市報にいがた 令和4年12月18日 2781号 1面・2面

最終更新日:2022年12月18日

一人一人の学びを大切に 新潟市の特別支援教育

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  • 目標 4:質の高い教育をみんなに
  • 目標 10:人や国の不平等をなくそう

一人一人の学びを大切に 新潟市の特別支援教育

問い合わせ 特別支援教育課(電話:025-226-3267)

担当者に聞きました 障がいのある子どもの自立を支援

特別支援教育課 総括指導主事 関原
特別支援教育課 総括指導主事 関原

特別支援教育とは

 障がいのある子どもが将来自立し社会参加するために必要な力を培い、生活や学習の困難を改善・克服することを目指す指導や支援を「特別支援教育」といいます。子どもの個性や課題を把握し、障がいの種類や程度に応じて必要な支援をしながら、それぞれの持つ力を伸ばすことを目的としています。

特別支援教育 学びの場

 保護者や本人の希望を尊重しながら、市の就学支援委員会の判定を経て就学先を決定します。

特別支援学校 日常生活で手厚い支援が必要な子どもが対象。障がいに配慮した施設・設備を整備
特別支援学級 日常生活で部分的に支援が必要な子どもが在籍。小・中学校内に設置
通級指導教室 各区に1ヵ所から3ヵ所設置。通常の学級に在籍する子どもに週1回程度個別の支援を行う

少人数できめ細かい学習

 特別支援学校や特別支援学級では、少人数で一人一人に合わせた教育を行っています。例えば、学年にかかわらず学習内容を柔軟に変更したり、遊びやグループでの作業を通じて日常生活の向上に役立つ活動を行ったりするなど、子どもの実情に即した学習に取り組んでいます。また、障がいに応じて、身体の動きや人間関係の形成、コミュニケーションなど、それぞれが自立するために必要な活動も実施しています。
 なお、特別支援学級に在籍する子どもは、教科や内容によって必要な支援を受けながら、通常の学級の教室でほかの子どもたちと一緒に授業を受けることもあります。

イラスト

共生社会の実現に向けて

 新潟市内の特別支援学級に通う子どもは、10年前に比べて2倍以上に増えています。これは、障がいのある子ども自体が増えたのではなく、障がいや特別支援教育に対する周囲の理解や学校側の受け入れ態勢の整備が進み、自分に合った適切な教育を受ける子どもが増えた結果だと捉えています。
 今後も、福祉や医療などの関係機関と連携しながら多様な学びの場をさらに充実させ、子どもの健やかな成長をサポートしていきたいと考えています。誰もが自由に参画できる社会の実現に向けて、全ての子どもが新潟で笑顔で過ごせる仕組みづくりを進めていきます。

新潟市の特別支援学級在籍者数

平成24年度/1,078人⇒令和4年度/2,415人約2.2倍増

新潟小学校(中央区) なかよし学級 児童の学び

 同校の特別支援学級「なかよし学級」に在籍する子どもたちの学習の様子を紹介します。

学習の様子

登校

担任が教室で子どもたちを迎えます。保護者が付き添い、連絡事項を担任に伝える姿も見られます。

登校の様子

イラスト

支援学級での学習

算数
一人一人の実情に合った内容に取り組みます。少人数で自分のペースで学習を進めていきます。

算数の様子

イラスト

生活単元学習
各教科の内容を組み合わせ、日常生活に必要な事柄を興味、関心に沿って総合的に学びます。

生活単元学習の様子

自立活動
人間関係の形成やコミュニケーションなど、それぞれの特性に合わせて「生きる力」を育みます。

自立活動の様子

通常の学級での学習

算数
通常より大きな机やタブレットなど、必要な設備を使って授業を受けることができます。

算数の様子

イラスト

体育
周囲のサポートを受けながら、通常の学級の子どもたちと一緒に体を動かします。

体育の様子

生活
グループに分かれて地域のお店を訪問し、調べた内容を友達と協力してレポートにまとめます。

生活の様子

学校生活

給食
通常の学級で友達と一緒に食べます。当番の時は机の水拭きや牛乳配り、盛り付けなどをします。

給食の様子

イラスト

休み時間
グラウンドでは鬼ごっこなどをして遊びます。プレイルームで玉入れなどをする子どももいます。

休み時間の様子

イラスト

下校

友達や迎えに来た保護者と一緒に帰ります。放課後デイサービスやひまわりクラブを利用する子どももいます。

下校の様子

イラスト

担任の声

風間 晴子 教諭
同校 なかよし学級担任
風間 晴子 教諭

 なかよし学級には現在、1年生から6年生まで3学級14人の子どもが在籍し、それぞれの特性や状況に合わせて必要な支援を受けながら学習を進めています。通常の学級での学習や学校行事にも積極的に取り組み、上級生が下級生の良いお手本になっています。
 子どもが安心して自分を表現できるように、居心地の良い教室づくりを心掛けています。今後も一人一人の良さを大切にしながら、子どもたちが伸び伸びと成長するためのお手伝いができたらと思っています。

保護者の声

6年生の保護者
同校 なかよし学級
6年生の保護者

 うちの子は1年生の時からなかよし学級に在籍しています。普段、体育や音楽などの教科は通常の学級の授業に参加し、国語や算数、生活単元学習や自立活動などは支援学級で勉強しています。6年間で漢字や計算の力が付き、生活面でも予定を立てて行動できるようになるなど、成長を実感しています。
 子どもたちはお互いに思いやりを持って過ごしていると聞いています。障がいへの理解が、学校から地域全体にも広がっていくといいなと思います。

子どもの発達・言葉の心配 一人で悩まず相談を

 子どもの発達や言葉について気がかりなこと、心配なことの相談に応じ、一人一人に合った教育サービスや支援を一緒に考えていきます。

特別支援教育サポートセンター(中央区西大畑町)

 児童・生徒の学習についての相談に応じます。

相談電話 電話:025-222-8996
受付時間 午前8時半から午後5時
※土曜・日曜、祝日、年末年始除く

教育支援センター(各区役所内)

 就学前児の相談に対応します。

相談電話 下表のとおり
受付時間 午前9時から午後4時半
※土曜・日曜、祝日、年末年始除く

相談電話
北区 電話:025-387-1525
東区 電話:025-250-2180
中央区 電話:025-223-7026
江南区 電話:025-382-4903
秋葉区 電話:0250-25-5503
南区 電話:025-372-6635
西区 電話:025-264-7530
西蒲区 電話:0256-72-8560

専門職のスタッフが保護者に寄り添い、お子さんの個性を尊重しながら必要な支援を一緒に考えます。気になることがあれば気軽に相談してください。

臨床心理士 山田
特別支援教育サポートセンター
臨床心理士 山田

毎年春と夏に就学前の相談会を実施しています。詳しくは電話でお問い合わせください。

言語聴覚士 伊藤
特別支援教育サポートセンター
言語聴覚士 伊藤

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