市報にいがた 令和7年6月1日 2840号 1面から3面
最終更新日:2025年6月1日
見えないインフラ 暮らしを支える下水道
- 目標 6:安全な水とトイレを世界中に
- 目標 11:住み続けられるまちづくりを
- 目標 14:海の豊かさを守ろう
今号では、下水道の仕組みや役割のほか、これからの時季に発生することが多い水害への備えを紹介します。
問い合わせ 下水道計画課(電話:025-226-2979)
新潟市下水道キャラクター
水玉ぼうし
「水玉ぼうし」には、
「川や海の汚れをぼうしする」
「大雨による被害をぼうしする」
という意味が込められています。
市長より
新潟市長
下水道は、汚水を処理したり浸水を防いだりする、私たちの生活に欠かせないインフラで、きれいで安心して暮らせるまちを支えています。家庭や工場から出る汚水を適切に処理し、川や海の水質を守ることは、自然環境の保全にもつながっています。新潟市は、下水道の適切な維持管理のほか、大雨に備えた浸水対策工事を進めるなど、皆さんが快適に生活できるよう取り組んでいます。
これからの時季は大雨や台風による洪水や浸水、土砂崩れなどの災害が起こりやすくなります。特に雨は近年、局地的かつ短時間で激しく降ることが多く、水害に備える必要性が高まっています。災害が起きたときは、慌てずに素早く行動することが大切です。自分の住む地域のハザードマップや自宅での備え、いざというときに取るべき行動について、普段から確認するようにしましょう。
暮らしに欠かせない! 下水道の仕組みと役割
役割1 汚水の処理
家庭や工場などから出る汚れた水を、下水処理場できれいにしてから川や海に流すことで、まちを清潔に保っています。
最初沈殿池
小さなごみや汚れを重みで沈めて、上澄み水をばっき槽に送ります。
ばっき槽
空気を入れて微生物を活性化させ、水中の汚れを食べてもらい分解します。
最終沈殿池
汚れを食べた微生物をゆっくり沈殿させてきれいな水にします。
塩素滅菌池
処理した水を塩素で消毒殺菌し、川や海に放流します。
役割2 浸水の防止
雨を雨水管やポンプ場を通じて素速く川や海に流し、まちを浸水から守っています。
下水道を管理している人に聞きました
下水道管理センター
楢﨑(ならさき)
安心を守るために
新潟市は約3,900キロメートルの下水道管を管理していて、下水道管や施設を安全に維持するため、日々パトロールしたり点検したりしています。老朽化している施設もある中で、皆さんに安心・安全で持続可能な下水道を提供し続けるため、計画的に修繕や改築も進めています。
災害に強いまちを目指して
通常、雨が降ったときは、雨水管を通して川などに放流しますが、降水量が多いと、下水道管での排水が追い付かなくなることがあります。排水が追い付かず、まちが浸水するのを防ぐため、新潟市では雨水管からあふれた水を貯めておく貯留管(ちょりゅうかん)や、ポンプ場へ流す雨水バイパス管の整備を進めて、いざというときに備えています。
雨水バイパス管のイメージ
シールドマシン(左)を使って、雨水バイパス管の工事をする様子(右)
大切な命を守るため 災害への備え できてますか?
災害はいつ起きるか分かりません。雨が増えて水害の危険が高まるこれからの時季に備えて、自分や家族、財産を守るための準備をしっかりしておきましょう。
地域と自宅の浸水対策
日頃から浸水への備えを
身近な道路側溝の清掃
道路側溝に落ち葉やビニール袋などのごみがたまると、悪臭や害虫発生の原因になったり、雨水の流れが悪くなって道路上に水があふれたりする危険があります。命や財産を守るため、道路側溝が十分に機能するよう、地域全体で協力して定期的に清掃しましょう。
助成制度の活用を
種類 | 助成額 | 問い合わせ |
---|---|---|
雨水浸透ます・貯留タンク設置 | 浸透ます…1基あたり上限2万円 貯留タンク…上限2万円(設置方法により異なる) |
北区・東区・中央区・江南区 …東部地域下水道事務所(電話:025-281-9562) 秋葉区・南区・西区・西蒲区 …西部地域下水道事務所(電話:025-370-6372) |
防水板設置工事 | 工事費の2分の1(上限50万円) | 北区・東区・中央区・江南区 …東部地域下水道事務所(電話:025-281-9562) 秋葉区・南区・西区・西蒲区 …西部地域下水道事務所(電話:025-370-6372) |
駐車場かさ上げ工事 | 工事費の2分の1(上限10万円) | 北区・東区・中央区・江南区 …東部地域下水道事務所(電話:025-281-9562) 秋葉区・南区・西区・西蒲区 …西部地域下水道事務所(電話:025-370-6372) |
住宅かさ上げ工事 | 工事費の2分の1(上限100万円) 対象 平成10年8月4日以降に床上浸水被害が発生した地域 |
下水道計画課(電話:025-226-2982) |
命を守るための情報と準備
問い合わせ 防災課(電話:025-226-1143)
水害の危険性を確認しよう
総合ハザードマップには、洪水や浸水など、災害の種別ごとに想定される浸水深や避難所などの情報が、中学校区単位でまとめられています。
※市ホームページのほか、区役所地域総務課(東区・中央区・西区は総務課)でも閲覧可
総合ハザードマップ
防災士 大森 幸治(こうじ)さん
避難するタイミングを知ろう
新潟市では災害発生時に避難情報などをさまざまな手段で発信しています。
避難所に行くだけじゃない? 自宅での避難も考えよう
「避難」とは「難」を「避」けて命を守ることです。水害時は避難所に向かうことが危険な場合もあります。自宅の2階に避難(垂直避難)するなど、状況に合わせて避難行動を選択しましょう。