にいがた共育通信 令和5年度 第112号

最終更新日:2023年6月28日

特集「新潟市立幼稚園の教育」

新潟市が取り組む幼児教育と、市立幼稚園の実践について紹介します。

幼児期の教育

幼児期の教育は「教育基本法」において、「生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの」とされています。
その後の義務教育、高等学校教育までを見通して、生活や学習に必要となる資質・能力が育まれるよう、幼稚園教育においては右の図のように、

  • 知識及び技能の基礎
  • 思考力、判断力、表現力等の基礎
  • 学びに向かう力、人間性等

といった資質・能力を幼稚園の活動全体を通して一体的に育むことを進めています。

また、小学校以上の先生方や、地域、家庭等との連携をしやすくするため、幼稚園・保育園・認定こども園といった施設の違いを超えて、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確にしています。

小学校学習指導要領においても、幼児期の学びから小学校教育への移行が円滑に行われるよう、各教科等の指導において、この「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」との関連を考慮することが求められています。

新潟市立幼稚園の教育

新潟市立幼稚園では、子どもたちの自発的な活動としての遊びを生み出す環境を整え、一人一人の「資質・能力の基礎」を一体的に育むために、次の3つの視点を大切にしながら日々の保育を展開しています。

  • 園児一人一人の可能性を引き出す保育

園児一人一人の可能性を引き出すためには、一人一人の子どもたちを「かけがえのない存在」として受け止めることが大切です。

保育者は、園児一人一人を受け止めながら、自己発揮を促します。そうすることで、園児の「○○したい」「○○するとどうなるかな」という思いが生み出され、園児は周りの環境に働きかけながら「学びに向かう力」を身につけていきます。

  • 子どもの思いを起点にした遊び込む保育

園児が遊びに夢中になると、自分の思いを身の回りの材料や道具を使って具現しようとします。

遊びの中で、自分の思いを具現し、その過程でいろいろな友達と関わり合いながら「知識及び技能の基礎」や「思考力、判断力、表現力等の基礎」を培っていきます。

  • 多様な人と関わり合う保育

さらに、新潟市立幼稚園では、小学校との連携を積極的に進めています。

行事による交流や普段の何気ない交流にも取り組んでいます。

最近は、近隣の保育園や認定こども園の子どもたちとの交流にも取り組んでおり、多様な人と関わり合いながら保育を展開しています。

園児一人一人の可能性を引き出す保育

園児一人一人が自分らしく園生活を送るためには、まずは保育者にあるがままを優しく受け止めてもらうことが大切です。
保育者は、一人一人の園児の思いを受け止めながら、子どもたちの心の安定を図っていきます。そうすることで、その子が持っている豊かな可能性を引き出します。

具体例

保育者の願い
「秋になって枯れ葉がたくさん落ちている。子どもたちに枯れ葉で遊ぶことを通して、からだ全体で秋を感じてほしいな。ここに連れて行けば、枯れ葉を積んだり、枯れ葉の山に潜ったりして遊びたくなるだろう。」

保育者「葉っぱのお山ができたよ!どれくらい大きくなったかな?」
園児1「みんなで集めたらお山になったよ!」
園児2「6人でつなぐとかこめたよ!」
園児3「もっと葉っぱを集めて、大きなお山にしたいなぁ。」

子どもの思いを起点にした遊び込む保育

保育者が子どもたちの思いを読み取り、次の遊びの展開までに「何を」「どこに」「いくつ」配置するかを考え、場を設定します。
これは、子どもたちが「遊び」として自らやりたいことを発見することで、子どもたちの「やりたい」「もっとしたい」を引き出し、遊びに没頭することを促すためです。
そこから子どもたちは「○○するためにはどうすればいいのかな」と自分なりに考え、友達と力を合わせながら、納得がいくまで遊び込みます。

具体例

保育者の願い
「子どもたちは、水を遠くまで流すためには高低差が必要であることに気付き始めているな。高さを出したいと思ったときに、試すことができるよう、ケースを一つ見えるところに置いておこう。」

園児1「いいもの見つけたよ!」
園児2「こっちまで流れてこないよ。もっと高くしないと!」
園児3「倉庫からもう一つ持ってこよう!」
園児4「もっと高くしなきゃ。バケツも重ねる?」
園児5「この重ね方だと水が落ちちゃうよ。」
園児6「みんなで下からつなげよう!」

多様な人と関わり合う保育

同じ年齢の友達だけでなく、自分よりも年上の友達や年下の友達、また小学生や中学生、地域の方々とも関わり合います。
このような関わりを通して、子どもたちは様々な人と触れ合う楽しさを味わい、身近な人々に親しみを深めながら、人と関わることに喜びを感じる心を育みます。

具体例

保育者の願い
「最近は、年長組の子どもたちが『ばら組』(年中組)の子どもたちと遊ぶ場面も増えてきたから、年長組のみんなで段ボール船をつくれば、『ばら組』の子たちも誘って一緒に遊べるだろうな。」

園児1「船に乗ってどこに行く?」
園児たち「海!」「山!」「空!」「宇宙!」
保育者「他に乗せてあげたい人はいるかな?」
園児2「『ばら組』さんも乗せてあげようよ!」
園児3「賛成!『ばら組』さんはどこに行きたいかな?聞いてみよう!」

市立幼稚園の活動紹介動画をご覧ください

新潟市立幼稚園の活動の様子は、YouTubeの新潟シティチャンネルでもご覧いただけます。

新潟市立幼稚園一覧

各幼稚園の概要や取り組みについては、各園のホームページをご覧ください。

令和5年度新潟市立幼稚園紹介ポスター

お問い合わせ先

新潟市教育委員会 教育総務課 教育政策室
電話:025‐226-3178

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