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史跡古津八幡山遺跡 弥生の丘展示館たより

最終更新日:2021年5月31日

秋葉区古津八幡山遺跡歴史の広場に自生する植物や昆虫、施設の見どころなどを不定期にご紹介します。

古津八幡山遺跡カラムシ畑の蝶(令和3年6月号)

 史跡古津八幡山 弥生の丘展示館の裏に、アンギン編みの体験学習のために栽培しているカラムシ畑があります。そこでカラムシの葉がつづられて餃子(ぎょうざ)のような形になっているものを複数発見しました。これを作った正体は、蝶の仲間のアカタテハの幼虫です。写真にあるように、黒い4cmほどの胴体に黄色い(とげ)状の毛が生えています。触れても皮膚(ひふ)にはささりません。幼虫は糸を出して葉と葉を接着し、その中に入って葉を食べます。鳥などに姿を見つけられないための知恵なのでしょう。
 アカタテハは成虫になると前翅長(ぜんしちょう)(前羽の長さ)が4cm前後、全体は燈色で、前翅(ぜんし)の先端が黒い蝶になります。初夏と秋に成虫になり、冬を成虫のまま越します。
 縄文・弥生時代から現代まで、カラムシとともに私たちの身近にいる蝶です。古津八幡山遺跡に来られた際には、探してみて下さい。

古津八幡山遺跡復元住居の軒下に住む「アリジゴク」(令和3年5月号)

古津八幡山遺跡歴史の広場に、弥生時代の竪穴住居が7棟復元されています。復元住居の屋根は茅葺(かやぶ)きで再現されており、奥行き30から50センチメートル程度のわずかな軒下があります。軒下の土は、大部分が粘土質ですが、一部はさらさらした砂質の部分があります。そこに、直径5センチメートル、深さ4センチメートル程度のすり鉢状の穴が所々に見られます。一見雨だれに見えますが、平面形はきれいな逆円錐形(ぎゃくえんすいけい)になっています。そこに住むのは俗称(ぞくしょう)「アリジゴク」と呼ばれるウスバカゲロウの幼虫です。「アリジゴク」は体長1センチメートルくらいで、全身が毛に(おお)われ、非常に鋭い上顎(うわあご)を持っています。穴の底に落ちてくる(えさ)となるアリなどの昆虫をじっと待って生活しています。幼虫の期間は2年から3年ほどです。成熟した「アリジゴク」は(まゆ)の中で(さなぎ)になり、初夏にトンボによく似たウスバカゲロウになります。ウスバカゲロウは1か月ほど生きて、子孫を残します。竪穴住居跡の見学の際に探してみてください。


復元住居軒下にあるアリジゴクの巣穴

野イチゴの魅力(令和3年4月号)

 新緑がまぶしく華やいだ季節になりました。この時期の楽しみとなっているのが、クサイチゴです。地表を草のように縦横に()いながら伸びていく様子から、この名がついたとされています。花びらは純白で、道端のあちこちで楚々と咲き誇っています。一見すると端麗で優美な印象のクサイチゴですが、(くき)にはトゲがあり、バラ科に属する樹木です。草ではなかったのですね。初夏になると甘酸っぱい実が赤く熟し、生でも食べられますが、ジャムなどに加工するとさらにおいしく頂けます。くれぐれも茎のトゲには気をつけて、探してみてください。

クサイチゴの花

展示室の秘密(令和3年3月号)

 展示室にあるモニター映像のひとつに「国指定史跡 古津八幡山遺跡の歴史」があります。
 この映像のナレーションは、アニメ「クレヨンしんちゃん」の園長先生でお馴染みの声優、故納谷六朗(なやろくろう)さんです。皆さんご存知でしたか?納谷さんは他にも「機関車トーマス」のトップハム・ハット卿、「聖闘士星矢」の水瓶座のカミュなど、数多くの作品に出演されています。
 今は亡き納谷六朗さんの懐かしくナイーブな声と共に、弥生時代からの八幡山の変遷を、わかりやすいアニメーションで見ることができます。
 これからもテレビやラジオのアニメーションを見る時に、納谷さんの声を探してみてはいかがでしょうか。

