巻頭特集 地域新電力事業(新潟スワンエナジー株式会社)について
最終更新日:2021年3月23日
事業背景
気候変動の影響が顕著になり地球温暖化対策が急務となる中、世界的には2015年に持続可能な社会を目指す開発目標(SDGs)や、パリ協定が採択されました。国においては地球温暖化対策推進法の改正、第5次環境基本計画・第5次エネルギー基本計画の策定などにより、温室効果ガス排出量を大幅に削減し、脱炭素化を目指す方向性が示されています。
本市では、新潟市地球温暖化対策実行計画に基づき、田園地域と市街地の豊かな価値を循環させながら、都市全体が調和ある発展を遂げる「田園型環境都市にいがた」を目指し、再生可能エネルギーの拡大やエネルギーの地産地消などによる温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。
事業概要
事業の概略図
新潟スワンエナジーのロゴマーク
スワンは、市の鳥「ハクチョウ」であり、新潟という地域と自然との共生の象徴として表し、スワンをグリーンのサークルで囲むことによって、再生可能エネルギーが循環し続ける構造を表現しています。オレンジの円は、朝日と夕日の両方を意味しており、持続可能な未来に向けて、思いをつなぐ約束の象徴としました。
電源構成と主な電源、供給先
新潟スワンエナジーの主な電源は、市内を中心とした地域の再生可能エネルギーで構成しており、低炭素な電力供給に努めています。
区役所や文化施設など市の施設(約120施設)および一部民間施設に電力を供給し、そのうち2施設を再エネ100パーセントとするなど、使用電力由来のCO2排出量や電気料金の削減に貢献しています。
区分 | 発電所名 | 所在地 | 発電規模(キロワット) |
---|---|---|---|
廃棄物発電(バイオマス) | 新潟市新田清掃センター | 新潟市 | 7,800 |
太陽光発電 | 新潟市アイスアリーナ 太陽光発電所 | 新潟市 | 425.4 |
東港工場太陽光発電所 | 新潟市 | 49.5 | |
烏川太陽光発電所 | 聖籠町 | 500 | |
浜山太陽光発電所 | 聖籠町 | 500 | |
新潟小平方メガソーラー発電所 | 新潟市 | 1,000 | |
長岡フェニックスメガソーラー発電所 | 長岡市 | 1,990 |
新潟スワンエナジーの電源構成(2019年度実績)
今後の展望
現在、新潟スワンエナジーでは、エネルギーサービス事業の展開や、事業収益の効果的な運用について検討するほか、新潟市内にとどまらず、近隣市町村を含む広域での取り組みも視野に活動を進めています。
新潟スワンエナジーの事業を通じて、今後さらなる地域の再生可能エネルギーの拡大と、地域経済の活性化が図れることを期待しています。
持続可能な開発目標(SDGs)とは
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、平成27(2015)年9月にニューヨーク・国連本部で開催した国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール、169のターゲット、232のインディケーターから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
17のゴールは社会、経済、環境の3側面で世界が直面する課題を網羅的にしており、17のゴールを統合的に解決しながらよりよい未来を築くことを目標としています。
本市の環境の保全に関する施策のうち平成30年度中に改定された「佐潟周辺自然環境保全計画」や令和2年3月に策定された「地球温暖化対策実行計画(地域推進版)」、「一般廃棄物処理基本計画」にもSDGsの視点を加えています。
持続可能な開発目標(SDGs)