市報にいがた 令和7年11月2日 2850号 1面から3面
最終更新日:2025年11月2日
にいがた 酒都物語
- 目標 8:働きがいも 経済成長も
 - 目標 11:住み続けられるまちづくりを
 - 目標 12:つくる責任 つかう責任
 - 目標 15:陸の豊かさも守ろう
 
新潟市は15の酒蔵がある酒どころ。酒蔵の数だけ人、技、酒造りへの思いがあります。日本酒の魅力に触れ、日本酒文化を楽しんでみませんか。
問い合わせ 観光政策課(電話:025-226-2608)
市長より
新潟市長
新潟は酒どころとして知られ、「新潟淡麗」と称されるすっきりとした淡麗な味わいの日本酒は、多くの日本酒ファンから高く評価されています。昨年12月には「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本酒文化への関心が世界的にも高まっています。
新潟市では、伝統を守りながら進化を続ける新潟の酒造りを地域の魅力と捉え、日本酒イベントへの支援や地酒の楽しみ方を紹介するガイドブックの発行など、日本酒を入り口とした誘客や情報発信に力を入れています。
市内にある15の酒蔵には歴史的な建造物も多く、観光スポットとして人気を集めています。酒蔵巡りで伝統技術に触れるも良し、地酒と地元料理に舌鼓を打つも良し。皆さんも、本市の日本酒の魅力を再発見してみませんか。
そもそもなんで? 新潟の日本酒がおいしいワケ
酒サムライに聞きました
村山 和恵さん
日本酒造青年協議会が日本酒文化の普及に貢献する人に与える酒サムライの称号を持つ村山和恵さん。日本酒学講師として活躍するほか、日本酒を楽しむための女性コミュニティ「にいがた美醸(びじょう)」の代表。日本酒文化の魅力を発信している。
その1 酒造りに恵まれた気候風土
新潟は冬の積雪が地下水となることから、ミネラル分の少ない良質な軟水に恵まれています。軟水仕込みの酒には、冬の安定した低温環境が欠かせない条件で、口当たりがやわらかく繊細な味わいの日本酒になります。良質な水と肥沃(ひよく)な土壌で「五百万石」や「越淡麗(こしたんれい)」といった新潟を代表する酒米が育ち、特に五百万石はすっきりとした味わいを生み出しやすく、新潟の酒造りには欠かせない品種です。このように高品質な水と米を生み出す新潟の気候風土によって、「新潟淡麗」と言われるおいしい日本酒が造り出されます。
その2 越後杜氏(とうじ)の優れた技術
新潟の酒造りの職人「越後杜氏」には、冬に全国へ出稼ぎに出て腕を磨き、日本有数の酒造技術者集団に成長した歴史があります。人材育成と品質の向上を目指して設立した、新潟県独自の醸造試験場や清酒学校によって若い世代にも優れた技術が受け継がれ、安定して高い品質の日本酒が造られています。
その3 「食中酒」として楽しめる「淡麗」な味わい
新潟の日本酒に多い、すっきりとキレのある味わいは、料理の味を引き立て、白身魚の刺身やだしの利いた薄口の料理などとよく合います。ひと口に「新潟淡麗」といっても、産地によって香りも味わいもさまざま。飲み比べて好みのお酒を見つけるのもいいですね。
市内15酒蔵が教える 自慢の銘酒
 飲み比べてお気に入りの1本を見つけてみませんか。
見学できる蔵もあるので、ぜひ足を運んでみてください。
※五十音順で掲載。
朝妻(あさづま)酒造
創業 明治42年(1909年)
住所 西蒲区曽根251-2
電話:0256-88-7895
代表銘柄 越乃風雪(こしのふうせつ)
石本(いしもと)酒造
創業 明治40年(1907年)
住所 江南区北山847-1
電話:025-276-2028
代表銘柄 越乃寒梅(こしのかんばい)
今代司(いまよつかさ)酒造
創業 明和4年(1767年)
住所 中央区鏡が岡1-1
電話:025-245-0325
蔵見学可(同酒造ホームページから要予約)
代表銘柄 錦鯉(にしきごい)
越後(えちご)酒造場
創業 昭和7年(1932年)
住所 北区葛塚3306-1
電話:025-387-2008
代表銘柄 越乃八豊(こしのはっぽう)
越後鶴亀(えちごつるかめ)
創業 明治23年(1890年)
住所 西蒲区竹野町2580
電話:0256-72-2039
代表銘柄 越後鶴亀
越後伝衛門(えちごでんえもん)
創業 昭和28年(1953年)
住所 北区内島見101-1
電話:025-388-5020
代表銘柄 タマキハル
笹祝(ささいわい)酒造
創業 明治32年(1899年)
住所 西蒲区松野尾3249
電話:0256-72-3982
蔵見学可(同酒造ホームページから要予約)
代表銘柄 笹祝
塩川(しおかわ)酒造
創業 大正元年(1912年)
住所 西区内野町662
電話:025-262-2039
