市報にいがた 令和5年11月5日 2802号 1面から3面

最終更新日:2023年11月5日

にいがたの「潟」を知ろう

SDGsアイコン

  • 目標 11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標 15:陸の豊かさも守ろう
  • 目標 17:パートナーシップで目標を達成しよう

この形、一体何でしょう?

タツノオトシゴ?めがね?魚?バット?鳥?正解は、「市長より」へ!

正解は、「市長より」(下)へ!

問い合わせ 環境政策課(電話:025-226-1359)

ラムサール条約ロゴマーク

市長より

中原八一市長

 新潟市内には16カ所の「潟(かた)」があります。多くの動植物が生息・生育する潟は、私たちに自然の豊かさを実感させてくれる大切な場所です。それぞれの潟では、地域の人が中心となって環境保全の取り組みや潟の特性を生かした催しなどを行っているほか、市民の憩いの場として親しまれています。

 1996年に西区の佐潟はラムサール条約湿地として登録され、北区の福島潟や中央区の鳥屋野潟は登録の候補地になっています。

 さらに昨年11月、新潟市は国内初の「ラムサール条約湿地自治体認証」を受けました。この認証を国際的な都市ブランドとして積極的に活用し、「田園型環境都市」としてのまちづくりや交流人口の拡大、民間団体などと連携したさらなる環境保全活動の推進などにつなげてまいります。

 市の宝である潟の魅力や価値を知り、自然の恵みを未来につなげていきましょう。

新潟市長

中原八一

正解 新潟市内にある「潟」の形 潟の場所など詳しくは2面・3面へ
※潟の名称(左上から時計回り):内沼潟(うちぬまがた)、福島潟(ふくしまがた)、じゅんさい池、上堰潟(うわせきがた)、鳥屋野潟(とやのがた)、仁箇堤(にかつつみ)、佐潟(さかた)

にいがたの「潟」を知ろう

新潟市内には16カ所の潟があります。
潟は市の鳥「ハクチョウ」を含む渡り鳥の貴重なすみかであり、多様な生物が生息・生育する、自然豊かな場所です。

潟マップ KATA MAP

私たちが解説します

「潟」の専門家

新潟大学 名誉教授 大熊 孝さん
新潟国際情報大学 国際学部 教授 澤口 晋一さん

 2人の所属する「新潟市里潟研究ネットワーク会議」では、各潟の成り立ちや歴史などを調査・研究し、ガイドブックなどを作成しています。

私たちと自然をつなぐ「潟」

 新潟市は、潟や水田、里山、海岸保安林など、人との関わりで作られた自然環境がたくさんあります。
 越後平野にある湖沼のことを、新潟では昔から「潟(かた)」と呼んできました。市内に16カ所残された潟は、人が関わることで多様な動植物の生育や環境が保たれた「里潟(さとかた)」であり、自然と人をつなぐ、かけがえのない場所です。

世界に認められた「国際湿地都市・新潟」

 新潟市は大都市でありながら水田面積が全国1位など、都市と自然が隣り合い共存する、類いまれな環境を持つ都市です。潟などの自然環境やそれを保全する人たちの取り組みなどが評価され、自然と共存する都市として、国内で初めて「ラムサール条約湿地自治体認証」(下)を受けました。

身近な自然、「潟」に行ってみませんか

 潟はその成り立ちも含めて、貴重な動植物や渡り鳥などの自然の豊かさや、生物多様性の恵みと大切さを感じさせてくれます。自然を感じると心穏やかになり、リフレッシュもできますよ。
 また、地球温暖化などの地球規模の環境問題や自然災害への対策を考える上でも、住む場所の自然を知り、理解することが大切です。
 まずは身近な潟に行って風に吹かれ、自然を感じてみませんか。

トピック

「ラムサール条約」とは

 正式には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいます。
 条約の基準に沿って登録された湿地が「ラムサール条約湿地」で、新潟市では1996年に「佐潟」が登録されました。

