史跡古津八幡山遺跡 弥生の丘展示館たより

最終更新日:2022年7月1日

秋葉区古津八幡山遺跡歴史の広場に自生する植物や昆虫、施設の見どころなどを不定期にご紹介します。

史跡古津八幡山 弥生の丘展示館の朝の珍客(令和4年7月号)

 史跡古津八幡山弥生の丘展示館の横に、幅50cmくらいの小川が流れています。6月後半のある日、展示館のコンクリート壁の下の方で、ヤゴの抜け殻の上にしがみついた、大きなトンボのいることに気付きました。羽が乾くのを持っているようです。
 トンボは長さ10cmくらいで、黄色と黒のストライプ模様が入っています。図鑑で調べると「オニヤンマ」のようです。
  オニヤンマは、昆虫少年だった筆者にとってあこがれのトンボでした。トンボの中でも、アキアカネは、秋になると田んぼにあふれるほど飛んでおり、採集するのも容易でしたが、オニヤンマは丘陵近くの川沿いにしかおらず、高い所を猛スピードで飛ぶので、採集するのに難しかった思い出があります。
 こんな身近な所に大型のトンボが生息していることに驚きました。オニヤンマのヤゴは、小魚もいない小川で何を食べて成長するのでしょうか。それが不思議です。弥生の丘展示館へ来られた際には、皆さんもオニヤンマのヤゴが生息する小川を見て、謎をといて下さい。

春遠からじ弥生の丘展示館の様子 (令和4年2月号)

 今年(2022年)、古津八幡山弥生の丘展示館周辺は、昨年(最高積雪量116センチメートル)に比べて積雪量が少なく喜んでいたところ、2月の立春を過ぎた2月5日(土曜)に積雪量15センチメートルほどの降雪に見舞われました。そのため、今冬初めて展示館前の駐車場は、除雪車による除雪作業が行われ、開館前には玄関先の除雪も人力で行い、お客さんを迎える準備を整えることができました。当日は、朝5時の気温がマイナス2度まで冷えた影響もあり、展示館裏山の広葉樹に樹氷状に着雪し、とても幻想的な景色となりました。
 現在、展示館では企画展3「新津丘陵の縄文遺跡 文様と形のうつり変わり」を3月27日(日曜)まで開催中です。縄文時代の冬景色に思いをはせて、見学に訪れてみてください。運が良ければ冬の里山のきれいな景色が見られるかもしれません。春が待ち遠しい季節です。

遺跡内の昆虫からみた今冬の雪予測(令和3年12月号)

  今年(2021年)の1月初旬は大雪の影響で、史跡古津八幡山弥生の丘展示館は雪に覆われ、来館者の安全が確保出来ないため、何年かぶりに臨時休館とした日がありました。秋葉区では、1月11日(月曜)には積雪量116センチメートルになり、過去10年間で最深の積雪を記録しました。写真は、雪に覆われた復元竪穴住居の様子です。弥生時代もこのような大雪におそわれたかもしれません。
 さて、今冬の雪の様子はどうなるのでしょうか。遺跡のある八幡山の丘陵にいる昆虫の中で、カマキリが本能的に雪の積雪量を予測できると言われています。子孫を残すために、寒さや天敵から守る卵嚢(らんのう)という薄茶色の繭状の中に卵を入れ、木や枝に産みつけます。その際に、雪の最大深度より上に産みつけるそうです。今年、展示館のすぐ隣で薪に使う木の切り株に、産みつられているのを見つけました。形からオオカマキリの卵嚢(らんのう)のようです。高さは50センチメートル位の所にありました。このカマキリの予測を信じれば、昨年より小雪となりますが、実際はどうなるでしょう。

史跡古津八幡山遺跡内のおそうじ屋さんセンチコガネ(令和3年11月号)

