ウエルシュ菌食中毒について

最終更新日:2020年7月21日

 ウエルシュ菌は、人や動物の大腸内常在菌であり、下水、河川、海、耕地などの土壌等に広く分布しています。人の感染症としては食中毒のほかにもガス壊疽、壊死性腸炎、化膿性感染症、敗血症等を引き起こす菌としても知られています。

特 徴

 ウエルシュ菌が大量に増殖した食品を喫食することにより、腸管内で毒素(エンテロトキシン)を産生し、食中毒を引き起こします。ウエルシュ菌は、酸素のないところを好み、増殖に適さない状態になると外部環境に抵抗性の強い芽胞を形成します。芽胞は、100℃、1~6時間の加熱にも耐えるといわれており、加熱した食品の温度が下がると芽胞から発芽して再度増殖を始めます。
 過去の事例では、大量に調理加熱調理された後、そのまま数時間から一晩室温に放置されていた食品が原因となっている事例が多く見受けられます。カレーなどは鍋底付近になるほど酸素が少なく、ウエルシュ菌が増えやすい環境となります。増殖速度も速いため、加熱調理食品が徐々に温度が下がっていく過程で急速に増殖します。
 また、大量調理した食品が原因となり、1事例当たりの患者数が多く、しばしば大規模発生することも特徴の一つとなっています。

症 状

 潜伏期間は通常6~18時間(平均10時間)で、下痢と腹痛などの症状を示します。喫食後24時間を超えて発病することはほとんどありません。
 症状は一般的に軽度で嘔吐や発熱などの症状は稀であり、1~2日で回復します。

原因食品

 多種多様な煮込み料理(カレー、煮物、チャーシュー)、肉団子、スープなど

予防対策

 清潔な調理を心がけ、調理後すぐに喫食するのが食中毒予防の大原則となります。調理後の食品を保存する場合には、加熱調理後、温度が下がりやすいよう小分けにし、急速に冷却して低温(10℃以下)保存するか、または加温したまま55℃以上の温度を保つようにしてください。前日調理、室温放置は避けてください。
 また、ウエルシュ菌は酸素を嫌うため、再加熱する際は鍋の底からかき回し、よく混ぜながら加熱してください。

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