(5-14)香害に関する情報について職員への周知が不十分である

最終更新日:2023年12月12日

(5-14)香害に関する情報について職員への周知が不十分である

令和5年8月16日苦情申立書受理

申立ての趣旨

香害への対応について、市長への手紙を始めとする行政への質問に対して、市からは「市職員に対し香害の周知を行う」という趣旨の回答が複数回届いているにも拘わらず、職員への周知が不十分であること。

申立ての理由(要約)

私は、2020年秋口から香害や化学物質過敏症の周知と理解、市職員の無香料化を行政に求めており、2020年以降2年半に渡って複数回「市長への手紙」「区長への手紙」を送り、各課に電話や投稿等で香害の周知の訴えを続けている。
当初から障害者差別解消法の合理的配慮として、市職員の無香料化を何度も要望しているが、回答は「規制はできない。職員へ香害周知を進める。」というものばかりであった。
本年も1月〇日に市長への手紙を提出し1月〇日に保健所環境衛生課から「庁内での周知を進めてまいります。」と回答が届いており、直近では、5月〇日投稿の市長への手紙に対し6月〇日に同様の回答が届いている。
しかしながら、6月5日を始めとして7月中旬頃までの間、市の6か所の所属の職員7名と電話などで話す機会があり、「香害」のことについて認識しているかを尋ねるとともに、職場からの周知はあったのかを尋ねると、いずれの職員も「香害についてよく知らない。」「職場からの周知はない。」との返答であった。
このように、私が市職員との対話や経験した複数の事例から、市は、市民に寄り添い対面での対応を業務として行う職員に対し、化学物質による香の有害性や危険性を示す実効性のある正しい知識、情報の周知を怠っている。又は周知に対する実施内容が不十分と思わざるを得ず、これまでの、市長への手紙に対する回答内容と齟齬が生じており、市の対応に誠意が全く感じられない。

所管部署

保健衛生部保健所環境衛生課(以下「所管課」という。)

調査の結果

令和5年12月11日決定
所管課の対応に非があるとは認められない。

調査結果の理由

当審査会では、申立人及び所管課から資料を提出してもらうとともに、双方から聞き取りを行いました。
その結果、以下のような事項が認められました。
1.本件に関する申立人の主張・説明等の概要は、上記「申立ての理由(要約)」記載のとおりでした。加えて、次の趣旨の説明もありました。
(1)本件苦情申立をした後、苦情申立とは関係のない件に関してA区役所に問い合わせの電話をした際、「香害」のことに関する質問をしたところ、応答した担当者は文書がメールで回っており、職場にポスターもあるとの趣旨を話していた。
(2)但し、他の区や部署でも同様の状況に改善されたのか、当該部署もしくはA区役所だけの状況であるのか等は不明。
2.所管課の説明等は次のとおりでした。
(1)申立人から、香害について周知してほしい、職員の無香料化を進めてほしいとの申立て等を受け、これまで次のような対応をしてきた。
(ア)令和3年秋頃、市のホームページのうち化学物質過敏症・シックハウスのページに、関連事項として「香害について」を掲載した。
(イ)令和3年度の冬頃、住みよい郷土推進協議会の機関誌(会報)に香害に関する内容を掲載して、自治会等へ回覧した。
(ウ)令和5年3月8日、市職員専用のポータルサイトの掲示板機能を利用して、全庁に向けて香害を周知した。
(エ)令和5年7月3日、消費者庁を含む5省庁が作成したポスターを、各区役所庁舎、図書館等に送付し、施設への掲示を依頼した。
(オ)所管課ではなく他部署(消費生活センター)ではあるが、令和5年8月15日、ホームページに上記ポスターを周知する内容を掲載した。
(2)なお、本苦情申立がされた後に、新たな対応等はしていない。
(3)本苦情申立がなされた経緯に鑑み、香害に関する十分な周知ができていたとは考えていない。消費生活センター等とも連携して周知方法を検討したい。
以上のとおりの事項が認められるところ、現状では、残念ながら市職員の香害に関する認知は十分とは言えないと考えられます。
しかしながら、所管課として、周知のために相応の対応をしていることは認められます。且つ、規制行政の立場である所管課としては、職員が必ず認知するような強制的な周知を行うことは不可能であると考えられるところです。
以上の点を考慮すると、所管課の対応に非があるとまでは言えないと考えます。
但し、残念ながら、所管課による周知によって、職員が香害に関して十分に認知しているとは言えない状況にあることは間違いありません。所管課は、これまでも、市職員専用のポータルサイトの掲示板機能を利用する等して周知を試みてきたとのことですが、電子掲示板には、多種多様かつ数多くの情報が掲載されるとのことから、全ての職員が全ての掲示情報を確認することは難しく、従前の方法では、残念ながら十分な効果が得られないということになります。そこで、例えば、各所属長に対して、香害に関する情報を所属職員へ周知することを依頼する等、より実効性の高い方法も検討したうえ、引き続き、適切に対応することを希望します。

このページの作成担当

市民生活部 広聴相談課

〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1(市役所本館1階)
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