 史跡をより大切に保存・活用していくため、2017(平成29)年から標高約25メートルの遺跡北東域の史跡指定地の外側で確認調査という発掘調査を実施しています。幅2メートル、長さ3メートル、深さ0.5メートル位の「トレンチ」と呼んでいる調査坑を10か所ほど平坦な尾根筋に設けて、遺跡の広がりを調べる目的で行っています。今年度も7月から11月まで発掘調査を行っています。
 朝、トレンチにかけてある遺跡を保護する青いシートをめくると、様々な生き物が入り込んでいて驚かされます。カエル・蛇などの爬虫類・両生類の仲間と昆虫の仲間が多く見られます。昆虫の中には甲虫も多く、クワガタやゴミムシの仲間もいますが、秋に多く見られたのは糞虫の仲間のセンチコガネです。糞虫と聞くと汚いイメージがありますが、森の中の生態系では無くてはならない虫です。
 センチコガネは、長さ2センチメートルくらいの大きさの甲虫です。小動物の獣糞や動物の死骸を食べて生活し、北海道から九州までに分布します。色は光沢のある黒・紫・紫銅・青紫色・深緑など、地域によってバリエーションがありとてもきれいです。当遺跡に住むセンチコガネの色は、光沢のある深緑色が多く見られます。幼虫は獣糞を食べて育ちます。遺跡内の森の中で、人知れず獣糞や動物の死骸をそうじして、最後は土に戻してくれる大切な役割を果たしています。春先や秋に地上の低い所を飛んでいる姿を見るので、運が良ければ出会えるかもしれません。

遺跡内の危険な昆虫スズメバチ(令和3年10月号)

 史跡古津八幡山遺跡内には、多くの昆虫がいます。その中には、人にとって恐ろしいスズメバチがいます。今回は、そのスズメバチを紹介したいと思います。
 9月中旬に遺跡内の除草作業を行っていたら、芝生と雑木林の境界近くの草地で大型のハチが多数舞う場所がありました。よく見ると頭が黄色で、おなかが黄色と黒色のストライプ模様の4センチメートルくらいのハチで、おなかの先に毒針を持つオオスズメバチのようです。
 地面近くを多数のハチが大きな羽音をたてて、人を威嚇(いかく)するように飛び回っている様子から、巣が地面の穴にあることが多いので、早速、駆除業者に除去してもらいました。取り出されたオオスズメバチの巣は、積み重なった伐採木のすき間に造られていました。直径40センチメートルくらいで重さ3.5キログラム、5段の部屋がありました。数百匹の働きバチが世話をしていたようです。
 オオスズメバチは昆虫の仲間では生態系の上位にいます。夏にカブトムシが集まるクヌギなどの広葉樹の樹液をなめに飛んできている所をよく見ます。人が何も手を出さなければおとなしくしているのですが、一旦、刺激を受けると集団で(おそ)いかかります。また、オオスズメバチの行動範囲は広く、2キロメートルにもおよぶと言われています。歴史の広場では、スズメバチの巣を発見しだい駆除しています。しかし、古津八幡山遺跡の林の中には、多くの巣があると考えられます。広場内を散策される方は、ハチに出会ったら刺激しないように静かに通って下さい。


オオスズメバチの巣(直径約40センチメートル)

最近の温暖化を示す蝶(令和3年9月号)

 史跡古津八幡山遺跡では、晩夏から秋にかけて、クズが生い茂る斜面を銀色にきらめき、俊敏に飛びまわる小型の蝶をよく目にします。大きさはモンシロチョウを一回り大きくしたくらいです。(はね)の先端がとがり、表面はオスが茶色の縁取りに朱色の(もん)、メスが茶色の縁取りに青灰色の(もん)があります。(はね)の裏面は白銀色の金属光沢をはなち、この特徴からウラギンシジミと和名で呼ばれます。幼虫はクズやフジの花芽を食べて成長します。
 ウラギンシジミは、日本では本州以南に生息しています。もともと南方系の蝶で、1970年代までは新潟県で見ることが(まれ)な蝶でした。しかし、ここ30年くらい、温暖化の影響で新潟市内でも成虫で越冬するようになり、春先にも成虫が見られ、晩夏から秋には多くの個体が目立ちます。遺跡では最近、ウラギンシジミと同様の、南方系の蝶の仲間であるアゲハチョウ科のモンキアゲハや、タテハチョウ科のツマグロヒョウモンなども見られます。

史跡古津八幡山遺跡に住むトンボたちパート1(令和3年8月号)