雪上観察(令和3年2月号)


 キラキラ光る雪原で、点々と続く何匹もの動物の足跡を見ることがあります。
 まっすぐ等間隔についているもの、二匹が仲良く並んで歩いて(走って)いるもの、しっかり爪の跡が見られるものなどです。
 色々なことを想像します。側溝では「ここで思いっきりジャンプしたな?」、「この木に登ったな?」、「エサを探して歩き回ったのかな?」とか。楽しい推理をしてみてください。

 ねらい目は早朝です。と言うのも、夜行性のほ乳類がほとんどで、足跡は強い日差しや風、雨などですぐに変形するからです。


 さて、ここで問題です。雪上の足跡(2)の画像はどんな動物のものでしょうか?

 前足が縦に二つ、それを飛び越えた前方に後ろ足の長い跡が横に並んで二つついています。

(答えは・・・ウサギです。)

ジオラマの世界(令和2年12月号)

展示室の右手奥に進むと、ジオラマ模型があります。ここは弥生時代、約2000年前の古津八幡山遺跡の様子を再現しています。
 沢から水を運び、火を起こして煮炊きをする人々、弓矢で獲物を狩り、鉄斧で木を()る人々など、今にも動き出しそうなリアルな世界が投影されています。
 さらに圧巻なのは、古津八幡山遺跡を包み込む背景です。写真のように見えますが、目を凝らしてみると実は絵画なのです。阿賀野市出身でウルトラマン・ゴジラ等の円谷プロ作品や、大林信彦監督の「漂流教室」など、様々な背景画を手掛けている島倉二千六(ふちむ)さんの作品です。ぜひ当館にお越し頂き、ジオラマの世界を覗いてみてください。


弥生時代の古津八幡山遺跡を再現したジオラマの写真

史跡古津八幡山遺跡内に住む美麗(びれい)(ちょう)(令和2年11月号)

 史跡古津八幡山遺跡は重要な遺跡であるとともに、里山として多くの市民の憩いの場所になっています。遺跡を含む丘陵は新津丘陵(にいつきゅうりょう)と呼ばれています。新津丘陵は、多くの昆虫たちが住みかとしています。その中でも蝶類は78種が確認されています。初夏から夏にかけては遺跡内を大型の黒いアゲハチョウを含む多くの蝶が飛び()っています。里山に豊かな植生(しょくせい)があるためにほかなりません。
 遺跡内に果樹のビワに似た葉のアワブキが自生しています。今年の7月に、葉の先端が2つに巻かれたものを見つけました。中から有名な絵本「はらぺこあおむし」に出てくる頭が赤い幼虫が出てきました。胴体は緑と黒のストライプで「はらぺこあおむし」の色とは、若干ちがいますが、イメージは絵本の世界の「いもむし」です。この幼虫はそっと元の場所に戻しました。成虫はビロード色の青がかった緑の羽根を持ち、うしろ羽根先端が鮮やかなオレンジで開長(かいちょう)45mm前後の美麗な姿です。この蝶の幼虫から成虫にいたる色の変化には、驚かされます。蝶の名前は、羽根の色からアオバセセリと名付けられています。

 縄文時代の楽器 (令和2年10月号)

  縄文時代に音楽はあったのか、楽器はあったのか、と聞かれることがあります。木を太鼓(たいこ)のようにたたいたり、草笛(くさぶえ)・口笛など、音を出す方法はいろいろありますが、楽器と考えられる土器や土製品も遺跡から出土しています。
 長野・山梨県の縄文中期には、「有孔つば付き土器」という皮を張って太鼓のように使われたと考えられている土器があります。
 また、鶏卵くらいの大きさで、風船状の焼き物の土笛・土鈴も音が鳴ります。土笛は、1個の穴に息を細く吹き込んで音を出し、土鈴は小石や土玉を数個入れて焼き、振ると小さな音がします。県内では、縄文前期の胎内市二軒茶屋遺跡と長岡市大武遺跡で土鈴が出土しています。

