市報にいがた 令和5年9月3日 2798号 1面から3面

最終更新日:2023年9月3日

子どもと子育てにやさしい新潟へ 産後ケアで笑顔の子育て

SDGsアイコン

  • 目標 3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標 5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標 10:人や国の不平等をなくそう
  • 目標 11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標 17:パートナーシップで目標を達成しよう

子どもと子育てにやさしい新潟へ 産後ケアで笑顔の子育て

 新潟市では安心して子育てを始められるよう、産後の母親の心身のケアや育児をサポートする「産後ケア」を行っています。

問い合わせ こども家庭課(電話:025-226-1205)

市長より

中原八一市長

 子どもの誕生は大きな喜びである一方、子育てには不安や悩みがつきものです。新潟市では、産後の母親が心身ともに安心して子育てを始められるよう、「産後ケア」を行っています。今年度からは助成制度を政令市トップレベルに拡充し、料金を引き下げたことで、市民の皆さまに、より利用していただきやすくなりました。

 新潟市の産後ケアは、宿泊ケア・デイケア・訪問ケアの3種類があり、産後の母体管理や沐浴(もくよく)・授乳指導のほか、育児相談などを行っています。

 市民の皆さまが、子育てというかけがえのない経験の中で楽しさや幸せを感じられるよう、心身ともに安心して妊娠・出産・産後を過ごせる環境を整え、市全体で子育てを支えていく「子どもと子育てにやさしい新潟」を目指してまいります。

新潟市長

中原八一

母親と赤ちゃんに寄り添う産後ケア

こんな悩みありませんか?

里帰りはしないけど、産後はしっかり休んで自分の体調を戻したいな

親や夫は働いていて、なかなか頼れない。産後が不安だな

授乳はうまくいかないし、産後と育児の疲れで体調が良くないな

「産後ケア」でサポートします!

イラスト

 不安や悩みを抱える産後の母親が安心して子育てを始められるよう、産院などの助産師が母親のサポートを行います。

対象

新潟市に住所がある産後の母親と生後6カ月未満の子で、次の両方に該当する人

  • 家族などから十分な家事・育児の援助が受けられない
  • 心身の不調や育児不安などがある

イラスト

利用の流れ

1 市へ申請
利用したい日の10日前までに申請が必要です。電子申請をするか、住んでいる区の妊娠・子育てほっとステーションに利用申請書を提出してください。
※産前(妊娠8カ月)から申請可

2 市の審査
 申請内容を基に、区役所の助産師・保健師が体調や育児不安の状況などを聞き取り、市が審査を行います。

3 利用決定
 市から、決定通知書と市産後ケア事業利用管理票、無料チケットなどを送付します。

4 施設へ利用予約
 利用したい施設に直接予約をしてください。
※施設一覧は新潟市ホームページに掲載

サービスの種類

利用者の悩みに合わせて、乳房マッサージや沐浴(もくよく)・授乳の指導、育児相談などを行います。

  • 宿泊ケア…産院などに宿泊する
  • デイケア…産院などに日帰りで通う
  • 訪問ケア…産院などの助産師が自宅に訪問する

イラスト

料金

各サービスを初めて利用する場合は1日(回)無料のチケットを使えます。

サービスの種類 利用時間 料金 利用可能回数
宿泊ケア 1泊2日(24時間)
3食提供あり
5,000円
(2,500円/日)
7日
1泊2日で「2日」とカウント
デイケア 6時間
1食提供あり
2,000円 7回
デイ・訪問ケアで合算
訪問ケア 90分 1,000円 7回
デイ・訪問ケアで合算

※市民税非課税世帯と生活保護世帯は半額。双子以上の利用は多胎児加算料が別途発生

助産師インタビュー

更科 佳子さん
みちつき助産院
(西区五十嵐1)
助産師
更科(さらしな) 佳子さん

産後のママの心と体は不安定

 産後、ママの子宮や骨盤などが元の状態に戻るには約2カ月かかるといわれています。この期間に無理をすると、体が歪んでしまったり血の巡りが悪くなったりしてしまいます。また、産後は女性ホルモンがガクッと減り、さらに育児で不規則な生活リズムになっているため、心も不安定になっています。産後1カ月はパパや親などに頼ってゆっくり過ごしましょう。2カ月目から自分の体調を見ながら少しずつ家事などをして体を慣らしていきましょう。

産後ケアで安心して子育てを

 頼れる人がいないときは、無理せず産後ケアを利用してみませんか。「とにかく眠りたい」「授乳の相談がしたい」など、何でも話してください。ママの心身の回復や心配事の相談など、ママと赤ちゃんが笑顔で過ごせるように一人一人に合わせたケアをしています。
 産後ケアを利用したママがすっきりした表情になったり、育児に自信を持ってくれたりする姿を見ると、とてもうれしくなります。