 史跡古津八幡山遺跡には多くの昆虫が住んでいます。6月から9月にかけて、トンボの仲間が多数、林間や水辺を飛び回っています。
 中でも、大型のオニヤンマが復元竪穴住居の間をぬうように飛んでいます。中型のオオシオカラトンボやコシアキトンボも遺跡内で多く目にします。遺跡東側の池の水辺には、小型のイトトンボ類が生息しています。
 7月下旬から8月頃、長さ5cmくらいのグリーンメタリックな胴体から、尾に黒い4本の羽根を持つトンボ10数匹が、復元竪穴住居のまわりを低く乱舞するのを見かけました。夕日に照らされて鈍く光り、とても幻想的な光景でした。おそらく、エサとなる小昆虫の狩りの最中だったのでしょう。名前をハグロトンボと言い、羽根が黒いのが特徴です。遺跡近くの川で羽化し、山の上までとんできたようです。
 このトンボは、綺麗な水中でヤゴの時期を過ごします。遺跡周辺の水場が綺麗な証拠です。


ハグロトンボ

史跡古津八幡山遺跡内に住む美麗(びれい)(ちょう)パート2(令和3年7月号)

令和2年11月号でも紹介したアワブキは、スミナガシというタテハチョウ科の(ちょう)の食草でもあります。
スミナガシは開長(かいちょう)60ミリメートル前後で表裏の羽根が薄墨(うすずみ)色でストロー状の口が特徴的な赤色の蝶です。数年前に史跡古津八幡山弥生の丘展示館内のガラス窓付近からスミナガシが見つかりました。残念ながらすでに死んでいたので、標本にしました。おそらくこの蝶も新津丘陵のアワブキで育ったと考えられます。この蝶は現在、新津丘陵ではなかなか見られない貴重な種類です。史跡古津八幡山遺跡は、遺跡だけなく生物多様性の観点でも重要な里山となっています。
 なお、遺跡内で昆虫や植物観察されるのはかまいませんが、節度ある行動をお願いします。

古津八幡山遺跡カラムシ畑の蝶(令和3年6月号)

 史跡古津八幡山 弥生の丘展示館の裏に、アンギン編みの体験学習のために栽培しているカラムシ畑があります。そこでカラムシの葉がつづられて餃子(ぎょうざ)のような形になっているものを複数発見しました。これを作った正体は、蝶の仲間のアカタテハの幼虫です。写真にあるように、黒い4cmほどの胴体に黄色い(とげ)状の毛が生えています。触れても皮膚(ひふ)にはささりません。幼虫は糸を出して葉と葉を接着し、その中に入って葉を食べます。鳥などに姿を見つけられないための知恵なのでしょう。
 アカタテハは成虫になると前翅長(ぜんしちょう)(前羽の長さ)が4cm前後、全体は燈色で、前翅(ぜんし)の先端が黒い蝶になります。初夏と秋に成虫になり、冬を成虫のまま越します。
 縄文・弥生時代から現代まで、カラムシとともに私たちの身近にいる蝶です。古津八幡山遺跡に来られた際には、探してみて下さい。

古津八幡山遺跡復元住居の軒下に住む「アリジゴク」(令和3年5月号)

古津八幡山遺跡歴史の広場に、弥生時代の竪穴住居が7棟復元されています。復元住居の屋根は茅葺(かやぶ)きで再現されており、奥行き30から50センチメートル程度のわずかな軒下があります。軒下の土は、大部分が粘土質ですが、一部はさらさらした砂質の部分があります。そこに、直径5センチメートル、深さ4センチメートル程度のすり鉢状の穴が所々に見られます。一見雨だれに見えますが、平面形はきれいな逆円錐形(ぎゃくえんすいけい)になっています。そこに住むのは俗称(ぞくしょう)「アリジゴク」と呼ばれるウスバカゲロウの幼虫です。「アリジゴク」は体長1センチメートルくらいで、全身が毛に(おお)われ、非常に鋭い上顎(うわあご)を持っています。穴の底に落ちてくる(えさ)となるアリなどの昆虫をじっと待って生活しています。幼虫の期間は2年から3年ほどです。成熟した「アリジゴク」は(まゆ)の中で(さなぎ)になり、初夏にトンボによく似たウスバカゲロウになります。ウスバカゲロウは1か月ほど生きて、子孫を残します。竪穴住居跡の見学の際に探してみてください。


復元住居軒下にあるアリジゴクの巣穴

野イチゴの魅力(令和3年4月号)