 弥生の丘展示館の10月の体験では、下の見本写真のように、粘土で土笛・土鈴・土面を作ることができます。電気窯で焼いてお渡しします。好きな形を作りに来ませんか。


土鈴の見本

歴史の広場の紹介(令和2年9月号)

  弥生の丘展示館から歩いて10分位の丘の上に、弥生時代のムラが復元されています。新津丘陵西側の尾根に立地する、弥生時代後期と古墳時代中期の遺跡です。弥生時代は、中国の歴史書『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』に邪馬台国や女王卑弥呼(ひみこ)のことが書かれた頃です。戦いに備えて、丘陵の上に集落が作られ、尾根頂上の標高は53メートルです。古津八幡山古墳(円墳)の直径は60メートルで、県内最大の大きさです。越後平野から弥彦山・角田山、天気が良いと佐渡まで見渡せる眺望も素晴らしいです。広場には竪穴住居が7棟復元されていて、中に入ってみることもできます。

そこで歴史の広場をいつも管理されている方々に、お話を聞いてみました。

 質問 どんな仕事をされていますか?
 答え 竪穴住居の燻蒸(くんじょう)や機械による芝刈り、刈払機で雑草等の除草、その他困ったお客様への誘導などです。

 質問 今までで一番うれしかったことは?
 答え 芝刈りの後の広大な美しさにお客様から、「きれいですね」と感動されたことです。

 貴重なご意見、ありがとうございました。いつもご苦労様です。

残暑も日ごとに和らいで初秋の季節となり、緑いっぱいの開放的な歴史の広場で、ちいさな発見をされてみてはいかがでしょうか?

なお、継続して発掘調査を行っている遺跡の現地説明会を以下のとおり開催します。

日時 令和2年10月3日(土曜日)午前10時から午後3時30分
場所 新潟市秋葉区金津(古津八幡山遺跡 北側の中腹平坦地)
 午後10時から午後1時から調査員による説明会を開催いたします。多数のご来場をお待ちいたしております。

クワの葉の不思議(令和2年8月号)

 弥生の丘展示館から登ったカラムシ畑の裏手にクワの木があります。花期は4月から5月頃で、7月には長さ2センチメートルほどの黒紫色の甘い実をつけます。この実は人だけではなく、鳥や虫達も大好物です。
 今回は葉の形に注目してみたいと思います。
 クワの葉は、ハート形や、切り込みの入っているものなどがあり、同じ木の中でも大きさや形がさまざまです。どちらも先端がとがり、縁はギザギザになっています。もともとクワには「異型葉」という性質があって、若い木では切り込みが多く、成木になるとハート形になるんです。不思議ですね。
 また、「(かいこ)」の(えさ)としても知られていて、葉を(せん)じてお茶や薬として、昔から親しまれています。
 

来年2月には、当館のイベント「葉っぱで染めよう」が開催されます。クワの葉を使って、すてきな作品を作ってみませんか。

カラムシが風に揺れて(令和2年7月号)

弥生の丘展示館のすぐ裏手、歴史広場へ登る坂道の左側にカラムシの畑があります。背丈くらいの高さに密生しており、シソのように大きな葉は、風に揺れると白く裏返ります。
カラムシはイラクサ科の多年草で、真っ直ぐな茎の皮から繊維を取り出し、糸として利用します。苧麻(ちょま)()とも呼ばれ、越後縮(えちごちぢみ)や小千谷縮の原料となります。
古くは、約6,000年前の縄文時代の遺跡で確認され、縄文土器に縄目の文様を付ける撚紐(よりひも)や、タテ糸にヨコ糸をからませた編布も作られています。

