第447号(令和7年11月16日) 1ページ
最終更新日:2025年11月16日
南区から全国へ、美味しさの舞台裏

南区はル レクチエ発祥の地で、栽培面積は全国第1位の新潟県の中でも約5割を占めています。甘味が濃くとろりとした食感、芳醇な香りが魅力のこの果実は、手間暇を惜しまない農家の努力によって支えられています。冬の剪定に始まり、春の花粉付け、夏の病害虫対策、そして秋の収穫・追熟まで、1年を通して気の抜けない作業が続きます。その分「おいしい実」を収穫したときの喜びは大きくなります。
今号では、大郷地区の若手農家の1年を追いながら、ル レクチエが実を結ぶまでの過程や、その背景にある情熱を紹介します。
ル レクチエ栽培農家 ファームジェンツ 渡辺烈矢さん・奈央さんの1年を追いました
ル レクチエ栽培の1年
冬季 剪定・枝拾い
どう枝が伸びるか、どこに実を付けるか収穫を思い描きながら行う難しい作業です。切った枝を拾い集めるのも重労働です。

4月 花粉付け(人工授粉)
ル レクチエは自分で受粉することが難しいため、人の手で一つ一つ丁寧に花粉を付けて受粉させます。事前に手作業で採取した花粉を使い、天候や花の状態を見極めながら慎重に作業を進めます。



5月 摘果
選んだ実に栄養を集中させるため、不要な実を間引き(切り取り)ます。摘果することで大きく、味わい豊かな実に育ちます。



6月 袋掛け
デリケートな表皮を保護し、雨や害虫、病気を防ぐため二重構造の紙製の袋を一つ一つかぶせます。



通年 防除・草刈り
ル レクチエは病気や害虫に弱いため、年間を通してこまめな防除が必要です。天候や木の状態を見極めながら計画的に薬剤を散布し、草を刈ることで病害虫の発生を抑えるとともに、作業のしやすい環境を保っています。



10月 収穫→追熟
木になったままではおいしくならないため、まだ実が青く硬いうちに収穫し、温度管理をしながら40日程度追熟させます。



11月 出荷
一番おいしく食べてもらえるよう、9割ほど追熟させた状態で出荷します。

今回取材した渡辺さん夫妻にお話しを聞きました

奈央さん・烈矢さん
1年を通して大変なことは?
特に大変なのは袋掛け作業です。きれいな実に仕上げるためには、できるだけ早く袋を掛ける必要があり、限られた時間の中で急いで作業を進めます。さらに、暑さや台風など自然との闘いもあります。厳しい環境の中でも、おいしいル レクチエを届けたいという思いで日々頑張っています。その気持ちが一つ一つの実に詰まっていると思います。
どんなところにやりがいを感じますか?
果樹栽培は、自分の「好き」をとことん追求できるところにやりがいを感じます。「カッコイイ農業を体現したい!」という思いからファームジェンツを立ち上げました。おいしいものを皆さんにお届けすることを第一に考え、加えて、作業着やホームページ、出荷資材のデザインまでスタイリッシュさにこだわり、自分の気持ちに正直に農業に取り組んでいます。それらが実を結び、全国から注文をいただき「あなたの作ったものが一番」と言ってもらえたときは、本当にうれしくなります。
農業をやってみたいと思っている方にひと言!
農業は、栽培から販売まで自分の考えで挑戦できるクリエイティブな仕事です。好きなことをとことん追求すれば、地域や農業に新しい価値を生み出すことも! 自分だけのスタイルで農業を楽しみたい方にオススメです。
11月20日(木曜) ル レクチエ解禁日
今年のプリムール(販売解禁日)は11月20日(木曜)。“特別な日を彩る果実” として、ぜひ味わってください。

果樹里親制度で新規就農を
問い合わせ 産業振興課 電話:025-372-6525
「新規就農をするにはどうすればいいの?」と思っている人はいませんか? 栽培技術や農業経営に関する指導、就農に必要な農地確保など、里親(熟練農業者)と南区果樹担い手協議会が支援しています。
おおまかな流れ
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