維持し、食の安心安全を一層高めるため、化学肥料・化学合成農薬をできる限り減らし、田園環境への負荷を低減させていく農業が求められます。

 農作物の供給地と需要地の距離をできるだけ短くして、輸送に際して発生する二酸化炭素の削減を図る必要があります。そのためには、市街地に隣接して広がる田園から出荷される新鮮な農作物を、できる限り近いところで消費できる環境整備や地元産品購入への理解浸透が必要です。

 土地利用の約半分を農地が占める本市では、未利用の田園資源(バイオマス)の利用拡大を図っていくことが必要です。また、農業系バイオマス資源の収集や活用に際しては、コスト低減やバイオマスエネルギーの利用拡大につながる仕組みづくりが重要です。

エネルギー

 日本では2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を目指すことを宣言するとともに、2021年4月には、2030年度の新たな温室効果ガス排出削減目標として、2013年度から46パーセント削減することを目指し、さらに50パーセントの高みに向けて挑戦を続けるとの新たな方針を示しました。実現に向け大きなカギを握るのは、エネルギーの需給構造の変革です。
 2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、安全性の確保を大前提に、安定的で安価なエネルギー供給の確保と、気候変動への対応を進めるということを重要なテーマとしており、2021年から続く世界的なエネルギー需給ひっ迫及び価格高騰からもエネルギーを安定供給することの重要性が改めて確認されています。
 2030年に向けては、国が再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、再エネに最優先の原則で取り組み、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入を促進することを踏まえ、本市においても「2050年ゼロカーボンシティ」の実現を目指し、エネルギーの地産地消をはじめ、再エネ・省エネ設備や蓄電池、およびガスコージェネレーション等の分散型電源の導入を進めるなど、取り組みを加速させていく必要があります。

図表2−2 本市のCO2排出量エネルギー別内訳(2019年度暫定値)
図表2−2 本市のCO2排出量エネルギー別内訳(2019年度暫定値)

二酸化炭素排出量

 本市では、令和2年3月に策定した「新潟市地球温暖化対策実行計画(地域推進版)-環境モデル都市推進プラン-」に基づき、市域から排出される二酸化炭素排出量を平成25年度比で令和6年度までに30パーセント削減することを目標としています。令和元年度の二酸化炭素排出量は596万トン-CO2で、基準年度比は24.6パーセント減です。部門別で見ると、産業部門の排出量が最も大きく、次いで運輸部門、家庭部門の順となっています。

図表2−3 本市の部門別二酸化炭素排出量
  部門 2013年度(基準年度) 2018年度 2019年度
排出量 排出量 排出量 割合 増加率
前年度比 基準年度比
エネルギー起源 産業部門 264.2万トン 205.7万トン 171.1万トン 29パーセント -16.8パーセント -35.2パーセント
家庭部門 179.5万トン 141.4万トン 138.0万トン 23パーセント -2.4パーセント -23.1パーセント
業務部門 162.6万トン 127.8万トン 129.6万トン 22パーセント 1.4パーセント -20.3パーセント
運輸部門 149.1万トン 148.3万トン 140.9万トン 24パーセント -5.0パーセント -5.5パーセント
非エネルギー起源 廃棄物部門 12.1万トン 9.5万トン 10.2万トン 2パーセント 7.7パーセント -15.8パーセント
工業プロセス 15.3万トン 0.0万トン 0.0万トン 0.0パーセント 0.0パーセント -100.0パーセント
エネルギー転換部門 8.0万トン 6.3万トン 6.1万トン 1パーセント -3.4パーセント -23.7パーセント
合計 790.8万トン 639.1万トン 596.0万トン 100パーセント -6.7パーセント -24.6パーセント

※四捨五入の関係により合計値が合わない場合があります。

図表2−4 本市の代表交通手段構成(平成28年度)
図表2−4 本市の代表交通手段構成(平成28年度)

