323号(令和2年9月20日) 1ページ
最終更新日:2020年9月20日
重要文化財 笹川邸に行こう!
笹川邸(旧笹川家住宅)は萬代橋をはじめ、市内にある5つの国指定重要文化財(建造物)のうちの一つです。400年もの長い歴史があり、訪れる人は自然と厳かな気持ちになります。多くの部屋や調度品には一つ一つに逸話があり、これを知ることによりさらに歴史の重みを味わうことができます。
笹川邸の歴史
・天正年間(1573から1591)に笹川家がこの地に移り住んだ。武田氏の一族といわれている。
・1819(文政2)年の火災で、表門や蔵以外は全焼。7年後に現在の建物が再建される。
・1970(昭和45)年に笹川家の最期の当主がこの地を離れる。
笹川家のここがすごい!
・江戸時代には味方組8カ村の合計8,000石を束ねた大庄屋。
・藩から警察・裁判権を与えられていた。
・水害が多かったため、新田開発に貢献した。
笹川邸の見どころ
表 門
母屋から離れているため1819年の火災を免れ、天正年間に建てられたままの姿をとどめている。「
七畳 の間
8畳のうち1畳が床の間になっている。当主の客間として使われていた。7畳は切腹の間取りで、いざというときのために用意されたといわれている(ここで切腹した人がいたという記録はありません)。
上 便所
藩主など客専用のトイレ。便器の下にもみ殻を敷き詰めた箱を用意しておき、1回使うごとに取り換えていた。
上段の間
藩主が来たときに過ごした部屋。床の間の前には長い畳が使われている。これは、藩主が真ん中に座っても、畳の縁を踏まないようにという配慮。
武田菱
武田氏の紋。笹川家が武田一族であった証し。いろいろな場所に使われている。
奥土蔵
3枚の扉があるため火災による被害を免れた。
御用帳場
事務室として使われていた。ここにある
大広間
28畳もある一番大きい部屋。味方組・8カ村の庄屋が集まり会議を行うときなどに使用した。三の間とを仕切る板戸には5尺2寸(約157センチメートル)もある杉の一枚板が使われている。
4つの玄関
1.大玄関 三の間へ続く玄関。村上藩から藩主が来たときに使用した。
2.広間に続く玄関
3.
4.土間に続く玄関 笹川邸の家人や使用人、行商人が使用した。
釘隠し
笹川邸では部屋によって意匠を凝らした6種類の釘隠しが使い分けられている。
※
※「花菱」は現在非公開の部屋にあるため、ご覧になれません
旧笹川家住宅ボランティアガイドの会
旧笹川家住宅は江戸時代の建物です。これが現存しているだけでもすごいことです。歴史ある建物や庭園の景観は素晴らしく、映画のロケにも何度も使われました。最近では最後の瞽女・小林ハルさんの人生を描いた映画「瞽女GOZE」の舞台にもなり、見た人を魅了しました。
近年は地域の小・中学生がガイドをできるような取り組みを進めており、笹川邸が地域の子どもたちの誇りとなることを願っています。
ガイドと一緒に見学をすることで、また違った魅力を発見することができます。ガイドは無料です。お越しの際は、ぜひご利用ください。
※ガイドを希望する場合は、1週間前までに旧笹川家住宅へ問い合わせてください
代表 吉田 悦郎さん