中央区役所だより 第397号(令和5年10月15日) 1ページ

最終更新日:2023年10月15日

認知症になっても安心できる暮らしを
はいかい模擬訓練

 高齢化が進むなか、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。区では、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしつづけられるよう、地域活動を後押しする認知症地域支えあい推進事業に取り組んでいます。地域とチームオレンジInしもまちが実施したはいかい模擬訓練を取り上げます。
問い合わせ 健康福祉課高齢介護担当(電話:025-223-7216)

はいかい模擬訓練とは

 認知症の研究が進むにつれて、加齢などにより誰もが認知症という状態になり得ると言われています。また、徘徊行動は用事もないのに歩き回る困った行動ではなく、当事者なりの理由があることが分かってきました。この訓練は、もし、自分の住む地域でこのような行動を目にしたとき、どのように接したらよいかを体験し学ぶためのものです。
 今回はいかい模擬訓練を企画したのは、チームオレンジInしもまち。区内でも特に高齢化率が高いしもまち地域で、2021年に結成されました。チームオレンジは、地域ごとに認知症サポーターがチームを組み、認知症の人や家族に対する生活面の早期からの支援などを行う団体で、認知症の人もメンバーとして参加することを目指しています。区自治協議会の未来への種まきプロジェクトがこの活動を後押し、多くの人が訓練を体験。今年から入舟コミュニティ協議会に加入し、より地域での支えあいの活動に取り組みます。

はいかい模擬訓練

認知症の高齢者役(写真左側)に声をかける様子

チームオレンジInしもまち

チームオレンジInしもまち。代表の須貝さん(写真右端)や認知症地域支援コーディネーターの井上さん(写真中央をはじめとする創設メンバー

地域とのつながりが大切

 9月30日に実施した訓練では、接し方に慣れてもらうことに加えて、一見徘徊にあたるのか判断に迷うケースを盛り込み、参加者に対応を考えてもらいました。
 認知症地域支援コーディネーターの井上さんは、「訓練を1日だけのイベントに終わらせるのではなく、これをきっかけに地域で困った人がいた時に対応できるようになることが大切です。誰もが、自分事として考えられるようになれたらと思います」と話し、地域の人と共に活動を続けていく意欲を見せていました。

話し方を見直すきっかけに

 初めて訓練に参加した荏原敦(えはらあつし)さんは、認知症により幻覚が見えている役の人に声を掛け「話を否定して相手が驚かないように状況を踏まえながら、警察に連絡するところまで話を進めました。訓練前にあった専門職の人からのアドバイスを生かすことができ、良い経験になりました。日々の会話から相手を否定しない話し方をしていきたいです」と話しました。

話し方を見直すきっかけに

認知症とは 教えてくれたのは、みどり病院 川井さん

 特別な病気ではなく誰でも起こりうる状態です。当事者が生活に困っている場合があります。例えば、時間や場所などがあやふやになったり、具体的な過去の出来事(思い出)がそっくり記憶から抜け落ちて会話についていけなくなったりします。また、認知症の状態の人は外出した理由を忘れてしまうほか、明るさやにおいなどの環境、周囲の人の雰囲気などに対する不快感から居心地よい場所へ移ろうとして、さまよってしまうことがあります。
 周囲の人の様子が気になり声を掛けるとき、自分が迷子になって困ったら、どう声掛けをしてもらいたいか考えてみると良いでしょう。

 市では認知症のことなどをまとめた認知症安心ガイドブックを配布しています。
 また、区ではチームオレンジInしもまちとともに地域の活動を支援し、区内外の地域で同様の活動ができるようにはいかい模擬訓練マニュアルを作成し、公表しています。地域でこの活動に取り組みたいときは、まず健康福祉課高齢介護担当まで問い合わせてください。

認知症ガイドブック

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