 超高齢・少子社会を背景に本市の人口は減少傾向にありますが、世帯数は増加傾向が続いています。令和元年度の家庭部門の排出量を世帯当たりで見ると、本市は4.0トン-CO2毎世帯で、全国の2.7トン-CO2毎世帯の約1.5倍です。世帯当たり人員は、本市で約2.3人、全国で約2.2人となっています。本市は夏季は暑く冬季は寒さが厳しいうえ、1住宅当たりの延床面積が109.3平方メートルと全国平均(93.0平方メートル)より広いため、冷暖房に使用するエネルギーが多くなることが、本市の家庭部門の排出量が多い要因の一つと考えられます。
※平成30年住宅・土地統計調査(総務省統計局)

 また新潟市は、自動車分担率が約7割と高く、市内の交通は自動車に依存しており、人口一人あたりの運輸部門の二酸化炭素排出量の多さは、全国政令市の中でも常に上位となっています。人の移動に係る二酸化炭素排出量は、自動車がバスの約2倍、電車の約7倍であることから、過度な自動車利用を見直し公共交通などへ転換することが有効です。また、自動車を利用する場合のエコドライブのほか、低燃費車や電気自動車、ハイブリッド車などの低炭素モビリティの普及を推進し、自動車単体の排出量を削減していくことも必要となります。
※温室効果ガス排出・吸収量の算定と報告 2019年度温室効果ガス排出量要因分析PDF版(環境省)

施策展開

1 田園環境の保全・持続可能な利用

(1) 環境保全型農業と農業の低炭素化の推進

環境と人にやさしい農業の支援

 良好な農地と生物多様性の保全のため、環境保全型農業や資源循環型農業に資する機械・施設の整備など化学肥料・化学合成農薬の低減に取り組む農業者を支援しています。令和3年度は20件の農業者団体等を支援しました。
 また、地球温暖化防止を目的とした農地土壌への炭素貯留に効果の高い営農活動や生物多様性保全に効果の高い営農活動に取り組む農業者を支援しました。令和3年度は95件の農業者を支援しました。

(2) 田園資源の有効活用

新潟ニューフードバレーの形成

 食産業ナンバーワン都市を目指し、新潟市の持つ圧倒的な農業生産力と都市機能を活かして、農商工連携や6次産業化、食品リサイクルなどを推進し、農業を含めた食産業全体が連携を図りながら共に成長し発展するよう取り組みを進めます。令和3年度は、庁内5部において、農商工連携や6次産業化、食品リサイクルの推進など関連33事業を実施しました。

地産地消PR用のぼり旗
地産地消PR用のぼり旗

地産地消の推進

 田園部と都市部が近接する本市の地の利を活かして、地産地消を推進することにより、フードマイレージの低減を図ります。令和3年度は、市内産農産物等を販売し、地産地消に積極的に取り組む小売店や飲食店を地産地消推進の店に認定し、市内産農産物などの普及と消費拡大に努めました。

貸出しDVD
貸出しDVD

地元産材の活用促進

 地元産材を活用することで輸送に係るエネルギー消費量を抑制するほか、地元林業を活性化し、温室効果ガス吸収源としての森林整備を促進します。令和3年度は、地元産木材使用を推奨するDVDの貸し出しやホームページでのPRを実施しました。

(3) バイオマス資源の持続可能な利用

耕畜連携による再資源化の推進

 農業現場から発生する家畜排せつ物やもみ殻を堆肥化し、それらをほ場へ還元することで土づくりを行うなど、資源循環型農業を推進します。
 令和3年度は、堆肥散布機やもみ殻散布機など、環境にやさしい農業の実践に向けた機械や施設、農業資材に対して支援を行いました。

(4) 都市と田園の交流促進

グリーン・ツーリズムの様子
グリーン・ツーリズムの様子

都市型グリーン・ツーリズムの推進

 本市の自然や農業環境、生物多様性の恵みなどを観光資源として活用する農林漁業・自然体験受入先の支援を実施し、地域の農業や自然と共存する農の営みへの理解を深め、交流人口の拡大を図ります。令和3年度は、農業体験や生産者との交流などを通じ、農業・農村への理解を深めるとともに、農のある暮らしの楽しみ方を学ぶ場として、「収穫農園」を西区・西蒲区・秋葉区で実施しました。

