救急いろいろQ&A
最終更新日:2020年1月10日
救急隊の出動体制についてお答えします
現在、新潟市内(旧新潟市以外の合併市町村の全域)からの119番通報は、すべて中央区鐘木にある消防指令管制センター(指令課)につながります。
現在の指令システムは、救急現場(救急隊が向かう場所)から一番近い救急隊が出動することとなっており、少しでも早く救急現場に到着できるような指令体制となっています。新潟市では、通報時間から救急隊が現場に到着するまでに要する時間は、平均8.9分です。(令和元年中の統計から)
1日平均で約107件の救急出場があります。
救急隊の活動についてお答えします
1 出動指令
救急現場から一番近い救急隊に指令が出されると同時に指令書も各所署にある端末から出るようになっております。指令書には救急現場の住所と付近の地図が示されています。その場所を確認し、隊員3名で救急車に乗車し、出場します。車内では通信指令室と無線等で連絡をとりながら、救急要請等の内容を確認します。
救急車が緊急走行するためには、サイレンを鳴らし、赤色回転灯を点灯させる必要があります。
2 救急現場の確認
救急現場に向かう途中で、救急車に積載している車両端末装置等で、正確な救急現場の場所を確認します。
3 現場到着
救急現場へは、通報から平均約8.9分で到着します。(令和元年の統計から)
4 傷病者等に接触
救急隊は、救急現場に到着後、直ちに傷病者と接触し、主な症状は何か、意識や呼吸、循環(脈拍)等の状態を迅速に観察し、必要な処置を行います。また、救急救命士は、傷病者の病態に応じ、必要があれば医師に指示指導を求める場合もあります。
5 搬送医療機関の選定
救急隊は、傷病者を観察後、必要な処置を行なうとともに、傷病者の病態に適応した医療機関、若しくは、傷病者が掛かり付けている医療機関から、治療や収容が可能かどうかを総合的に判断しながら、搬送先医療機関を選択します。
医療機関への収容の可否等の照会は、多くの場合救急隊員が携帯電話等を使用し、直接、医療機関の当直医師や、看護師に傷病者の病態を伝えるなどしています。
医療機関から収容の了解を得た上で、現場から搬送先医療機関へ向かいます。これは、医療機関が決定しないうちに、ただ闇雲に走っても、かえって時間の無駄となり、病院到着までに時間がかかる結果となってしまいます。医療機関が決定するまで、救急現場に待機することになりますが、救急隊は、常に傷病者の訴えや、症状・病態について継続的に観察を行ないながら、傷病者の急変に対応できるようにしています。
「救急要請が多くて、救急車が足りなくなる場合はありますか?」にお答えします
今のところ、救急要請が多く、救急車が全く足りなくなることはありませんが、今後、このままのペースで救急要請が増加し続け、何の対策もしなければ、人口の密集地域や要請が集中した場合では、現有の救急車での対応が困難となる場合も考えられます。
救急業務は、みなさんの生命・身体を守るといった市民生活に直結した重要な業務です。安易に救急車を要請したり、救急車が必要ない事案に出場させることなどにより、真に緊急性を有する傷病者に対する迅速・的確な対応に支障をきたすおそれがあります。
新潟市における救急件数は、ここ5年間で約5.1%増加しており、令和元年中は38,932件の救急出動件数となりました。救急件数が増加する原因は、いまだ解明されていませんが、おそらく高齢社会、核家族化、疾病構造の変化等の要因が複雑に絡み合っているのではないかと思われます。
現在、新潟市内には、25台の救急車を配備しています。1日平均で約107件の救急出動があり、救急要請が集中した場合などは、救急要請に対応できる救急車が少なくなったり、救急車が現場に到着するまでの時間が遅そくなることもあります。救急車は市民皆様のものですので、必要と思う時は躊躇することなく119番に通報していただきたいと思います。
しかし、救急車は有限な医療資源です。自分自身や、家族で病院に連れていけるような場合は、緊急性の高い病状の方のために譲る気持ちも大切です。市民一人ひとりが優しさを持ちながら救急車の適正な利用を心がけていただけるようお願いします。
「傷病者をどこの病院へ搬送するのですか?」にお答えします
救急隊が到着するまでに、傷病者の掛かり付けの病院等に、家族等のみなさんが事前に連絡し、収容の了解をもらっている場合は、原則的には、その病院に搬送しますが、救急隊が傷病者を観察した結果、傷病者の症状や病態によっては、その症状にあった病院を選定し、搬送する場合もあります。(救急隊が、掛かり付の医療機関では処置困難であることが判断されるもの等)
救急隊が医療機関に収容の可否について問い合せをした回数は、平均1.63件の問合せをしております。