ラムサール条約

国内初 「ラムサール条約湿地自治体認証」とは

 湿地の保全・再生、管理への地域関係者の参加や、普及啓発、環境教育などを行う都市を認証するもので、新潟市は以下の内容が評価されました。

ラムサール条約湿地自治体認証

◎市の面積の44パーセントが湿地※
 ※同条約の湿地の定義では、湖沼や河川のほか、水田なども含まれる

  • 水田面積が全国1位
  • 信濃川と阿賀野川の二大河川がある
  • 同条約湿地「佐潟」含む16の潟がある

◎コハクチョウ越冬数全国1位など、豊かな自然環境

◎潟の保全・再生活動などへの、地域住民や団体の参加

新潟市の鳥「ハクチョウ」を見に行こう

 ハクチョウが越冬のためシベリアから飛来しています。ハクチョウのような大型の野生生物が人々の暮らしているすぐ近くにいるのは、全国的にも珍しい光景です。
 ハクチョウのことをよりよく知って、観察してみませんか。

ハクチョウってどんな鳥?

くちばしは黒と黄色、体は白色(幼鳥の体は灰色)、足は黒色で大きな水かきがある。体長・体重 オオハクチョウは約140センチメートル、8キログラムから12キログラム コハクチョウは約120センチメートル、5キログラムから7キログラム くちばしの黄色い部分の大きさで見分けてね

時間帯別 ハクチョウに会える場所

朝・夕方 潟、川の中州、水辺
ねぐらになっている潟や水辺にいます。主なねぐらの福島潟、鳥屋野潟、佐潟には野鳥観察舎があり、その屋上から観察するのがお勧めです。

昼 田んぼ
落ちた穂や二番穂、草などの餌を食べたり昼寝をしたりしています。

いくつ知ってる? ハクチョウの豆知識
  • 新潟市はコハクチョウの越冬数が全国で最も多く、毎年1万羽が飛来する
  • 一度カップルが成立すると、生涯を添い遂げる
  • 体重が重いため、飛び立つには数十メートルの助走が必要
  • 餌を食べているとき、首を伸ばして見張りをしているハクチョウが必ずいる

見張り中

もっと知りたい人は ハクチョウガイドブック

 新潟市に飛来するハクチョウの情報を掲載しています。同ガイドブックは新潟市ホームページから閲覧できます。

野鳥の観察イベントに参加しよう

佐潟探鳥散歩

日時 11月11日・25日(土曜)午前7時半から午前9時
集合場所・解散場所 佐潟水鳥・湿地センター(西区赤塚)
参加費 無料
問い合わせ 同センター(電話:025-264-3050)

福島潟オオヒシクイ案内所

日時 11月19日・26日(日曜)午前6時半、12月3日・10日(日曜)午前6時40分、17日(日曜)午前6時50分 ※各1時間(随時参加可)
会場 野鳥観察舎「雁晴れ舎(がんばれしゃ)」(北区新鼻地内)
参加費 無料
問い合わせ 水の駅「ビュー福島潟」(電話:025-387-1491)

鳥屋野潟探鳥会

日時 11月26日(日曜)午前8時から午前10時
集合場所・解散場所 県立鳥屋野潟公園内、あずまや「いやしの庭園」(中央区鐘木)
参加費 無料 ※筆記用具が必要(双眼鏡、ポケット図鑑がある人は持参)。小学生以下は保護者同伴
問い合わせ 環境政策課(電話:025-226-1359)

野鳥観察の参考に

お薦めスポットやマナーをまとめた「にいがた野鳥観察ガイドブック」

ラムサール条約湿地 佐潟(さかた)

佐潟

場所:西区赤塚
面積:約44ヘクタール

 周辺の砂層地形からの湧水でできた、小さな上潟と大きな下潟からなる淡水湖。コハクチョウなどの渡り鳥の集団渡来地として1981年に国指定佐潟鳥獣保護区に指定され、1996年にラムサール条約湿地に登録されました。植物は650種以上、昆虫類は1,000種以上、鳥類は210種以上確認されています。

佐潟水鳥・湿地センター(西区赤塚)

佐潟水鳥・湿地センター

 館内ではスコープで野鳥の観察ができ、野外観察用に双眼鏡の貸し出しも行っています。

時間 午前9時から午後4時半 ※11月から2月の土曜・日曜は午前7時から。月曜(祝日・休日の場合翌日)、12月29日(金曜)から1月3日(水曜)休館
参加費 入館無料
問い合わせ 同センター(電話:025-264-3050)