搾乳体験
搾乳体験

新潟発わくわく教育ファームの推進

 全国初の公立教育ファームである「アグリパーク」や「いくとぴあ食花」を中心に、学習と農業体験を結びつけた農業体験学習プログラム「アグリ・スタディ・プログラム」により、令和3年度は全ての小学校で農業体験学習を推進しました。

(5) 市街地をやさしく包み込む田園環境の保全

ハクチョウガイドブック
ハクチョウガイドブック

田園・里潟・里山などの自然環境の保全

 本市の豊かな自然環境を象徴する「ハクチョウ」をPRしています。ハクチョウは、平成26年に実施した市の鳥総選挙により市の鳥に制定されました。本市では、ハクチョウガイドブックを作成し、特徴や生態について紹介しています。

田園の防災機能の活用

 農地ならびに下流市街地の浸水被害を軽減するため、田んぼダムの取り組みを推進しました。

(6) コンパクトなまちづくりの推進

暮らしやすい生活圏の実現

 持続的に発展するまちづくりを進めていくため、郊外土地利用調整制度に基づく区域区分の見直しに着手したほか、地域が主体となって移住・定住の取組みを行う移住モデル地区への支援を継続しています。

(7) 緑化の推進

森林の保全

 海岸保安林等の松くい虫対策として、地域の実情に応じた予防と被害木の伐倒くん蒸を行いました。
 また、「海の森の集い」を令和3年度は1回開催し、市民と協働して下草刈りなどの森林整備を行いました。

身近な緑の確保

 市民と次世代を担う子どもたちにやすらぎと潤いを与える公園や緑地の整備を進めます。

下草刈りの様子
下草刈りの様子

信濃川やすらぎ堤緑地チューリップ植栽事業
信濃川やすらぎ堤緑地チューリップ植栽事業

主な取組み(令和3年度)
  • 新規5公園を供用開始
  • 緑化活動335団体に花苗の購入費を補助
  • 保存樹2本を指定

2 「スマートエネルギーシティ」の構築

(1) 地域特性を活かした再生可能エネルギー・省エネルギーの推進

再生可能エネルギー発電の推進

 太陽光や風力など、再生可能エネルギーによる発電設備の導入を進めます。また、大型風力発電の整備に向け、関係者との協議などを行っています。

廃棄物発電の余剰電力を活用した低炭素な地域づくり

 地域新電力会社と連携し、公共施設などへ地域でつくられた再生可能エネルギー比率の高い低炭素な電力の導入を進めています。また、PPAモデルを用いた公共施設への太陽光発電の整備も行っています。

秋葉区における低炭素な地域エネルギーの推進

 秋葉区内に本社を置く事業者との連携により、秋葉区内の市有施設に従来よりも低炭素で安価な電力を導入し、更に令和3年度から非化石証書を使用することで実質CO2ゼロの電力の供給を開始しました。電力供給に伴う残余利益は秋葉区に還元し、秋葉区の低炭素化事業に活用します。

コミュニティにおける再生可能エネ・省エネの拡大

 自治会・町内会又はその連合組織が管理する防犯灯へのLED灯導入補助のほか、アーケード照明、街路灯照明、街区歩道照明のLED化を進める商店街団体へ支援を行いました。

指標項目 平成29年度実績(累積) 平成30年度実績(累積) 令和元年度実績(累積) 令和2年度実績(累積) 令和3年度実績(累積)
LED灯設置数(防犯灯) 53,859灯 60,411灯 64,553灯 67,384灯 69,498灯
LED灯設置数(商店街) 1,936灯 2,171灯 2,189灯 2,255灯 2,269灯
公共施設における再生エネ・省エネの拡大

省エネの拡大について、公共施設での照明改修工事の際はLEDの採用を標準としています。再エネの拡大について、令和3年度に浄水場で太陽光発電設備645キロワットを導入し、CO2削減効果は304トン-CO2毎年を見込んでいます。

(2) 未利用エネルギーの活用の推進

廃棄物発電の推進

 廃棄物の焼却により発生する熱エネルギーを余熱利用施設での給湯や冷暖房などに利用したほか、発電を行い、その電力を施設内で使うとともに余剰電力の売却を行いました。令和3年度の売電量は、44,174メガワット時でした。

