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市報にいがた 令和元年10月6日 2704号 1面から3面

最終更新日:2019年10月6日

フレイル予防で ずっと元気に

フレイル予防で ずっと元気に
亀田総合体育館の「いきいきフィットネス」の様子。参加者はスクワットや腕立て伏せ、バランスボールを使った運動に取り組んでいました。

元気に自立して生活ができる期間である「健康寿命」と「平均寿命」には男性で約9年、女性で約12年の差があるといわれています。この差を縮めるためには「フレイル予防」に取り組むことが大切です。
今号では「フレイル」について特集します。

問い合わせ 地域包括ケア推進課(電話:025-226-1281)

中原八一

 超高齢社会を背景に、本市では誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域での居場所づくりや助け合いの仕組みづくりのほか、健康寿命の延伸に向けた取り組みを進めています。
 加齢により心身の活力が低下した状態を「フレイル」といい、健康な状態からフレイルを経て要介護状態になるといわれています。
 本市は、フレイル予防について先進的な取り組みを全国に広めている東京大学高齢社会総合研究機構と、今年4月に連携協定を締結しました。今後、同機構が開発したフレイルチェックの仕組みを活用して高齢者のフレイル予防に取り組みます。
 今年度は中央区でフレイルチェックのモデル実施を進めています。モデル実施の結果を基に改良を重ね、全市展開を図っていきたいと考えています。
 さらなる高齢化の進展を見据え、健康寿命の延伸を図る取り組みを進め、笑顔あふれる新潟の実現を市民の皆さんと目指してまいります。

新潟市長

中原八一 書き文字

フレイルの研究者に聞きました

飯島勝矢さん

飯島 勝矢(いいじま かつや)さん
東京大学高齢社会総合研究機構教授
※同機構と本市は今年4月にフレイル予防に連携して取り組もうと協定を締結
※図1から図4の出典:同機構

フレイルとは

 加齢により心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態をフレイルといいます。多くの人が健康な状態からこのフレイルの段階を経て、要介護状態になると考えられています。

図1

図1

 フレイルの兆候に早く気付き生活習慣を見直すことで、健康な状態に戻したり要介護になる時期を遅らせたりすることが可能です。
 元気に活動できる期間である「健康寿命」と「平均寿命」の差を縮めるためにフレイル予防に取り組むことが重要です。

予防と改善のポイント

 フレイル予防のポイントは「栄養(食・口腔)」「運動」「社会参加(人とのつながり)」の3つです。

図2

図2

 誰もが年を取ると筋肉が衰えていきます。筋肉が衰えて必要なエネルギーが減ると、食事の摂取量も減少します。
 その結果低栄養となり、さらなる筋肉の衰えを招き転倒・骨折のリスクが高まるほか、出歩くこともおっくうになり家にこもりがちに。人とのつながりが希薄になることで精神的にも悪影響があり、認知機能の低下にもつながります。このような悪循環がフレイルを進行させてしまいます。

栄養をしっかりと

 筋肉量を保つことが重要です。筋肉のもとになるタンパク質を多く含む肉・魚・大豆料理、骨を強くする牛乳・乳製品を意識的に多く取りましょう。
 友人や家族とコミュニケーションが取れる共食(誰かと一緒に食事をすること)をすると、食欲が高まり、多様な食品を食べて栄養状態がよくなることにつながります。
 栄養をしっかり取るために、かむ力を維持することも重要です。歯ごたえのある物を食べるように心掛けましょう。

運動を意識する

 出掛けるときに姿勢を正して少し早く歩くなど、いつもの動きに「運動」を意識して、普段より10分多く体を動かすようにしましょう。日頃から体を動かすことで、生活習慣病や認知症などのリスクを下げることができます。

社会参加を大切に

 定年退職など、社会とのつながりを失うことがきっかけでフレイルになることが分かってきました。栄養や運動に気を付けて生活していても、社会(人)とのつながりを持たないと心身のさまざまな機能がドミノ倒しのように弱っていく傾向にあります。

図3

図3

~社会とのつながりを失うことがフレイルの最初の入り口です~

図4

フレイルチェックをしてみましょう

指輪っかテスト

「イレブン・チェック」 回答欄
栄養食・口腔 Q1 ほぼ同じ年齢の同性と比較して健康に気を付けた食事を心掛けていますか はい いいえ
Q2 野菜料理と主菜(肉や魚)を両方とも毎日2回以上は食べていますか はい いいえ
Q3 「さきイカ」「たくあん」くらいの固さの食品を普通にかみ切れますか はい いいえ
Q4 お茶や汁物でむせることがありますか いいえ はい
運動 Q5 1回30分以上の汗をかく運動を週2回以上、1年以上実施していますか はい いいえ
Q6 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか はい いいえ
Q7 ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか はい いいえ
社会参加 Q8 昨年と比べて外出の回数が減っていますか いいえ はい
Q9 1日1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか はい いいえ
Q10 自分が活気にあふれていると思いますか はい いいえ
Q11 何よりもまず、物忘れが気になりますか いいえ はい

回答欄の右側に該当すると要注意!