佐潟を守る人たち

 佐潟では地域住民が中心となって、湿地環境の保全の取り組みなどが行われています。

涌井 晴之さん
佐潟と歩む赤塚の会
代表 涌井 晴之さん

 私たちは、佐潟を通して自然や歴史文化、地域活動を次世代につないでいくためにさまざまな保全活動をしています。
 佐潟の水は湧水と雨水だけで流入河川がなく水質が悪くなりやすいため、潟内の泥揚げをする「潟普請(かたふしん)」や、潟に生えているヨシの刈り取りなどを地域の人や地元中学校、企業と連携して行い、人為的に手を加えて保全しています。また、水質の悪化やアカミミガメなどが原因で佐潟から姿を消したハスを、生物多様性を保つためにも復活させたいと思い、地元小学校と連携して取り組んでいます。
 多くの人に佐潟に来てもらって、佐潟に関心を持ってもらい、自然環境や地域のことを自分事として考えてもらえたらうれしいです。
 今、佐潟には多くのハクチョウが来ているので、ぜひ見に来てください。

潟普請やヨシ刈りは、潟の栄養が多くなりすぎないよう、養分を外に出す効果もあります
潟普請やヨシ刈りは、潟の栄養が多くなりすぎないよう、養分を外に出す効果もあります(9月24日実施)

市街地に隣接する潟 鳥屋野潟

鳥屋野潟

場所:中央区鳥屋野、ほか
面積:約158ヘクタール

 中央区の市街地に隣接する潟。鳥類は180種以上確認され、冬には約4,000羽を超えるハクチョウが飛来します。潟マルシェなどのイベントや、潟内の栄養循環を良くするために「空心菜」を栽培するなど、市民団体により、さまざまな活動が行われています。

角田山の麓の潟 上堰潟(うわせきがた)

上堰潟(うわせきがた)

場所:西蒲区松野尾
面積:約11ヘクタール

 一度干上がり陸化しましたが、1993年から数年かけて復元した潟です。四季折々の花などが楽しめ、わらアートまつりなどのさまざまなイベントが行われる上堰潟公園内にあります。

アカマツに囲まれた池 じゅんさい池

じゅんさい池

場所:東区松園
面積:西池約0.5ヘクタール 東池約0.3ヘクタール

 市街地にある貴重な砂丘湖で、東池と西池からなります。東池にはスイレンやヒシ、西池にはジュンサイなどの水生植物が生育しています。

市内最大の潟 福島潟

福島潟

場所:北区新鼻甲、ほか
面積:約262ヘクタール

 13本の河川が流入する市内最大の潟。国の天然記念物オオヒシクイの日本有数の越冬地で、ヨシが島状に広がり、春には菜の花が咲き誇ります。毎年3月に、潟の環境保全のためヨシ原に火を付ける「ヨシ焼き」が行われます。植物は470種以上、鳥類は220種以上確認されています。

水の駅「ビュー福島潟」(北区前新田乙)

水の駅「ビュー福島潟」

 屋上から潟と越後平野を一望でき、館内では潟の動植物や歴史の展示、潟の中のライブ映像を楽しむことができます。

時間 午前9時から午後5時 ※月曜(祝日・休日の場合翌日)、12月28日から1月4日(木曜)、1月23日(火曜)から28日(日曜)休館
参加費 一般400円、小・中学生・高校生200円(1階から3階は無料)
問い合わせ 同施設(電話:025-387-1491)

 そのほかの潟について詳しくは「新潟市潟のデジタル博物館ホームページ」に掲載しています。
 イベントも掲載

トピック

ミシシッピアカミミガメ、アメリカザリガニを野外に放さないで!

 今年6月、同生物が「条件付特定外来生物」に指定されました。
 現在飼育している人は野外に放さず、寿命を迎えるまで責任を持って飼育しましょう。

もし野外で見かけたら?

 一度でも手に取り移動させた場合は原則、野外に放すことができないため、拾った人の責任で飼育したり引き取り先を探したりする必要があります。
 自分で飼う意思がない限りは拾ったり移動させたりせず、そっとしておきましょう。

ミシシッピアカミミガメ
ミシシッピアカミミガメ

アメリカザリガニ
アメリカザリガニ

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