車道融雪設備設置状況
車道融雪設備設置状況

下水熱の利活用と下水汚泥の消化ガス発電の推進

 下水道管からの熱回収や下水汚泥の処理過程で発生する消化ガスを利用した発電など、下水道資源の多角的な利用を推進します。平成30年度は、車道融雪の特性を考慮した下水熱利用融雪技術の実証実験を行いました。また、令和3年度の下水汚泥消化ガス発電量は3,645メガワット時でした。

(3) エネルギーマネジメントシステムの推進

エネルギー需要抑制・シフトの推進

 エネルギーの需要抑制(省エネ)及びピークシフトを効果的に進めるため、デマンド監視装置などの活用を推進します。
 令和元年度に導入した学校の普通教室電気式冷房についても、契約電力の抑制に効果を発揮しました。引き続きZEBの推進による建物自体の省エネ化とあわせエネルギーマネジメントシステムの導入を推進していきます。

地域エネルギーマネジメントシステムの推進

 西野中野山土地区画整理事業が施行された若葉町地区(リンクタウン西野中野山)では、地域のまちづくりをサポートする西野中野山まちづくり株式会社が設立され、一般住宅へのHEMS提供や一般住宅や事業所への太陽光パネルやエネファームなどの「創エネ」・「省エネ」設備の設置促進などによってエネルギーの見える化を図り、環境配慮型のまちづくりが進められました。

ガスコージェネレーションの推進

 総合的なエネルギー効率が高く、分散型電源であるガスコージェネレーションの導入を推進します。本市では、平成19年度に新潟市民病院、平成28年度に亀田総合体育館で供用を開始しました。

(4) バイオマス利活用の推進(バイオマス産業都市)

植物系バイオマス利活用の推進

 植物系バイオマス資源を利用し、「チップ」、「ペレット」などの燃料を製造し、化石燃料の代替エネルギーとして利活用すること等により、バイオマス資源の地産地消を目指します。

廃食用油の利活用の推進

 家庭や学校給食から排出される廃食用油を回収して民間に売却し、飼料などの原料として活用しました。令和3年度は、区役所等市の窓口24か所、コミュニティ協議会や自治会84か所において家庭から38,000リットルを回収し、学校からは50,000リットルを回収しました。

下水汚泥と刈草の混合消化

 中部下水処理場において、下水汚泥の処理過程で発生する消化ガスによる発電の実施と併せて、未利用バイオマスである堤防や公園からの刈草を下水汚泥と混合し、消化させることで消化ガスの発生量の増加を図る取り組みを実施します。
 令和3年度は、5月から10月までの期間で、下水汚泥と刈草の混合消化を実施しました。

(5) ヒートアイランド対策

都市緑化の推進

 本施策は、(身近な緑の確保)において定める施策を推進することにより、対策に努めています。

3 低炭素型交通への転換

(1) 公共交通網の再構築

都心アクセスの強化

 各地域と都心部(都心及び都心周辺部)間のアクセスを強化するため、都心部方向へ向かう既存のバス路線で、待合空間などを整備したほか、JR巻駅・新津駅では、パークアンドライドの社会実験を継続しています。

広域交通との連携強化

 新潟駅・新潟港・新潟空港など広域交通拠点と、都心部及び基幹公共交通軸沿線の連携を強化するため、新潟駅周辺整備事業の推進や、新潟駅から新潟空港までの間における空港リムジンバスの運行などを継続しています。

連節バス「ツインくる」
連節バス「ツインくる」

都心部での移動円滑化

 都心部での移動円滑化を図るため、幹線道路や自転車走行空間の整備、都心部でのBRT導入によるまちなかでの効率的なバス運行を継続しています。

生活交通の確保維持・強化

 各地域において、日常生活の交通手段を確保するため、区バスの運行、および地域住⺠が主体となって運営する住⺠バスへの運⾏⽀援を継続しているほか、利用実態を踏まえた郊外バス路線の改善を進めています。また、高齢者おでかけ促進事業「シニア半わり」などを継続しています。