1人で抱え込まないで

 実際に育児が始まると、思い描いていた育児のイメージとのギャップを感じる人も少なくありません。また、子どもがかわいいからこそ「この子のことは全部私がやらなきゃ」と抱え込んでしまう人もいます。子育ては始まったばかり。先は長いので、一日一日を穏やかに過ごせるよう、気持ちに余裕を持つことが大切です。そのためには1人で抱え込まず、周りや私たちのような専門機関を頼ってください。

子育ては家族で協力して楽しんで

 子育てに不安や悩みはつきもの。大変なことがある一方、喜びや感動、学びもたくさんあります。
 パパとママは子育ての同志。2人のコミュニケーションが大切です。家族で言いたいことは言って、「ありがとう」と感謝の言葉を掛け合いながら協力して、今を十分に楽しんで子育てをしてくださいね。

産後ケア利用者に話を聞きました

訪問ケアを利用しました

髙橋 明代さん・怜央ちゃん
髙橋 明代(あきよ)さん・怜央(れお)ちゃん
(西蒲区在住)

「自宅に来てもらえる安心感」

 夫婦2人での初めての子育てで心配事が多く、退院して3日後から訪問ケアを利用しました。
 助産師さんが自宅に来てくれて、部屋の造りや持っているベビーグッズに合わせて沐浴や授乳などのやり方を教えてもらえたのが良かったです。赤ちゃんの湿疹や母乳のことなどたくさん相談でき、その都度分かりやすくアドバイスをもらえたのですごく助かりました。また、助産師さんと話をすると安心できて、気持ちが楽になりました。産後ケア利用後も、夫婦で協力しながら子育てができています。

過ごし方の例

午後2時 助産師が訪問、面談
育児相談、授乳・沐浴のアドバイスなど
自宅の手洗い場に合わせた沐浴指導
午後3時30分 終了

宿泊ケアを利用しました

窪田 杏由美さん・陽生ちゃん・瑞生ちゃん
窪田 杏由美(あゆみ)さん・陽生(ようき)ちゃん・瑞生(みずき)ちゃん
(中央区在住)

「心と体をリフレッシュ」

 長期の管理入院や双子の高齢出産で体力が落ちていたので、宿泊ケアを利用しました。宿泊中の過ごし方は人それぞれで、私は日中に沐浴や授乳のアドバイスを受け、夜に赤ちゃんを預かってもらいました。
 アドバイスのおかげで赤ちゃんは母乳を飲んでくれるようになり、私も栄養満点の食事を取って夜ぐっすり眠れたことで体力を回復できました。また、体調面や育児のことだけでなく、不安や悩みを聞いてもらえたことで精神的にもとても救われました。自信を持てなかったことが産後ケアで解消され、前向きに子育てができるようになったと思います。

過ごし方の例

1日目
午前10時 来院、面談
午前11時 沐浴指導、赤ちゃんの体重測定
午後1時 昼食
午後2時 授乳アドバイス
午後3時 乳房ケア、育児相談
午後7時 夕食
午後9時 就寝
夜は赤ちゃんを預けてゆっくり休む

2日目
午前7時 起床
午前8時 朝食、授乳アドバイス
午前10時 退院

更科さんからのアドバイス 家族にできること

更科さん

産後のママには、家族や周りの人の支えが必要です。みんなで楽しく子育てをしましょう。

妊娠期から産後の女性の体と心の変化や赤ちゃんのことを知っておく

 ママもパパも知識を得ると、お互いの不安が軽減します。「安産教室」などに参加しましょう。

家族間でコミュニケーションを取る

 産前産後は不安や孤独を感じやすい時期です。ママの話を聞き、寄り添いましょう。
 産後の家事・育児の分担や、パパの育休・勤務時間の調整などを話し合いましょう。

産後1カ月から2カ月はママをしっかり休ませる

 ミルクを与える、おむつを替えるなど、授乳以外の育児や家事は、協力して行いましょう。

ママの気分転換の時間をつくる

 赤ちゃんが寝ている時はママも一休みできるようにするなど、ママがリフレッシュできる時間をつくりましょう。

インターネット上の情報をうのみにしない

 インターネットは便利ですが、不安感をあおることも。全てをうのみにはせず、専門機関に相談しましょう。

頑張り過ぎない

 ママもパパも、頑張り過ぎないでください。不安や悩みは家族だけで抱え込まず、友人や「妊娠・子育てほっとステーション」(下)に相談しましょう。

イラスト

妊娠・出産・子育ての不安や悩み
「妊娠・子育てほっとステーション」に相談を

 同ステーションは子育てなどの悩みや不安を相談できる窓口です。相談内容に応じて、マタニティナビゲーターなどの専門職員が対応します。気軽に相談してください。

日時 月曜から金曜午前8時半から午後5時半(祝日除く)
会場 区役所健康福祉課
対象 妊娠・子育てをしている人やその家族

ほのわちゃん
新潟市子育て応援キャラクター
「ほのわちゃん」

前の記事へ

目次へ

次の記事へ

本文ここまで

サブナビゲーションここから

市報にいがた

注目情報

    サブナビゲーションここまで