新潟市における救急医療体制は、重篤で緊急性の高い病態の傷病者に対応するための、高度な救命救急医療が可能な救命救急センター(3次医療機関)や、それに次ぐ救急告示病院等の2次医療機関(輪番制病院群)、また、比較的軽症で、入院の必要のない方のための急患診療センター等の(1次医療機関)といったものに分かれています。これは、重篤で緊急性の高い傷病者に対し、十分な治療が行われるよう、また、限りある救急医療資源を有効活用する観点からも傷病者の病態にあわせた医療機関の層的構造となっています。
これは、救命救急センターばかりに傷病者が集中して、「救えたはずの命」を救えなくなることを防ぐためです。
こういった背景を踏まえ、救急隊が傷病者を観察し、症状・病態・観察結果等を総合的に判断し、傷病者の病態にあった医療機関を選択している大きな理由は、市民全体の利益に配慮したものであることをご理解頂きたいと思います。
新潟市にある救急病院・診療所についてお答えします
新潟市内には、19の救急病院があります。また、新潟市民病院には救命救急センターが併設されており、新潟市の救急医療の要となっています。
番号 | 名称 | 所在地 | 電話 |
---|---|---|---|
1 | 新潟市民病院 (救命救急センター) |
新潟市中央区鐘木463番地7 | 電話:025-281-5151 |
2 | 新潟大学医歯学総合病院 (高度救命救急センター) |
新潟市中央区旭町通1番町754 | 電話:025-223-6161 |
3 | 済生会新潟病院 | 新潟市西区寺地280-7 | 電話:025-233-6161 |
4 | 新潟中央病院 | 新潟市中央区新光町1-18 | 電話:025-285-8811 |
5 | 新潟医療センター | 新潟市西区小針3-27-11 | 電話:025-232-0111 |
6 | 桑名病院 | 新潟市東区河度甲140番地 | 電話:025-273-2251 |
7 | 信楽園病院 | 新潟市西区新通2099番地 | 電話:025-260-8200 |
8 | 新潟南病院 | 新潟市中央区鳥屋野2007番地6 | 電話:025-284-2511 |
9 | 木戸病院 | 新潟市東区竹尾4-13-3 | 電話:025-273-2151 |
10 | 新潟臨港病院 | 新潟市東区桃山町1-114-3 | 電話:025-274-5331 |
11 | 新潟脳外科病院 | 新潟市西区山田3057番地 | 電話:025-231-5111 |
12 | 猫山宮尾病院 | 新潟市中央区湖南14番地7 | 電話:025-282-2323 |
13 | 新潟白根総合病院 | 新潟市南区上下諏訪木770-1 | 電話:025-372-2191 |
14 | 新津医療センター病院 | 新潟市秋葉区古田610 | 電話:0250-24-5311 |
15 | 下越病院 | 新潟市秋葉区東金沢1459番地1 | 電話:0250-22-4711 |
16 | 豊栄病院 | 新潟市北区豊栄石動1-11-1 | 電話:025-386-2311 |
17 | 亀田第一病院 | 新潟市江南区西町2-5-22 | 電話:025-382-3111 |
18 | 県立がんセンター新潟病院 | 新潟市中央区川岸町2丁目15番地3 | 電話:025-266-5111 |
19 | 新潟万代病院 | 新潟市中央区八千代2丁目2番8号 | 電話:025-244-4700 |
「救急車が到着するまでに何をしたらよいのですか?」にお答えします
傷病者の状態が、意識もなく、呼吸や心臓の動き(脈拍)が止まってたり、物が喉につかえる窒息状態であったなら、直ちに心肺蘇生法や異物の除去等の応急手当を開始する必要があります。
傷病者の状態が比較的安定しているのであれば(意識があり、呼吸がしっかりしている方)それ以上悪化させないような応急の手当をしたうえで、余裕があれば、掛かりつけの医療機関に事前に連絡して受診の可否を確認したり、診察券や処方されている薬(お薬手帳でも可)を事前に準備しておくとよいでしょう。
また、家族等が、家の前や、大きな通りまで出て、救急車に合図をするなど、誘導をしていただくと救急隊がスムーズに現場に到着することができます。
「救急出動に消防ポンプ車(赤い車)も出動する場合があるのですか?」にお答えします
新潟市消防局では、更なる救命率の向上を目指し、心肺停止傷病者等に対して、少しでも速く応急手当を行うために、救急現場から一番近い、消防隊(ポンプ車)と救急隊(救急車)が同時に出動する体制をとっています。
また、更に効果的な救命活動とするため、平成19年の11月からは出動するポンプ車にAEDを配備しました。
今後も消防隊と救急隊のスムーズな救急現場活動ができるよう、出動体制の充実を図っていきます。
「応急手当講習について教えてください」にお答えします
