(6-19)市税の不当な納付要求

最終更新日:2025年7月1日

(6-19)市税の不当な納付要求

令和7年3月24日 苦情申立書受理

申立ての趣旨(要約)

 令和7年3月14日付けで、「市税納付計画の立案と提示について」と題した文書2通を受取りました。内容は、令和3年度から令和6年度までの固定資産税・都市計画税に滞納があるから、本税と延滞金について完納するよう催告する。期限までに具体的な納付計画について相談してほしい旨でした。
 私は令和3年以降、新潟市A区地内の不動産のみを所有していますが、滞納と指摘されている期間の当該税金は全て納付済みであり、領収証書も保存しています。
 また、上記3月14日付けの文書裏面の滞納金額明細書には、期別ごとに督促発布日が記載されていますが、督促状を受取ったこともなくこの納付要求は違法であります。
 なぜこのような異常な事態が生じたのか説明を求めるとともに、再発防止策についても説明を求めます。

所管部署

財務部納税課(以下「所管課A」という。)
財務部資産税課(以下「所管課B」という。)

調査の結果の要旨

令和7年6月23日決定

 申立人の主張及び所管課の説明と双方から提出のあった資料に基づき、当審査会では以下のとおり判断し調査結果とします。
第1 事実経過
 本件の事実経過は次のとおりです。
(1) 令和7年2月25日、所管課Bが、令和6年中に新潟市内で転居があった者の課税情報修正作業を実施していたところ、A氏と新潟市内で転居した申立人とを、誤って同一人物と判定し、A氏の住所を申立人の新住所として変更する処理を行った。
(2) 同3月14日、所管課Aは、上記(1)の誤登録により、本来A氏に送付すべき滞納に係る催告書を誤って申立人に送付した。
(3) 同3月24日、申立人の親族(息子)が、行政苦情審査会事務局(広聴相談課)に電話にて問い合わせを行い、同日付で苦情申立書を電子メールにて提出した。
(4) 同3月28日、申立人側より所管課Aに、催告書が誤りであることからその取消しを求める旨のメールが送信された。所管課Aが所管課Bに問合せをしたが担当者が不在であったことから原因の特定には至らず、令和6年度第4期に係る督促状を発送。なお、令和6年度第4期に係る督促状は既に発送段階にあったため、発送停止は実務上不可能であった。
(5) 同3月31日、所管課A及び所管課Bにおいて、所管課Bでの事務処理誤りが明確となったため、両課で協議を行い税務監に報告のうえ、所管課Bが申立人から送信された3月28日のメールによる要請に対して、両所管課長の連名でメールによりお詫びし、追加で令和6年度第4期の督促状3通が届くため、それらを含め誤って郵送した文書を回収したい旨を通知した。これに対し、申立人は市長名による正式な公文書での説明を求めた。
(6) 同4月1日、行政苦情審査会事務局(広聴相談課)から所管課Aに対して苦情申立の受付が正式に通知された。
(7) 同4月7日、申立人が所管課A及び所管課Bに対し、誤送付文書発送の停止ができなかった理由の説明を求めるとともに、3月31日の連絡以降市からの応答がないことを指摘し、4月9日までに公文書による説明と電子メールでの回答を要求した。これを受け、所管課B及び所管課Aは、申立人に対し、公文書作成の遅延について謝罪し、当該文書を同週中に送付予定である旨を電子メールで通知した。
(8) 同4月9日、所管課Aが、申立人の要請に基づき、催告書が無効である旨の市長名によるお詫びの文書に、事務処理誤りの発生原因・再発防止策・延滞金計算方法に関することを記載し、所管課A・B両課長の連名により、特定記録郵便にて発送した。同日、所管課A及び所管課Bは、誤送付文書の回収と面会による謝罪の意向を改めて申立人に伝えた。

第2 審査会の判断
1 本件で、申立人は、令和7年3月14日付で送付された催告書について、申立人は自身に課税された固定資産税及び都市計画税をすでに全額納付済みであり、領収証書も保管していると主張し本会に資料として提出しています。あわせて、催告書に記載された納税者番号が自分のものと異なること、また督促状などが事前に一切通知されていなかったことから、この納付の要求は違法であると訴え、事実経過の説明と再発防止策の提示を求めています。
2 これに対し、所管課A及びBは、本来、別人であるA氏に送付すべき催告書を、誤って申立人に送付した事実を認めています。その原因は、課税情報の修正作業の際に申立人の情報を誤って参照し、入力ミスが生じたことによるものとのことです。なお、誤送付が判明した後は、申立人に速やかに謝罪し、誤送付文書の取消しや公文書による説明を行っています。
3 以上の事実を踏まえ、当審査会は、申立人の主張は妥当であり、市税の賦課名義人を誤って課税したことは、市の信頼喪失につながる重大な事案と考え、本件の誤送付及びそれに伴う対応の不備についての責任は、所管課A・Bにあると判断します。特に、申立人とは別人を、誤って同一人物として取り扱ったことに関する確認体制が不十分であった点、さらに、誤送付後の説明や対応について関係部署間の連携が不十分であった点は、市民サービスの観点からも問題であったと言えます。

 以上、当審査会は、新潟市行政苦情審査会規則第16条第1項に基づき、下記のとおり運営の是正を求めるため意見を表明します。
(1) 意見の趣旨
 市税における誤謬賦課による催告書の誤送付といった事務的な誤りについて、再発防止に向けた具体的な方策を検討し、正確で確実な事務処理体制の整備を速やかに行うことを強く求めます。
(2) 意見の内容
 課税情報の修正などの事務処理においては、住民票や納税者番号、生年月日など複数の情報を照合し、同一人物かどうかを慎重に確認する手続きを徹底してください。ついては、同様の事務誤りを防止するため、以下の措置を講じてください。
(ア)複数の点検者間で見解の相違が生じた場合でも、必ず連携と情報共有を行い、統一的な判断のもとで処理を行う体制の整備
(イ)住所、生年月日、納税者番号等に不一致がある場合における、点検者同士によるダブルチェックの徹底
(ウ)人的作業によるミスを防ぐため、機械的・自動的な確認処理を可能とするシステムの改善及び運用体制の強化

 以上を踏まえ、各所管課におかれましては、市民からの信頼を損なうことのないよう、今後の運営における改善を速やかに実施されることを強く求めます。

※審査会からの意見に対する市の是正方針は、市から報告があり次第、掲載します。

このページの作成担当

市民生活部 広聴相談課

〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1(市役所本館1階)
電話:025-226-2094 FAX:025-223-8775

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