市民や関係者による協働

 誰もが使いやすく喜ばれる公共交通を構築するため、市民や関係者とともにモビリティ・マネジメントを推進したほか、バリアフリー化の推進や新技術の導入に向けた民間事業者による社会実験の支援などを実施しています。

(2) モビリティの低炭素シフト

展示の様子
展示の様子

低燃費車や次世代自動車の普及拡大

  令和3年度は、公用車として率先導入した燃料電池自動車(FCV)を、新潟県や企業等との連携により、様々なイベントで展示しました。

(3) グリーン物流の推進

モーダルシフトの推進

 鉄道、トラック、船舶、航空輸送の最適な組み合わせにより、輸送の効率化と環境負荷の少ない輸送の両立を図ります。令和3年度は、港湾管理者である新潟県と協力しながら荷主企業等へのポートセールス、各種セミナーを通じて、新潟港の利便をPRし、輸出貨物の新潟港への利用転換を促進しました。

4 低炭素型ライフスタイルへの転換

にいがた未来ポイントをためる新潟市地球温暖化防止キャラクター「とめドキくん」
にいがた未来ポイントをためる新潟市地球温暖化防止キャラクター「とめドキくん」

(1) 低炭素社会への人づくり

低炭素型ライフスタイルへの誘導

 環境保全や健康増進に資する市のイベントや講座に参加した方などにポイントを発行する「にいがた未来ポイント」制度については、市民のライフスタイル見直しのきっかけづくりとして、一定程度の効果を確認できたことから、令和3年9月末で事業を終了しました。
 また、市政さわやかトーク宅配便において「気候変動の現状と将来予測」をテーマに、2050年ゼロカーボンシティ実現に向けた市の取り組みや、個人でできるライフスタイルについて紹介しました。令和3年度からはイチオシテーマに設定され、全9回(延べ参加人数157人)開催しました。

環境配慮行動拡大の加速

 再生可能エネルギーの普及や地産地消、持続可能なまちづくりを支える取り組みを推進するため、令和2年7月に新潟地域脱炭素社会推進パートナーシップ会議を設立しました。
 地元企業や団体・地元金融機関、行政など、多様な主体が連携・協働する場として、脱炭素化に向けた情報交換や仕組みづくり、脱炭素経営を目指す企業の支援などを行っています。令和3年度末時点で46団体が参加しています。

(2) 廃棄物の削減と資源循環型社会の構築

 本施策は、「第3章 循環型社会の創造」において定める施策を推進することにより、実現を図りました

(3) 健幸都市づくり(スマートウエルネスシティ)の推進

健康になれるまちづくりの推進と地域との連携

 市民が日常生活において積極的に外に出かけ、活動量を増やすことができるまちづくりを推進するため、健康づくり講座、ウオーキングイベント等を実施したほか、働き盛り世代の運動促進として事業所向けウオーキングチャレンジ事業(132事業所、3,363人が参加)を実施しました。
 また、地域団体・自治会、市民団体などと連携し、健康づくりを推進しています。コミュニティ協議会の主体的な健康づくり活動を支援する「地域版にいがた未来ポイント」では、優秀な活動を他のコミュニティ協議会へ周知するなど、更なる活動促進に努めました。

自転車利用環境の整備

 歩行者の安全確保、自転車の交通事故の削減、環境にやさしく健康にも良い自転車利用の促進を図るため、「新潟市自転車利用環境計画」に基づき、自転車利用環境の整備を推進します。自転車走行空間整備における令和4年度までの目標150キロメートルに対して、令和3年度末までに約145キロメートルの整備を完了しました。

(4) 市の率先行動

地球温暖化対策実行計画

 本市は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく実行計画を策定し、大規模な事業所の1つとして、市役所の事務・事業の実施に伴う環境負荷の低減に率先して取り組んでいます。
 「新潟市地球温暖化対策実行計画(第5期 市役所率先実行版)」に基づき、温室効果ガスの排出量を令和6年度までに平成25年度比で16パーセント削減することを中間目標、令和12年度までに31パーセント削減することを最終目標として「省エネルギーの推進」や「環境負荷の低減に配慮した物品等の調達」など5つの分野に分けて取り組みを推進しました。
 令和3年度は基準年に比べて5.9万トン-CO2、26.4パーセントの削減となりました。