 新緑がまぶしく華やいだ季節になりました。この時期の楽しみとなっているのが、クサイチゴです。地表を草のように縦横に()いながら伸びていく様子から、この名がついたとされています。花びらは純白で、道端のあちこちで楚々と咲き誇っています。一見すると端麗で優美な印象のクサイチゴですが、(くき)にはトゲがあり、バラ科に属する樹木です。草ではなかったのですね。初夏になると甘酸っぱい実が赤く熟し、生でも食べられますが、ジャムなどに加工するとさらにおいしく頂けます。くれぐれも茎のトゲには気をつけて、探してみてください。

クサイチゴの花

展示室の秘密(令和3年3月号)

 展示室にあるモニター映像のひとつに「国指定史跡 古津八幡山遺跡の歴史」があります。
 この映像のナレーションは、アニメ「クレヨンしんちゃん」の園長先生でお馴染みの声優、故納谷六朗(なやろくろう)さんです。皆さんご存知でしたか?納谷さんは他にも「機関車トーマス」のトップハム・ハット卿、「聖闘士星矢」の水瓶座のカミュなど、数多くの作品に出演されています。
 今は亡き納谷六朗さんの懐かしくナイーブな声と共に、弥生時代からの八幡山の変遷を、わかりやすいアニメーションで見ることができます。
 これからもテレビやラジオのアニメーションを見る時に、納谷さんの声を探してみてはいかがでしょうか。

雪上観察(令和3年2月号)


 キラキラ光る雪原で、点々と続く何匹もの動物の足跡を見ることがあります。
 まっすぐ等間隔についているもの、二匹が仲良く並んで歩いて(走って)いるもの、しっかり爪の跡が見られるものなどです。
 色々なことを想像します。側溝では「ここで思いっきりジャンプしたな?」、「この木に登ったな?」、「エサを探して歩き回ったのかな?」とか。楽しい推理をしてみてください。

 ねらい目は早朝です。と言うのも、夜行性のほ乳類がほとんどで、足跡は強い日差しや風、雨などですぐに変形するからです。


 さて、ここで問題です。雪上の足跡(2)の画像はどんな動物のものでしょうか?
 前足が縦に二つ、それを飛び越えた前方に後ろ足の長い跡が横に並んで二つついています。

(答えは・・・ウサギです。)

ジオラマの世界(令和2年12月号)

展示室の右手奥に進むと、ジオラマ模型があります。ここは弥生時代、約2000年前の古津八幡山遺跡の様子を再現しています。
 沢から水を運び、火を起こして煮炊きをする人々、弓矢で獲物を狩り、鉄斧で木を()る人々など、今にも動き出しそうなリアルな世界が投影されています。
 さらに圧巻なのは、古津八幡山遺跡を包み込む背景です。写真のように見えますが、目を凝らしてみると実は絵画なのです。阿賀野市出身でウルトラマン・ゴジラ等の円谷プロ作品や、大林信彦監督の「漂流教室」など、様々な背景画を手掛けている島倉二千六(ふちむ)さんの作品です。ぜひ当館にお越し頂き、ジオラマの世界を覗いてみてください。


弥生時代の古津八幡山遺跡を再現したジオラマの写真

史跡古津八幡山遺跡内に住む美麗(びれい)(ちょう)(令和2年11月号)

 史跡古津八幡山遺跡は重要な遺跡であるとともに、里山として多くの市民の憩いの場所になっています。遺跡を含む丘陵は新津丘陵(にいつきゅうりょう)と呼ばれています。新津丘陵は、多くの昆虫たちが住みかとしています。その中でも蝶類は78種が確認されています。初夏から夏にかけては遺跡内を大型の黒いアゲハチョウを含む多くの蝶が飛び()っています。里山に豊かな植生(しょくせい)があるためにほかなりません。
 遺跡内に果樹のビワに似た葉のアワブキが自生しています。今年の7月に、葉の先端が2つに巻かれたものを見つけました。中から有名な絵本「はらぺこあおむし」に出てくる頭が赤い幼虫が出てきました。胴体は緑と黒のストライプで「はらぺこあおむし」の色とは、若干ちがいますが、イメージは絵本の世界の「いもむし」です。この幼虫はそっと元の場所に戻しました。成虫はビロード色の青がかった緑の羽根を持ち、うしろ羽根先端が鮮やかなオレンジで開長(かいちょう)45mm前後の美麗な姿です。この蝶の幼虫から成虫にいたる色の変化には、驚かされます。蝶の名前は、羽根の色からアオバセセリと名付けられています。