私たちは、いつ、どこで、突然の怪我や病気に襲われるかわかりません。もしもの時に家庭や職場でできる手当のことを応急手当といいます。怪我や病気の中で、最も緊急を要するものは、心臓や呼吸が止まってしまった場合です。心筋梗塞や脳卒中などは、何の前触れもなく起こることがあり、心臓と呼吸が止まってしまうことがあります。このような人の命を救うためには、そばに居合わせた人による応急手当が必要です。
消防局では心肺蘇生法(胸骨圧迫や人工呼吸)や自動体外式除細動器(AED)の使用法を学ぶ応急手当講習を開催しています。
大切なご家族や地域の皆さまの尊い命を守るために、応急手当の知識・技術を身につけてみませんか。
■救命入門コース
・講習内容:成人に対する胸骨圧迫とAEDの使用法
・講習時間:90分
・受講対象:市内に居住または勤務する概ね10歳以上の者
■普通救命講習1
・講習内容:成人に対する心肺蘇生法とAEDの使用法、異物除去法及び大出血時の止血法
・講習時間:180分
・受講対象:市内に居住または勤務する概ね10歳以上の者
■普通救命講習3
・講習内容:小児・乳児・新生児に対する心肺蘇生法とAEDの使用法、異物除去法及び大出血時の止血法
・講習時間:180分
・受講対象:市内に居住または勤務する概ね10歳以上の者
■上級救命講習
・講習内容:全年齢に対する心肺蘇生法、AEDの使用法、異物除去法及び大出血時の止血法、その他外傷に対する応急手当と傷病者の管理及び搬送法等
・講習時間:480分
・受講対象:市内に居住または勤務する概ね13歳以上の者
開催日時や開催場所、募集人数等はこちらから
なお、希望する開催場所に消防職員を派遣して応急手当講習を開催することも可能です。この場合は、お近くの消防署にお問い合わせいただき、ご希望の開催日に消防職員の派遣が可能かご確認ください(原則、水曜日の開催をお願いしております)。
「自動体外式除細動器(AED)について教えてください。」にお答えします
これまで、心臓や呼吸が止まった方にに対して、AEDを使用しての除細動(心臓の痙攣を電気ショックにより正常の心臓の動きに戻す処置)の実施は、医師、看護師及び救急救命士の医療従事者に限られていました。しかし、より救命の効果をあげるため、平成16年7月より、一般市民を含む非医療従事者でも心自動体外式除細動器(以下「AED」という。AED:Automated ExternalDefibrillator)を使用した除細動の実施が可能となりました。
心臓が原因で心停止となった傷病者の場合、その直後は心臓がけいれんしている場合が多く、早く電気ショックを与えることにより心臓を正常な動きに戻すことが可能です。
その電気ショックを与えることのできるのがAEDです。(電気ショックにより痙攣(細動)を取り除くことを除細動と言います。)また、心停止後の心臓が、けいれんしている時間は短かく、心臓がけいれんしている間に除細動を実施することが重要なため、できるだけ早い除細動を試みることにより、更に救命の効果が高まると言われています。
除細動の効果は、下図に示すように、除細動処置が1分遅れた場合には、心室細動の場合、除細動の成功率が7~10%低下するといわれています。
- 心室細動の発症から除細動までの経過時間と除細動の成功率
AEDの主な操作は、まず、
- 電源を入れ(機種によっては蓋を開けると自動的に電源が入るものもあります)
- 除細動パッドを傷病者に貼り付け
- 音声ガイドに従い必要に応じて除細動ボタンを押す、といった簡便な操作です。
最近、新潟市内でも、不特定多数の人々が集まる公共施設や駅、または、学校等にAEDが設置され始めています。(全ての施設ではありませんし、また設置義務もありません)現在、新潟市消防局が開催したり、若しくは指導員を派遣している応急手当講習の内容は、最新の日本版救急蘇生ガイドラインに合わせたAEDの使用も含む内容となっておりますので是非、応急手当講習を受講していただきたいと思います。
AED設置場所については、こちらから(日本救急医療財団ホームページ)(外部サイト)
「救急車の利用や応急手当講習会への参加等に費用はかかりますか?」にお答えします
ご注意ください!
オレオレ詐欺のように、いろんな手段を使って人をだましてお金をせしめる事件が後をたちませんが、今回救急に関係することで注意していただきたい事例がありますのでお知らせします。
- 消防機関が関係する応急手当の講習会への参加については、消防署から直接みなさんのお宅に電話をして受講の勧誘は行なっていません。さらに、現時点では講習会は無料となっていますので、「〇〇講習会を受講してください。受講料は〇〇円です。」ということはありませんので注意してください。
- 現在は、急なケガや病気で119番に通報し救急車を利用した場合、費用はかかりません。他都市で「先日利用した救急車の利用代金を支払って欲しい」と訪ねた例があったそうです。このようなことは絶対にありませんので注意してください。
