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第344号(令和3年8月1日) 1ページ

最終更新日:2021年8月1日

小須戸縞
~受け継がれる伝統の技~

 小須戸地域の伝統的織物小須戸縞(こすどじま)。皆さんご存じでしょうか。丈夫で豊富な縞模様が特徴の小須戸縞は、明治から昭和初期まで、農作業用の着物の生地として全国に流通した綿織物です。今号では小須戸縞の特徴や歴史、受け継がれる織りの技術についてご紹介します。

【写真】小須戸縞を手織りしている様子

【写真】小須戸縞の反物

小須戸縞とは

 藍染の紺地に白や黄色、赤などの縞模様が特徴で、柄は120種類ほどあります。藍には虫除けの効果があることから、農作業着の生地として生産され、他にも男性の寝巻や布団の生地としても利用されました。
 明治、大正時代に生産のピークを迎えましたが、大正12(1923)年の関東大震災以降、日本国内の慢性的な不況により生産が停滞し、大正期に200戸を超えた小須戸地域の機屋の数は、昭和5(1930)年に40戸を割ってしまいました。その後、第2次世界大戦中の金属供出で織機が供出対象になったことや、戦後の繊維産業の衰退により生産が減少。平成24(2012)年頃に最後の機織り工場が操業を止めたことで、商業としての小須戸縞は途絶えてしまいました。

小須戸縞の柄の一部

【写真】小須戸縞の柄の一部

【写真】小須戸縞の柄の一部

【写真】小須戸縞の柄の一部

【写真】小須戸縞の柄の一部

【写真】小須戸縞の柄の一部

【写真】小須戸縞の柄の一部


技術をつなぐ~小須戸縞の今~

 現在小須戸縞は、区内の福祉施設「ほほえみほのか」で織られています。施設の利用者の小川敏夫さんが、最後の小須戸縞職人の長井利夫さんから指導を受けて技術を継承しました。
 小川さんが小須戸縞の手織りを始めたきっかけは、施設が手掛けている手織りの「さをり織り」です。小川さんの「さをり織り」の技術が優れていたので、施設長の又地千鶴さんの勧めで小須戸縞の手織りに挑戦することになりました。平成30(2018)年から長井さんの指導を受け、1年間熟練を重ねた後、その技術の高さを長井さんが認めたことにより本格的に小須戸縞の手織りを始めました。
 小川さんが織った小須戸縞は、施設でバッグなどに加工しています。

小須戸縞で作ったバッグ、ストラップ、シャツ

【写真】小須戸縞で作ったバッグ、ストラップ、シャツ

【写真】小須戸縞で作ったバッグ、ストラップ、シャツ

【写真】小須戸縞で作ったバッグ、ストラップ、シャツ


小川敏夫さん

【写真】小須戸縞を織っている小川敏夫さん
 小須戸縞を織ることになり、本当に自分ができるのか不安でした。小須戸縞は糸が細いので、力加減が難しいです。力を入れ過ぎると糸が切れてしまい、力を抜き過ぎると柄がきれいに出ません。始めたばかりの頃はよく糸を切っていました。
 今は1時間に30センチメートルのペースで布を織れるようになりましたが、1枚の布に仕上げるのに3か月から4か月ほどかかります。
 小須戸縞を通じていろいろな人に出会えたことや、お客様からの暖かい感謝の言葉をいただいたとき、小須戸縞に携わってよかったなあと思います。

【写真】小川さんの手織りによる小須戸縞
小川さんの手織りによる小須戸縞


又地千鶴さん(「ほほえみほのか」施設長)

【写真】又地千鶴さん
 小須戸縞を福祉施設で織りたいと思い、長い間技術の指導を長井さんにお願いして、ようやく実現しました。
 最初は機械織りの技術を受け継ごうと思ったのですが、機械の操作は危険が伴うため手織りの技術を指導していただくことにしました。小川さんは研究熱心で真面目な性格。織りの技術の正確さは、機械で織ったものに引けを取りません。手織りの良さは、機械織りよりも柔らかく、暖かみのある手触りです。小須戸縞としての品質を保ちつつ、織る人のペースに合わせてゆっくりと製品を作っていきたいです。今は小川さんが一人で小須戸縞の技術を受け継いでいますが、小川さんが織る姿を見て、小須戸縞の手織りをやってみたいという人にも技術を伝えていきたいです。そして、社会福祉法人として、地域全体として小須戸縞を受け継いでいくことで、技術の伝承が広がっていくことを願っています。また、小須戸縞を通じて、人と人とのつながりも広がっていくとうれしいです。

問い合わせ

ほほえみほのか(矢代田1975)
電話:0250-47-5011 平日 午前9時から午後5時

【写真】ほほえみほのか建物外観


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