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市報にいがた 令和3年9月5日 2750号 2面・3面

最終更新日:2021年9月5日

特集 デジタル技術を活用した市内産業を支援

 新潟市はデジタル技術を活用した新しい製品やサービスの創出を支援しています。今号では、市内産業のさらなる発展に向けた取り組みを紹介します。

問い合わせ 成長産業支援課(電話:025-226-1694)

7月30日に実施した「5G(ファイブジー)体験会」の様子
7月30日に実施した「5G(ファイブジー)体験会」の様子

市内産業のさらなる発展を目指して

※撮影のためマスクを外しています

専門家に聞きました デジタル技術が産業を変える

佐々木 重信さん

新潟大学
工学部 教授
佐々木 重信さん

世界で起こるデジタル変革

 今から約10年前、アメリカで当時最大手だったレンタルビデオ店運営会社が事業を大幅に縮小したことが話題になりました。インターネットの動画配信サービスが普及し、DVDなどの記録媒体がなくても映像作品を楽しめるようになったことが要因といわれています。
 このように、デジタル・情報通信技術の活用が進んだ結果、産業や社会構造が変化することを「デジタルトランスフォーメーション(DX(ディーエックス))」と呼びます。今、世界中のさまざまな産業でDXが起こっています。

デジタル化はリスク管理にも

 DXが進むと多くの場合、サービスを使うまでの手続きが大幅に簡略化します。不特定多数の顧客を相手にする業界では、消費者が簡単に欲しいものを探したり、購入したりできる仕組みがあることは大きなメリットです。
 また、情報をデジタル化することは、災害への備えにもなります。膨大な書類やそれらの保管場所が不要となり、機能不全になるリスクを減らすことができるからです。周辺に大国がある韓国やエストニアはデジタル先進国で、デジタル化を安全保障政策としても進めている状況が伺えます。

関係企業との連携も大切

 DXには産業を発展させる大きな可能性があります。しかし、デジタル化を進めるには多くの費用や労力がかかるため、1つの企業だけでDXに取り組むのは難しい場合があります。関係する取引先などと協力し、グループとして新しい仕組みを検討していくのも有効な手段だと思います。

発注元の手間を減らす共同受注システムの開発

 新たな顧客層の開拓を目指して、新潟市周辺の製造業者11社とIT企業1社が、新しい受注システムの実証実験を行っています。

実証中の共同受注システムのイメージ

システムの開発

株式会社メビウス
デジタルトランスフォーメーション本部 林 雅人さん

林 雅人さん

 当社は、主に大企業が使うITシステムの開発などを手掛けています。新潟の中小製造業が厳しい状況にあると聞いた時、DXに取り組むことで解決できるのではないかと思いました。
 熱処理や表面加工などあらゆる工程が必要な金属加工は、1つの製品の完成までを複数の業者で担うことが多く、工程の組み立てが発注元の大きな負担となっています。ホテルの宿泊予約サイトのように簡単に業者情報の検索や空き状況の確認ができるインターネットサイトがあれば、そこから仕事を頼みやすくなるのではないかと考えました。
 現在、システムの実証を重ねているところです。受注を増やすことはもちろん、蓄積した取引データも活用しながら、今後も新潟の中小製造業の成長をサポートしていきたいです。

金属加工業

有限会社小林製作所
代表取締役社長 小林 直樹さん

小林 直樹さん

 当社は、食品工場や医療現場などで使う精密機器の部品の溶接や加工を行い、国内外に製品を提供しています。近年、日増しに増える事務作業の効率化や、新たな業種への参入を進めていきたいと考えていました。
 受注者である私たちから発注の仕方を提案し、業務改善ができれば、空いた時間で技術開発に注力できます。また、同業他社でも業務の効率化が進めば、互いの強みを生かした新たな協業が生まれるのではないかと期待しています。
 このような取り組みが進めば、当社のような小規模の企業でもデジタル化を進めていくことができると思いました。新潟の製造業全体が発展し、受注が増えるだけでなく、「ものづくり」の魅力に気付く若い人が増えてくれるとうれしいですね。