花づくしの山だよりパート2(令和2年6月19日号)

6月の古津八幡山には、異なる成り立ちをした白い花がたくさん咲いています。

弥生の丘展示館からの登り坂では、ヤマボウシのトンネルがお出迎えです。
白い花びらのように見えるのは、(ほう)という花を守る葉っぱが変形した部分です。
花は、中心の大仏様の螺髪(らほつ)のようなポツポツの部分です。9月頃につける赤い実は食べられます。

史跡名称板の石碑から左に曲がった所には、「あっかんべー」をしているように見える、スイカズラが可憐に咲いています。

さらに、舗装道路に入ってすぐ、空を見上げると、コナラの木に巻きついたイワガラミが、滝のように降りそそぎ、ガクアジサイのような白い花をつけています。

花づくしの山だより(令和2年5月14日号)

 古津八幡山遺跡の植物たちは、いま一斉に花盛り。中でも、あちこちで見かけるタニウツギの桃色の花は、可憐な姿で咲き誇っています。紫色のフジも横へ横へと枝を垂れ伸ばし、甘い香りをあたりに漂わせています。
 ふと、小さなラッパのような形をした、白いウゴツクバネウツギを見つけました。花の内側には、まるでオレンジ色の変わった装飾が施されているようです。ウゴとは秋田県羽後(うご)地方に多く生息していることから、ツクバネはガクの部分が羽根つきの羽に似ていることから名付けられたそうです。
 古墳下のトイレから少し登ったところで見つけました。ぜひ、探してみてください。

史跡古津八幡山遺跡の女神は何処に (令和2年4月24日号)

 今年の4月は、例年より早い桜の開花でした。桜の花が咲くころ、黒と白のストライプ模様に尾状突起近くの赤い模様が目立つ小型アゲハチョウ(開帳5~6センチメートル位)が、桜などの花の蜜を求めて、飛び回ります。新津丘陵の里山には少ないながら生息し、名前はギフチョウと言います。早春の3~4月の一瞬だけ現れるため「春の女神」とも呼ばれています。この蝶は、里山の主に広葉樹の林床にはえるカンアオイ類(新津丘陵ではコシノカンアオイ)を食草とし、現在の分布は日本の本州島(秋田県から山口県まで)に生息する日本固有種です。縄文・弥生時代から現代まで人類と共生してきた蝶と考えられます。
 史跡古津八幡山遺跡内では目撃情報があるのですが確実に生息していると言えず、未だ、まぼろしの蝶です。(弥生の丘展示館内に展示されているギフチョウ標本は秋葉区内の別産地産です。)。下草の少ない広葉樹の林床に生息をするので、環境さえ整えば、いずれ古津八幡山古墳の桜に多くのギフチョウが吸蜜する姿が見られるかもしれません。

平成31年4月23日号

弥生の丘展示館から史跡公園へ繋がる園路沿いにある桜や、古津八幡山古墳の周囲にあるソメイヨシノは満開です。オオカメノキの白い花も見頃となり、遺跡は春の花の時期を迎えています。
近接する新潟県立植物園でも桜や椿をはじめさまざまな植物の花が咲いています。ゆっくりと散策しながら1日を楽しむことができる「花と遺跡のふるさと公園」へ是非お越しください。

平成30年4月6日号

弥生の丘展示館から史跡公園へ繋がる園路沿いにある桜がほぼ満開になりました。
花の色はソメイヨシノよりも濃いピンク色です。
古津八幡山古墳の周囲ではソメイヨシノが咲きはじめました。
コブシの白い花も見頃となり、古津八幡山遺跡は花の時期を迎えています。
近接する新潟県立植物園でも桜や椿が見頃となっています。
古津八幡山遺跡を含む「花と遺跡のふるさと公園」には見どころがたくさんあります。是非、散策に訪れてみてください。

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〒950-1122 新潟市西区木場2748番地1
電話:025-378-0480 FAX:025-378-0484

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