Noism(ノイズム)の活動評価はこうして進めた

最終更新日:2022年2月22日

Noism(ノイズム)の活動評価はこうして進めた

客観的な評価

 りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)のレジデンシャル・ダンス・カンパニー「Noism Company Niigata(ノイズム・カンパニー・ニイガタ)」(以下、Noism)は、国内初の公立劇場専属舞踊団として平成16年に設立されました。劇場専属舞踊団としては現在でも国内唯一の存在です。Noismには国内外から高い志を持った若手ダンサーが集まり、質の高い舞台芸術を提供し、新潟のファンのみならず、国内外での公演を通して多くの方々から高い評価を得ています。
 一方で市民の中にはNoismの活動内容に批判的な声があることもお聴きしていました。私は国内外で評価を受けているにもかかわらず、市民からの認知度が低いということは、活動が正しく伝わっていないのではないか、市の関わり方などに問題があるのではないかと考えていました。
 私が市長に就任した時には次の3年間の活動期間の更新が目前に迫っていたため、まずはNoismの15年間の活動を検証したうえで更新するべきと考えました。そこで暫定的に活動期間を1年間延長し、令和元年6月に「劇場専属舞踊団検証会議」を設置しました。専門家からNoismを客観的に評価してもらうことが重要と考えたからです。
 Noismの活動の成果と課題について評価・検証を行い、その結果専門家の皆さんからは作品の芸術性の高さやダンサーの高い能力が評価されている一方、市内における舞踊の普及・育成といった地域貢献活動の不足や、国内他館との連携不足などが指摘されました。
 これらの課題解決に向けた改善項目についてもNoism側から快く受け入れていただくことができたことから、令和元年9月から2年間活動期間を延長することになりました。
 令和元年9月以降の2シーズンは、コロナ禍という制約も加わった中でしたが、新たな市民還元活動を始めるなど、Noismはこれまで課題とされてきた地域貢献活動などにしっかりと取り組んでくれており、市民の皆さんからの認知度も向上しつつあります。


令和3年7月公演『春の祭典』(Photo: Kishin Shinoyama)

レジデンシャル制度の明確化

 りゅーとぴあのレジデンシャル制度は、新潟市芸術文化振興財団と専属契約を結んだアーティストが本市に居住しながら、りゅーとぴあを拠点に創造活動を行い、創り出された芸術作品をりゅーとぴあや国内外で公演することで、市民の文化芸術活動の振興につなげることを目的として平成16年に始まりました。
 公立劇場におけるレジデンシャル制度は国内初の取り組みであったことから、これまで一般的な定義も明文化もされていませんでした。そのことで市とレジデンシャル制度を運用する財団との役割分担が不明確であるなど様々な課題がありました。
 令和元年の「劇場専属舞踊団検証会議」でも、有識者からNoismの活動の根拠となる「レジデンシャルの仕組みそのものの見直し」も必要とのご意見をいただいていました。まずはレジデンシャル制度の課題を洗い出し、制度を再構築したうえで活動するアーティストと契約するべきと考え、令和3年7月に県内外の有識者による「レジデンシャル制度に関する有識者会議」を設置し検証を進めました。
 検証結果を踏まえ、制度の活動目標や基本方針、本市と財団の役割分担といったレジデンシャル制度の定義づけを改めて行ったうえで、これまで明確に定めていなかった活動期間についても、芸術監督の任期と上限年数を定めることとしました。さらに、カンパニーの活動評価方法についても明らかになるよう見直したことで、本市の文化政策として効果的に実施されているか客観的に確認できるようになりました。
 本市のレジデンシャル制度は全国的にも先進的な取り組みです。そして、Noismの芸術活動も国内外から高い評価を得ています。市民の皆さんから本市が誇る文化芸術の取り組みをご理解いただきたいと思っています。今後も、この制度や芸術活動が持続的に発展、成熟することで、国内他都市の劇場にもいい影響を与えてくれることを願っています。

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