結核の基礎知識
最終更新日:2018年4月5日
結核ってどんな病気?
結核は結核菌という細菌によって起こります。 結核菌は細胞分裂して発育しますが、その速度は非常に遅いのが特徴です。
結核は昔の病気?!
いいえ、新潟市では毎年約80人の方が新たに結核で登録されています。全国でも年間約17000人の患者が発生している、わが国では最大の感染症です。
さらに、多剤耐性結核菌の増加や結核集団感染・院内感染など、緊急に対応をとらなければならない課題が大きくなっています。
結核はどのようにしてうつりますか?
痰のなかに結核菌が出るようになった重症の結核患者が、咳やくしゃみをするとしぶきが飛び散ります。このしぶきの中の結核菌を吸い込むことによって、結核はうつり ます。(空気感染)逆にいえば、結核に感染しただけで周囲の人へ結核がうつることはありませんしし、発病しても軽症(結核菌を体の外に排菌していない状態)のうちは、周囲の人へうつりません。
感染したら必ず発病するの?
いいえ、結核に感染しての発病するのは10人に1~2人くらいです。残りの8~9人は、免疫力によって結核菌は一生眠った状況で過ぎます。現在の日本人では、高齢者を中心に約4人に1人はからだの中に眠った結核菌を持っていると考えられています。
どのような人が結核になりやすい?
・糖尿病、腎臓病など慢性疾患がある人
・体力が低下した人
・疲れている人
・大きな手術をした人
・栄養不良の人
・ステロイド剤や抗がん剤を服用している人
・HIVに感染している人
結核になるとどのような症状がでる?
・長引くせき
・たん
・からだがだるい
・食欲がない
・寝汗をかく
・体重が減る
・37~38度くらいの発熱
などです。
結核の検査にはどのようなものがあるの?
結核に感染したかどうかの検査は、ツベルクリン反応検査やQFT検査(血液検査)により判定します。
結核を発病したかどうかの検査は、胸部レントゲン検査により判定します。
結核が重症化したか同課の検査は、痰などの菌検査により判定します。
ツベルクリン反応検査やQFT検査(血液検査)は何を調べる検査?
結核に感染すると、からだに結核に対する免疫ができます。ツベルクリン反応検査やQFT検査は、この免疫の力がどのくらいあるかを見る検査です。
ツベルクリン反応検査は、結核に感染した場合だけでなく、BCG接種によっても陽性になります。BCG接種をしツベルクリン反応検査をした場合で、反応が非常に大きく出た場合は結核菌の感染の可能性を考えます。
QFT検査は結核菌が持っている特殊なたんぱく質を利用して、採血した血液のリンパ球を刺激し、反応するかどうかを見る検査です。BCG接種の影響は受けませんが、免疫の確立していない乳幼児は、正確な数値が出ない場合があります。また、陽性の場合、昔感染したのか、最近感染したのかについては判断しがたいことがあります。
胸部レントゲン検査をするのはなぜですか?
ほとんどの結核は肺に現れます。また、結核は比較的ゆっくり進行しますので、発病初期は症状がなくでも、胸部レントゲン写真をとれば、発病を早期に発見すること ができます。発病した場合、感染してからだいたい6か月経過以降に、レントゲン所見が見つかります。
胸部レントゲン検査の1回あたりの被爆量は、1年間に自然から放射線を受ける量の20分の1程度に過ぎず、被ばく量は非常に小さいと考えられています。
症状がなくても、定期的もしくは主治医のの指示に従って、胸部レントゲンを受けてください。
結核の発病を防ぐためには?
結核に感染しても、発病しないよう結核菌を抑え込む方法が2つあります。
BCG接種は、特に小さな子どもの重い結核になることを防ぐのに効果があります。
また、ツベルクリン反応検査やQFT検査が陽性だった場合は、抗結核薬を一定期間内服し、結核が発病する可能性を低く抑えます。
薬の内服による副作用は、食欲不振・はきけ・だるさ・発疹・発熱などがあります。このような症状が出た場合は、主治医に相談してください。
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