フレイル予防に挑戦

フレイルチェックで要注意だったところの改善に向けて、自宅や地域で早速フレイル予防に取り組みませんか。

栄養

レンジでチン!で魚料理に挑戦 鮭(さけ)のごま味噌(みそ)ソース

鮭のごま味噌ソース

1人分栄養量 エネルギー 184キロカロリー
たんぱく質 19.0グラム
脂質 5.8グラム
炭水化物 13.0グラム
食塩 0.7グラム

材料(4人分)

  • 生サケ 4切れ(1切れ70グラム)
  • 生シイタケ 4枚(石づきをとって40グラム)
  • エリンギ 2本(100グラム)
  • ジャガイモ 中1個(100グラム)
  • 白すりごま 大さじ2
  • A

・酒 大さじ3
・白みそ 大さじ2
・砂糖 小さじ2

 筋肉の維持に必要なタンパク質を、電子レンジを使った手間を掛けない料理で取ることができます。

問い合わせ 健康増進課(電話:025-212-8166)

  1. 生サケに少量の酒(分量外)を振り、臭みを取る。
  2. 生シイタケは4等分から6等分に切る。エリンギは食べやすい大きさに割く。ジャガイモは皮をむき、半分に切って2ミリメートル程度の半月切りにする。
  3. 耐熱皿の端に1.を並べ、中央に2.を置く(ジャガイモは重ならないようにする)。
  4. Aを混ぜ合わせて3.に掛け、軽くラップをして電子レンジ(500ワット)で約5分加熱する(材料の大きさなどで差があるため、加熱具合を見ながら適宜調節する)。
  5. 4.を器に盛り、耐熱皿に残った汁に白すりごまを加えて掛ける。

むせが気になる人 お口の体操を

 物を飲み込むための筋力が低下しているかもしれません。
パタカラ体操「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」「パタカラ、パタカラ、パタカラ・・・」と続けて発音します(5回)
※できるだけ大きな声を出しながら行いましょう
早口言葉「赤巻き紙、青巻き紙、黄巻き紙」「この竹垣に竹立て掛けたのは竹立て掛けたかったから竹立て掛けた」
※好みのフレーズで試しましょう

栄養×社会参加

刈屋静男さん
西区 刈屋 静男さん(67歳)

 小針青山公民館で開催している男性料理教室に3年ほど前から参加しています。初めは包丁の使い方も分からなかったのですが、今では習った料理を家でも作るようになりました。家族も喜んでくれています。

男性料理教室の様子

運動

下半身の筋力維持がとても大切 スクワットに挑戦!!

  1. 立った状態で足を肩幅くらいに広げ、お尻をゆっくり後ろに下ろす。このとき、背中が曲がったりかかとが浮いたりしないように注意。
  2. 太ももに力が入っていることを感じながら、お尻をゆっくりと元に戻す。 ※10回が目安

スクワット

 スクワットなど家でできる運動をまとめた「体しゃっきり体操」のDVDを貸し出しています。団体は区役所健康福祉課で、個人は市内図書館(AV資料取り扱い館のみ)で借りられます。

問い合わせ 地域包括ケア推進課

体しゃっきり体操

スマートフォンなどから動画でも確認できます。

新潟シティチャンネル 体しゃっきり体操 検索

運動×社会参加

大竹五子さん
江南区 大竹 五子さん(73歳)

 15年ほど前から卓球やエアロビクスなど、体育館のさまざまな運動教室に参加しています。脳トレの教室もあって頭にも良い刺激になっています。教室で知り合った人とカラオケや旅行にも行っています。運動教室は仲間づくりにもとてもおすすめですね。

運動教室の様子

社会参加(人とのつながり)

サークル活動や仕事に挑戦

 自分の培った経験を生かせるものや興味があるもので、社会・人とのつながりを持ちませんか。

サークル活動や講座・運動など 近くの公民館や体育施設へ
シルバー人材センター(仕事) 原則60歳以上の人が会員になれます。入会希望者はまずは電話で問い合わせてください。
問い合わせ 同センター(電話:025-241-3541)
※上記の活動のほか、ボランティアの募集など社会参加につながるさまざまな活動は「市報にいがた」「区役所だより」でも随時紹介しています。

社会参加

岡正美さん
北区 岡 正美さん(71歳)

 退職後、自治会で「うちの茶の間」(地域の交流の場)を新設したり、「防犯見守り活動」などを始めたりしました。中央区でモデル実施中のフレイルチェックにサポーターとして参加しています。周囲の人に感謝されることが生きがいになっています。皆さんも、やってみたいことに半歩でもいいので踏み出しませんか。その半歩から新たなつながりが広がると思います。

フレイルチェックの様子

編集後記~取材を終えて

 今回の取材を通じて、サークル活動などに参加している皆さんはとても生き生きしていると感じました。
 フレイルチェックは自宅で簡単にできます。結果が良くなかったところを意識して、早速フレイル予防に挑戦してみませんか。

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