産学官が連携した技術支援や人材育成

 新潟市はNTTドコモ、新潟大学、新潟コンピュータ専門学校と連携協定を結び、市の発展につながる新たな産業の創出を目指しています。5G(ファイブジー)(次世代高速通信規格)と呼ばれる先進技術の分野で産学官の協力体制を構築し、新たなビジネスの創出やデジタル技術に長けた人材の育成、共同研究などの技術支援に取り組んでいます。

株式会社NTTドコモ

新潟支店長
久保田 敦紀(あつのり)さん

眼鏡型のAR(拡張現実)機器と撮影
眼鏡型のAR(拡張現実)機器と撮影

5Gで可能性が大きく広がる

 5Gは「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」の3つの特徴がある新しい通信規格で、昨年から日本でも普及が進んでいます。当社は平成30年の「にいがた総おどり」の会場で、複数のカメラで撮影した高画質映像を5Gで瞬時に処理・伝送し、あたかも現場にいるようなVR(仮想現実)映像として別の場所で同時配信する実験を成功させました。このように5Gの通信基盤とAI(人工知能)などのソフトウェア技術、VR機器などの周辺機器を組み合わせることで、これまで叶えられなかったことが実現できるようになってきているのです。

新潟の地に次世代産業を

 新潟市には豊かな食と自然、技術力のある企業、デジタル知識に強い学生など多くの魅力や強みがあり、魅力的な次世代産業が発展する可能性があると思います。5Gの実証などを支援していくことで、これからも地域社会の発展に貢献していきたいと考えています。

新潟コンピュータ専門学校

CG・Web(ウェブ)クリエーター科3年
川崎 美紀さん

同校のバーチャルキャラクターと撮影
同校のバーチャルキャラクターと撮影

5G対応の映像を制作

 私は現在、映像制作の技術を学んでいます。昨年10月に中央区万代で行われた5G回線を使った実証実験に参加し、ロボットの遠隔操作や自分たちで制作したVR(仮想現実)映像の動作確認をしました。通信にすごく時間がかかると思った大容量の映像が5Gで次々に処理される光景を目の当たりにして、とても驚きました。実験や授業で5Gに触れるうちに「近い将来、誰もが大容量の映像や仮想空間を日常の中で使いこなす時代が来るかもしれない」という新しい認識が生まれました。

将来は自分で映像ビジネスを

 卒業まであと数カ月ですが、最新の通信設備に恵まれた今の環境で、さまざまな映像制作にチャレンジしていきたいです。ゆくゆくは自分で会社を立ち上げて、新潟の皆さんを楽しませられるような映像作品を作っていきたいと思っています。

DXに取り組む企業を募集

 新潟市は、DXに取り組もうとする企業同士の出会いの場となる「DXプラットフォーム」の会員を募集しています。
※詳しくは同プラットフォームホームページに掲載

DXプラットフォームに加入すると受けられるサービス

  • 新規事業創出プロジェクトへの参加
  • 実証や専門人材活用にかかる経費の補助
  • そのほか、DXを進めるためのさまざまなサービス

市長より

中原八一

 社会のあらゆる分野でデジタル化が進み、新型コロナウイルス感染症の影響で、さらに産業分野でもデジタルの活用が求められています。

 そうした中、新潟市では企業がデジタル技術によって課題の解決や生産性の向上などにつなげられるよう支援しています。企業同士の出会いから生まれるデジタルトランスフォーメーション(DX)や、産学官で連携した先端技術の支援や人材育成、実証環境の整備を進めることで、新しい製品やサービス、ビジネスモデルの創出を促進していきます。これにより、多様で魅力ある雇用の場を生み出し、若年層の人口流出抑制にもつなげていきたいと考えています。

 今後も地域経済の活性化や本市の魅力向上を図り、市内外の人から選ばれる「ビジネスを展開するまち」を目指します。

新潟市長

中原八一 書き文字

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