市報にいがた 令和2年2月2日 2712号 5面
最終更新日:2020年2月2日
みなとまち新潟 歴史探訪(30)
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海は荒海 冬の新潟
昭和4年(1929年)、現在の3代目萬代橋の完成記念に北原白秋(童謡「砂山」でおなじみの詩人・歌人)が作詞した「新潟小唄」には、次のような歌詞があります。
(か)けら氷が 流れて光る 今朝も萬代橋の出はづれを
寒(さ)むや川風 萬代橋長い お高祖(こそ)頭巾が また通る
萬代橋の下の信濃川の端を大きな氷の塊が朝日の光を浴びて流れています。冷たい川風を受けながら人々が目だけ出した頭巾姿で長い橋を渡っていた、当時の新潟の冬の様子が分かります。
新潟地方気象台の観測記録によれば、戦前で一番寒かったのは昭和17年(1942年)2月12日のマイナス13度でした。開港後の明治3年(1870年)の冬、新潟港に入港しようとしたオランダの蒸気船バハマ号は、悪天候と雪のため荷物の上げ下ろしができず佐渡へ回航しました。当時の新潟オランダ副領事メースは「市内は2メートルほどの積雪があり、川は凍結している。運河(堀)は凍って船が使えない」ので作業費用がかさむと嘆いています。
今回は季節柄、信濃川も凍った寒い新潟の話でした。
氷結した信濃川にとどまる蒸気船安進丸(昭和11年ごろ)
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