 縄文時代の楽器 (令和2年10月号)

  縄文時代に音楽はあったのか、楽器はあったのか、と聞かれることがあります。木を太鼓(たいこ)のようにたたいたり、草笛(くさぶえ)・口笛など、音を出す方法はいろいろありますが、楽器と考えられる土器や土製品も遺跡から出土しています。
 長野・山梨県の縄文中期には、「有孔つば付き土器」という皮を張って太鼓のように使われたと考えられている土器があります。
 また、鶏卵くらいの大きさで、風船状の焼き物の土笛・土鈴も音が鳴ります。土笛は、1個の穴に息を細く吹き込んで音を出し、土鈴は小石や土玉を数個入れて焼き、振ると小さな音がします。県内では、縄文前期の胎内市二軒茶屋遺跡と長岡市大武遺跡で土鈴が出土しています。

 弥生の丘展示館の10月の体験では、下の見本写真のように、粘土で土笛・土鈴・土面を作ることができます。電気窯で焼いてお渡しします。好きな形を作りに来ませんか。


土鈴の見本

歴史の広場の紹介(令和2年9月号)

  弥生の丘展示館から歩いて10分位の丘の上に、弥生時代のムラが復元されています。新津丘陵西側の尾根に立地する、弥生時代後期と古墳時代中期の遺跡です。弥生時代は、中国の歴史書『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』に邪馬台国や女王卑弥呼(ひみこ)のことが書かれた頃です。戦いに備えて、丘陵の上に集落が作られ、尾根頂上の標高は53メートルです。古津八幡山古墳(円墳)の直径は60メートルで、県内最大の大きさです。越後平野から弥彦山・角田山、天気が良いと佐渡まで見渡せる眺望も素晴らしいです。広場には竪穴住居が7棟復元されていて、中に入ってみることもできます。

そこで歴史の広場をいつも管理されている方々に、お話を聞いてみました。

 質問 どんな仕事をされていますか?
 答え 竪穴住居の燻蒸(くんじょう)や機械による芝刈り、刈払機で雑草等の除草、その他困ったお客様への誘導などです。

 質問 今までで一番うれしかったことは?
 答え 芝刈りの後の広大な美しさにお客様から、「きれいですね」と感動されたことです。

 貴重なご意見、ありがとうございました。いつもご苦労様です。

残暑も日ごとに和らいで初秋の季節となり、緑いっぱいの開放的な歴史の広場で、ちいさな発見をされてみてはいかがでしょうか?

なお、継続して発掘調査を行っている遺跡の現地説明会を以下のとおり開催します。

日時 令和2年10月3日(土曜日)午前10時から午後3時30分
場所 新潟市秋葉区金津(古津八幡山遺跡 北側の中腹平坦地)
 午後10時から午後1時から調査員による説明会を開催いたします。多数のご来場をお待ちいたしております。

クワの葉の不思議(令和2年8月号)

 弥生の丘展示館から登ったカラムシ畑の裏手にクワの木があります。花期は4月から5月頃で、7月には長さ2センチメートルほどの黒紫色の甘い実をつけます。この実は人だけではなく、鳥や虫達も大好物です。
 今回は葉の形に注目してみたいと思います。
 クワの葉は、ハート形や、切り込みの入っているものなどがあり、同じ木の中でも大きさや形がさまざまです。どちらも先端がとがり、縁はギザギザになっています。もともとクワには「異型葉」という性質があって、若い木では切り込みが多く、成木になるとハート形になるんです。不思議ですね。
 また、「(かいこ)」の(えさ)としても知られていて、葉を(せん)じてお茶や薬として、昔から親しまれています。
 

来年2月には、当館のイベント「葉っぱで染めよう」が開催されます。クワの葉を使って、すてきな作品を作ってみませんか。

カラムシが風に揺れて(令和2年7月号)

