なぜ集中改革が必要だったのか

最終更新日:2022年2月22日

なぜ集中改革が必要だったのか

集中改革への取組み

 本市は平成の大合併によって15市町村が一つになったことで、公共施設数や職員数が多くなったことに加え、合併建設計画の着実な推進などの財政需要の増加に耐えられるだけの財政基盤となっていませんでした。
 私が市長に就任した当時、市の財政は極めて厳しい状況でした。基金に頼った財政運営を続けてきたことで、基金の残高は政令市に移行した時と比べると約10分の1の33億円にまで激減し、多くの市民の皆さまからもご心配の声をいただいていました。

 私は市長就任後、「未来に向かって活力ある新潟市を実現し、安定した市民サービスを提供する」ためには、行財政改革は最優先課題であると考え、集中改革に全力で取り組むこととしました。
 まず平成31年4月から副市長を1名削減し、3名から2名体制にしました。その後、令和元年度からの3年間を集中改革期間として、具体的な項目をまとめた「集中改革プラン」を策定・公表し、スピード感を持って確実に改革に取り組んでいくために「集中改革推進課」を新設しました。また市長として改革の姿勢を示すため、令和2年1月から私の市長給与を2割、副市長給与を1割削減しました。


公共施設再編に関するワークショップの様子

 集中改革を推進するためには大きな柱の1つとして事務事業の見直しが欠かせません。見直しにあたっては、単に事業費の精査にとどめず、「社会経済情勢の変化や市の財政状況などを踏まえた事業となっているか」「すでに事業の役割や効果が低下していないのか」など、事業のあり方を根本から見直すべきと考えました。
 また休止や廃止を含む事業の見直しによって、影響を受ける市民の皆さまから、見直しの根拠などを納得していただけるよう、丁寧に説明するようあわせて職員に指示しました。

 この3年間、市民の皆さまのご理解とご協力をいただきながら、多くの事業の改革に取り組むことができ、効果額は58.1億円となりました。改革効果はこども医療費の対象年齢拡充など子育て施策の充実をはじめ、企業誘致の推進や園芸産地の拡大、大きな転換期を迎える都心エリアのまちづくりなど市政の重要課題に活用してきました。さらに5年間連続で基金に頼らない収支均衡した当初予算を組むことができています。
 また基金については、集中改革の効果のほか旧小針野球場や市役所旧白山浦庁舎などの不動産売却益を加え、平成29年度の33億円から令和3年度末時点で基金残高は約107億円となるなど本市の財政健全化への道筋がつけられつつあります。


公共施設再編に関するパネル展示

引き続きの改革:公共施設の再編

 今後も更なる財政健全化を進め、持続可能な財政を築くためには、本市の持つ財産である公共施設の再編は避けて通ることのできない重要な課題です。
 本市は合併によって市民一人当たりの公共施設(公営住宅を除く)の面積が政令市の中で最も多くなっており、その維持管理に多額の費用を必要としています。さらにその多くが老朽化により更新時期が迫っていますが、全ての施設を現状のまま更新することは難しい状況です。本格化する人口減少社会や今後必要な更新費用を考えると、将来世代に過度な負担とならないよう今から着手しなければなりません。

 財産経営推進計画に基づき地域別実行計画の策定を進めてきましたが、平成27年度からの5年間で策定を完了したのは全55地域のうち5地域のみで、1地域あたり約1年の期間を要していました。今後もこのスピードのまま進むと残り50地域の地域別実行計画の策定に50年かかってしまいます。その他にも取り組みが進んでいる地域とそうでない地域の公平性や、全市を代表するスポーツ施設や文化施設などサービス利用圏域が広い施設の検討が進んでいない課題もありました。公共施設の再編をより迅速化させ、減少する人口規模に見合った施設数にしなければ、増え続ける維持管理や更新の費用は将来世代に過度な負担となってしまいます。
 そのため、専門家のご意見を取り入れながら財産経営推進計画を見直すよう指示し、令和2年5月に「財産経営推進計画に関する有識者会議」を設置しました。会議での「市民により分かりやすい計画とするべき」等の専門家のご意見を踏まえ、「サービス機能をできる限り維持しながら、総量を削減する」という基本方針は堅持しつつ、施設機能の重複などを考慮し再編案を作成しました。また数値目標を設定するなど実効性の高い計画とし、今後10年間で30地域の地域別実行計画策定を目指し、各地域の施設や市・区単位など利用圏域の広い施設の再編を段階的に進めていくこととしました。

 今後、改定した財産経営推進計画をもとに、地域の皆さまと丁寧な対話を重ねながら、次世代の市民が安心・安全に利用できる施設となるよう最適化を進めていきます。

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