市報にいがた 令和7年5月18日 2839号 1面・2面
最終更新日:2025年5月18日
手話を知ることは共に生きること
- 目標 3:すべての人に健康と福祉を
- 目標 10:人や国の不平等をなくそう
- 目標 11:住み続けられるまちづくりを
- 目標 16:平和と公正をすべての人に
- 目標 17:パートナーシップで目標を達成しよう
新潟市では、障がいのある人もない人も、誰もが安心して暮らすことのできる共生社会の実現を目指しています。今号では、聴覚障がいや手話について紹介します。
問い合わせ 障がい福祉課(電話:025-226-1237、FAX:025-223-1500)
知っていますか?聴覚障がいのこと
聴覚障がいとは
耳の機能に障がいがあり、音や声が聞こえない、聞こえにくい状態のことをいいます。
ろう者(ろうあ者) | 生まれつき重度の聴覚障がいのある人。主に手話でコミュニケーションを取る |
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中途失聴者 | 音声言語の獲得後に、病気などによって耳が聞こえなくなった人。音声で話すことができる人もいる |
難聴者 | 聞こえにくいが、聴力が残っている人。補聴器を使って会話ができる人や、わずかな音しか聞こえない人などさまざま。手話を補助として使う人もいる |
盲ろう者 | 目も耳も不自由な人。相手の手話を触って読み取る触手話などでコミュニケーションを取る人もいる |
コミュニケーション手段
コミュニケーションの取り方は人それぞれです。相手や場面によって使う手段が変わることもあります。
手話
手の位置や動き、顔の表情などを使って表す「目で見る言葉」
筆談
文字を書き、お互いに意思を伝えるコミュニケーション手段。短く分かりやすい文章で伝えるのがポイント
要約筆記
会議や講演会などで、聞こえる人が、話の要点をその場でまとめて、文字で伝える。手書きとパソコンの2種類がある
見かけたら、優しい行動を
思いやりのマーク
意味を正しく理解し、思いやりのある行動を心掛けましょう。
聴覚障がい者標識(蝶々(ちょうちょう)マーク)
聴覚障がい者が運転する車であることを示す
耳マーク
耳が不自由であることを示す
ヘルプマーク
外見から分かりづらくても周囲から援助や配慮が必要であることを示す
手話と生きる
生まれつき耳が聞こえず、手話を日常言語として使用している人に話を聞きました。
篠笥 孝二(ささきこうじ)さん
(西区在住)
趣味 スマートフォンで景色の写真を撮ること
Q.1 手話をどのようにして覚えましたか?
A.1
こどもの頃、ろう学校に高等部まで12年間通いましたが、当時ろう学校では、手話の授業がありませんでした。社会に出てから手話を使う友達と交流しながら覚えていきました。
Q.2 聞こえる人とどのようにコミュニケーションを取っていますか?
A.2
ほとんどが筆談や身ぶりです。特に若いろう者は、昔よりも文章を理解する力が付いている人が多いため、スムーズに筆談で会話ができると思います。
Q.3 手話ができる人がいて良かったと思うことはありますか?
A.3
スマートフォン教室に行く時、手話通訳者を派遣してもらい、手話で教えてもらえて助かっています。また、入っている手話サークルで、文章や言葉の意味を学ぶことができてありがたいです。手話ができる人が増えてくれると私もほっとします。聴覚障がいのある人もない人も、暮らしやすい世の中になったらうれしいです。
学ぼう話そう 手話サークル
手話を気軽に楽しく学べる手話サークルがあります。興味がある人は、参加してみませんか。
※各サークルの活動日時、場所、問い合わせ先など詳しくは新潟市ホームページに掲載
新潟手話サークル
昭和48年にできた新潟市で最も歴史のある手話サークルです。手話に関わりたい幅広い世代の人が集まり、聴覚障がいのある人もない人も手話を使って交流や学習をしています。見学や参加を希望する人は、問い合わせ先へ連絡してください。
活動時間 金曜午後7時から午後8時半、土曜午前10時から正午
活動場所 総合福祉会館(中央区八千代1)
年会費 2,000円
問い合わせ 同サークル・米沢(電話:080-2568-0158)
サークルの参加者にインタビューしました
山岡 楓(かえで)さん
(中央区在住)
趣味 カラオケに行くこと
2年前に手話奉仕員養成講座のチラシを見たことがきっかけで手話を始めました。初めてろう者や手話通訳者の手話を見た時は、何を話しているかは分かりませんでしたが、「魔法使いみたいでかっこいい」と思いました。新潟手話サークルは、ろう者の方が多く参加していて、手話でコミュニケーションを取れることが楽しいです。目標は手話通訳士になることです。舞台を見るのが好きなので、舞台手話通訳者になって活躍したいです。
心と心でコミュニケーションしよう
聴覚障がいのある人と話をするとき、ほんの少しの気遣いで、コミュニケーションが取りやすくなります。
POINT01
外見で障がいが分かりにくいため、聞こえる人と同じ対応をされてしまう
文字で表現するなど、目で見て分かる情報を使ってコミュニケーションを取る配慮をしましょう。
POINT02
全員が手話でコミュニケーションを取るわけではない
筆談、口話(こうわ)(口の動き)、空書(くうしょ)(空間に文字を書く)、音声を文字に変換するスマートフォンアプリなど、相手の状況によって複数の手段を組み合わせましょう。
POINT03
手話が第1言語の場合、文字の読み書きが苦手な人もいる
筆談の場合は、短く分かりやすい表現を心掛けましょう。絵を描いて伝えるのも効果的です。