5月から9月金曜のみ蔵見学可(前日までに電話で要予約)
代表銘柄 願人(ねがいびと)
高野(たかの)酒造
創業 明治32年(1899年)
住所 西区木山24-1
電話:025-239-2046
蔵見学可(10人以上の団体は同酒造ホームページから要予約)
代表銘柄 越路吹雪(こしじふぶき)
たからやま醸造
創業 明治18年(1885年)
住所 西蒲区石瀬1380
電話:0256-77-9301
蔵見学可(同酒造ホームページから要予約)
代表銘柄 たからやま
DHC(ディーエイチシー)酒造
創業 明治41年(1908年)
住所 北区嘉山1-6-1
電話:025-387-2025
代表銘柄 悠天(ゆうてん)
樋木(ひき)酒造
創業 天保3年(1832年)
住所 西区内野町582
電話:025-262-2014
代表銘柄 鶴(つる)の友(とも)
峰乃白梅(みねのはくばい)酒造
創業 寛永16年(1639年)
住所 西蒲区福井1833
電話:0256-73-5000
代表銘柄 峰乃白梅
村祐(むらゆう)酒造
創業 昭和23年(1948年)
住所 秋葉区舟戸1-1-1
電話:0250-38-2028
代表銘柄 花越路(はなこしじ)
LAGOON BREWERY(ラグーン ブリュワリー)
創業 令和3年(2021年)
住所 北区前新田乙576-1
電話:025-250-0069
蔵見学可(同酒造ホームページから要予約)
代表銘柄 翔空(しょうくう)
蔵元のこだわりに触れよう 酒蔵探訪
新潟駅から徒歩圏内にあり、酒蔵見学や試飲ができる今代司酒造を紹介します。酒造りの現場をのぞいてみましょう。
今代司酒造
「少しでも日本酒に興味を持ってもらうきっかけになれば」と蔵見学を続ける江戸時代創業の老舗。新潟県産の米と菅名岳(五泉市)の天然水を使用し、全国でも珍しいアルコールを一切添加しない全量純米仕込みの酒造。日本酒文化を国内外に広めるため、英語ガイドによる酒蔵見学を行うなど積極的に海外観光客も受け入れている。
営業時間 午前9時から午後5時
駐車場 30台(大型バスも可)
【酒蔵見学】
予約 同酒造ホームページから要予約
料金 無料
※10人以上の団体・英語ガイドは有料、試飲有料コースあり
所要時間 約30分 
酒蔵見学をしよう
1 酒造りの工程を学ぶ
酒造りだけでなく、日本酒の基礎知識や歴史なども解説してくれます。フォトスポットもあります。
直売店店長 横山 祐太郎さん
2 ギャラリー見学で歴史に触れる
これまでに販売した商品や昔の酒造りの道具などが並ぶギャラリーエリア。老舗ならではの歴史を感じさせます。
3 試飲&買い物を楽しむ
見学の最後は、日本酒好きにはたまらない試飲タイム♪季節のお酒を味わいましょう。併設の直売店では、気に入った銘柄を購入することもできます。
甘酒(ノンアルコール)の試飲もあるのでお酒が苦手な人も楽しめます
ほろ酔い 日本酒イベント PICK UP(ピックアップ)!
 この他にも日本酒をテーマにさまざまなイベントを開催します。
 詳しくは特設サイトをチェック!
酒とごちそう 「いわむろの宴(うたげ)」
西蒲区岩室地区のたからやま醸造の日本酒と岩室温泉の伝統、旬の料理を堪能できます。
12月7日(日曜)
時間 午後5時半から午後8時半
場所 高志の宿 髙島屋(西蒲区岩室温泉)
定員 先着80人
料金 13,000円
申し込み 特設サイトから申し込み
問い合わせ 同宿(電話:0256-82-2001)
るるぶ特別編集「新潟市-日本酒に出合う旅」発行
酒どころ新潟市の楽しみ方を紹介するガイドブックを12月上旬に発行します。酒旅プランの参考にお薦めです。
※新潟市ホームページから閲覧できるほか、観光案内センター、宿泊施設、区役所などで配布。表紙デザインは変更する場合があります
プロに聞く! ペアリング術
日本酒の特徴と料理の味わいを合わせ、互いのおいしさを引き立てることを「同調」といいます。この考え方を使った日本酒と料理の組み合わせ例を紹介します。
爽酒(そうしゅ)
軽快でなめらかなタイプ
主に
普通酒系
本醸造酒系
冷ややっこ
素材の味わいを活かした料理とよく合います。
薫酒(くんしゅ)
フルーティーで香りの高いタイプ
主に
大吟醸酒系
吟醸酒系
タイのカルパッチョ
軽やかな前菜や柑橘類を使った料理とよく合います。
醇酒(じゅんしゅ)
米の旨味を感じるコクのあるタイプ
主に
純米酒系
桜エビとアボカドのクリームピザ
塩分の効いた料理や乳製品ともよく合います。
熟酒(じゅくしゅ)
濃厚な熟成タイプ
主に
長期熟成酒系
古酒系
ブルーチーズの蜂蜜添え
スパイスの効いた料理や発酵食品などとよく合います。

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