グリーン購入の推進

 「新潟市グリーン調達推進方針」に基づき、商品やサービスを購入する際に価格や品質だけでなく、必要性や環境のことも考え、環境への負荷ができるだけ小さいものを優先的に購入する、グリーン購入を実践しています。令和3年度は、調達を把握している41品目のうち、18品目で目標を達成しました。

評価指標の達成状況

指標 計画策定時点(平成30年度) 実績(令和3年度) 短期目標(令和6年度)
1世帯あたりの二酸化炭素排出量※1(家庭部門排出量÷世帯数) 4.2トン-CO2毎世帯(平成28年度) 4.0トン-CO2毎世帯(令和元年度) 3.6トン-CO2毎世帯
市内1事業所あたりの二酸化炭素排出量※1(産業・業務部門排出量÷市内事業所数) 96.2トン-CO2毎事業所(平成28年度) 84.7トン-CO2毎事業所(令和元年度) 96.3トン-CO2毎事業所
電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)台数 EV 833台 PHV 671台 FCV 2台 EV 1,138台 PHV 946台 FCV 36台(県内) EV 2,500台 PHV 2,800台 FCV 60台
区バス・住民バス利用者数※2 52.1万人毎年度 46.4万人毎年度 47.6万人毎年度

1 1世帯あたり及び市内1事業所あたりの二酸化炭素排出量について
算定に使用する「都道府県別エネルギー消費統計」が1990年度まで遡って改訂されたため、計画策定時点の値を修正しました。今後短期目標も見直します。
2 区バス・住民バス利用者数について
新型コロナウイルス感染症の影響により区バス・住民バスの利用者が大幅に減少したため、短期目標の値を修正しました。

評価

1世帯あたりのCO2排出量

他政令市と比較して、家庭部門の世帯当たりの排出量はワースト2位となっており、夏蒸し暑く冬寒い北陸地方特有の気候条件や持ち家率の高さ(政令市1位)、延べ床面積の広さ(政令市1位)が未達成の主な要因として考えられます。

1事業所あたりのCO2排出量

令和元年度は平成28年度から約12パーセント削減されました。

次世代自動車台数

FCVについては、イベントなどでの普及啓発により、市民の認知度が向上し、年次目標台数を上回りました。一方、EV及びPHVについては、令和6年度の目標台数に対し増加率がやや低い状況です。

区バス・住民バス利用者数

区バス車両への換気システムの装備や区バス・住民バス車両への抗菌・抗ウィルスコーティングを行い、コロナ禍においてもバスを安心して利用できる環境を整備することや利用促進策等により、目標値を達成することができました。

課題・方向性

  • 市域から排出される二酸化炭素排出量は、基準年度の2013年度比で年々減少傾向にあるものの、部門別でみると、割合で最も多いのが民生(家庭・業務)部門、次いで産業部門、運輸部門となっています。
  • 家庭部門への対策として、高性能省エネ住宅のメリット普及や住宅への再エネ導入拡大などの取組みを促進するほか、業務・産業部門では、新潟地域脱炭素社会推進パートナーシップ会議を活用し、脱炭素経営を目指す企業の支援や、地域の事業者主体による自立分散型再エネ大量導入の仕組みづくりをさらに進めていくとともに、交流・情報共有の場としての活動を引き続き実施していきます。
  • 運輸部門については、災害時の活用などの副次的効果とあわせてEVのメリットを周知し、転換を加速させるための施策を推し進めていくとともに、FCVについても引き続き県等と連携を図りながら普及啓発を実施します。
  • 区バス・住民バスの利用者数については、目標を達成したものの、依然としてコロナ禍前の水準まで回復していないため、今後も引き続き地域ニーズに則した運行となるよう見直しを行い、利用促進を図ります。

このページの作成担当

環境部 環境政策課

〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1(市役所本館2階)
電話:025-226-1363 FAX:025-222-7031

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