弥生の丘展示館のすぐ裏手、歴史広場へ登る坂道の左側にカラムシの畑があります。背丈くらいの高さに密生しており、シソのように大きな葉は、風に揺れると白く裏返ります。
カラムシはイラクサ科の多年草で、真っ直ぐな茎の皮から繊維を取り出し、糸として利用します。苧麻(ちょま)()とも呼ばれ、越後縮(えちごちぢみ)や小千谷縮の原料となります。
古くは、約6,000年前の縄文時代の遺跡で確認され、縄文土器に縄目の文様を付ける撚紐(よりひも)や、タテ糸にヨコ糸をからませた編布も作られています。

花づくしの山だよりパート2(令和2年6月19日号)

6月の古津八幡山には、異なる成り立ちをした白い花がたくさん咲いています。

弥生の丘展示館からの登り坂では、ヤマボウシのトンネルがお出迎えです。
白い花びらのように見えるのは、(ほう)という花を守る葉っぱが変形した部分です。
花は、中心の大仏様の螺髪(らほつ)のようなポツポツの部分です。9月頃につける赤い実は食べられます。

史跡名称板の石碑から左に曲がった所には、「あっかんべー」をしているように見える、スイカズラが可憐に咲いています。

さらに、舗装道路に入ってすぐ、空を見上げると、コナラの木に巻きついたイワガラミが、滝のように降りそそぎ、ガクアジサイのような白い花をつけています。

花づくしの山だより(令和2年5月14日号)

 古津八幡山遺跡の植物たちは、いま一斉に花盛り。中でも、あちこちで見かけるタニウツギの桃色の花は、可憐な姿で咲き誇っています。紫色のフジも横へ横へと枝を垂れ伸ばし、甘い香りをあたりに漂わせています。
 ふと、小さなラッパのような形をした、白いウゴツクバネウツギを見つけました。花の内側には、まるでオレンジ色の変わった装飾が施されているようです。ウゴとは秋田県羽後(うご)地方に多く生息していることから、ツクバネはガクの部分が羽根つきの羽に似ていることから名付けられたそうです。
 古墳下のトイレから少し登ったところで見つけました。ぜひ、探してみてください。

史跡古津八幡山遺跡の女神は何処に (令和2年4月24日号)

 今年の4月は、例年より早い桜の開花でした。桜の花が咲くころ、黒と白のストライプ模様に尾状突起近くの赤い模様が目立つ小型アゲハチョウ(開帳5~6センチメートル位)が、桜などの花の蜜を求めて、飛び回ります。新津丘陵の里山には少ないながら生息し、名前はギフチョウと言います。早春の3~4月の一瞬だけ現れるため「春の女神」とも呼ばれています。この蝶は、里山の主に広葉樹の林床にはえるカンアオイ類(新津丘陵ではコシノカンアオイ)を食草とし、現在の分布は日本の本州島(秋田県から山口県まで)に生息する日本固有種です。縄文・弥生時代から現代まで人類と共生してきた蝶と考えられます。
 史跡古津八幡山遺跡内では目撃情報があるのですが確実に生息していると言えず、未だ、まぼろしの蝶です。(弥生の丘展示館内に展示されているギフチョウ標本は秋葉区内の別産地産です。)。下草の少ない広葉樹の林床に生息をするので、環境さえ整えば、いずれ古津八幡山古墳の桜に多くのギフチョウが吸蜜する姿が見られるかもしれません。

平成31年4月23日号

弥生の丘展示館から史跡公園へ繋がる園路沿いにある桜や、古津八幡山古墳の周囲にあるソメイヨシノは満開です。オオカメノキの白い花も見頃となり、遺跡は春の花の時期を迎えています。
近接する新潟県立植物園でも桜や椿をはじめさまざまな植物の花が咲いています。ゆっくりと散策しながら1日を楽しむことができる「花と遺跡のふるさと公園」へ是非お越しください。

平成30年4月6日号

弥生の丘展示館から史跡公園へ繋がる園路沿いにある桜がほぼ満開になりました。
花の色はソメイヨシノよりも濃いピンク色です。
古津八幡山古墳の周囲ではソメイヨシノが咲きはじめました。
コブシの白い花も見頃となり、古津八幡山遺跡は花の時期を迎えています。
近接する新潟県立植物園でも桜や椿が見頃となっています。
古津八幡山遺跡を含む「花と遺跡のふるさと公園」には見どころがたくさんあります。是非、散策に訪れてみてください。

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