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市報にいがた 平成31年3月3日 2690号 1面から3面

最終更新日:2019年3月3日

生涯の健康は口(くち)の健康から

写真右上:幸齢(こうれい)ますます元気教室で、お口の体操(顔の運動)を行っている様子(お口の体操については3面に掲載) 写真左下:1歳誕生歯科健診の様子
写真右上:幸齢(こうれい)ますます元気教室で、お口の体操(顔の運動)を行っている様子(お口の体操については3面に掲載)
写真左下:1歳誕生歯科健診の様子

 口の健康と体の健康は大きな関係があります。心身ともに健やかに暮らせるよう、きょうから口の健康づくりに取り組みましょう。

問い合わせ 健康増進課(電話:025-212-8157)

“人生100年時代”を健康な口で生き生きと

中原八一

 「食べる」「話す」「笑う」など、生活する上での楽しみには、口と関係するものがたくさんあります。高齢化が進む中、生涯にわたり口の健康を保ち、楽しみのある生活を続けていくことはますます大切になります。
 本市では、平成5年に「生涯歯科保健計画」を全国に先駆けて策定し、口の健康を保つための取り組みを進めてきました。また、昨年12月には歯科口腔(こうくう)保健推進条例を施行し、生涯にわたり切れ目のない歯科保健サービスを受けられる環境づくりを、さらに進めていくこととしました。今後も、市民の皆さんが心身ともに健康で長生きできる「ずっと安心して暮らせる健幸(けんこう)都市」を目指していきます。
 健康づくりの正しい知識を身に付け、市が実施する健診などを積極的に活用し、「人生100年時代」を生き生きと暮らしていきましょう。

新潟市長

中原八一 書き文字

なぜ口の健康が大切なのか

平澤貴典さん
ひらさわ歯科医院
平澤貴典 さん
(市歯科医師会理事)

 口腔内の病気には「虫歯」と「歯周病」があります。
 口の中の虫歯菌が作る酸により歯のカルシウムが溶かされ、穴が開いてしまうのが虫歯です。食べ物などに含まれる糖質が分解され酸となるため、甘い物をよく食べる人は虫歯になりやすくなります。
 歯周病は歯茎(はぐき)や歯を支える骨などが破壊される病気です。歯と歯茎の隙間の歯周ポケットで増殖する歯周病菌が出す毒素が原因で、歯茎に腫(は)れや出血が起きます。症状が進行すると、歯を支える骨が溶け、歯が抜けてしまいます。

健康な歯と歯周病の歯

口の病気と全身の関係

 虫歯と歯周病は全身の健康にも影響しています。歯を失うことで食べられる物が限られて低栄養になったり、咀嚼(そしゃく)ができなくなって脳への刺激が少なくなることで認知症の悪化などにつながったりします。また、歯周病にかかると歯周病菌が出す毒素が血管を通って全身に巡ることで、心筋梗塞(こうそく)・脳梗塞などの大きな病気の発症や進行のリスクが高まります。
 特に気を付けたいのが糖尿病との関係です。歯周病菌は血糖値をコントロールするインスリンの働きを弱め、糖尿病を発症・悪化させやすくします。糖尿病は体の免疫を弱めて歯周病を悪化させるため、歯周病と糖尿病が互いに症状を悪化させる悪循環に陥ってしまいます。
 歯周病は口腔ケアを怠っていると20歳代など若くてもかかるので油断しないようにしましょう。

歯周病と糖尿病の関係

虫歯予防にはフッ化物の利用を

 虫歯予防には歯磨きをすることと合わせて、歯自体を丈夫にすることも大切です。歯を丈夫にするにはフッ化物の利用が効果的です。フッ化物は歯の表面のエナメル質を強化して、虫歯になりにくくします。新潟大学が2003年に実施した、フッ化物洗口(せんこう)(フッ化物を含んだ水でブクブクうがいをすること)経験別の虫歯の本数調査によると、中学校卒業までフッ化物洗口を経験したことがない人に比べ、フッ化物洗口を継続的に利用していた人は成人期の虫歯本数が少ないという結果が出ています。
 フッ化物の利用には歯磨きをするときにフッ化物を含んだ歯磨き剤を使う方法もあります。フッ化物を利用して虫歯に負けない歯をつくりましょう。
※詳しくは2面「ライフステージごとのチェックポイント(幼少期)」、3面「セルフケア3つのポイント」に掲載

フッ化物洗口利用の有無による成人期の虫歯本数(平均)

フッ化物洗口利用の有無による成人期の虫歯本数

出典:葭原(よしはら)明弘ほか(2004)「フッ化物洗口によるう蝕(しょく)予防効果の成人期における追跡調査」,『口腔衛生学会雑誌』54,P314

歯周病が体に及ぼす影響

歯周病が体に及ぼす影響

ライフステージごとのチェックポイント

幼少期

 子どもの生え始めの歯は弱く、虫歯予防が特に大切です。虫歯の主な原因は「虫歯菌」「甘味食品・飲料」「歯の弱さ」の3つです。
 小さい子どもは自分だけでは磨き残しが出やすいので、10歳頃までは保護者が仕上げ磨きをしましょう。
 甘味食品・飲料は、飲食する頻度・時間が多くなるにつれて、虫歯になりやすくなるといわれています。おやつは1日2回以下に抑え、時間を決めて取るようにしましょう。
 歯を強くするためにフッ化物を利用しましょう。自分でうがいができない3歳頃までは、歯科医院で定期的にフッ化物を塗ってもらいましょう。うがいができるようになる4歳頃からは、フッ化物を含んだ水でぶくぶくうがいをする習慣を付けましょう。うがいをするためのフッ化物洗口液は歯科医療機関や薬局で購入できます。

虫歯発症の要因

シーラントで奥歯を守ろう

イラスト

 シーラントは、生え始めの永久歯の奥歯の溝を薄いプラスチックで埋める虫歯予防法です。奥歯の溝は複雑な形をしていて歯ブラシの毛先が届かず歯垢(しこう)がたまりやすいので、シーラントで虫歯を防ぎましょう。

成人期

 20歳以上の約8割が歯周病にかかっているといわれています。定期的に歯科健診を受け、虫歯や歯周病がないかを診てもらいましょう。

歯周病チェック

歯周病チェック

成人歯科健診もいっ得(とく)?

 市では40歳・50歳・60歳・70歳の人を対象に成人歯科健診を実施しています。平成30年度の対象者には昨年4月に受診券(はがき)を発送しています。委託医療機関に受診券を持参することで、500円(70歳は無料)で歯科健診を受診することができます(要予約)。受診期限は3月31日です。まだ受診していない人はぜひ受診してください。

問い合わせ 区役所健康福祉課

高齢期

 物を噛(か)む力や飲み込む力が弱くなると、飲食物や唾液(だえき)などが気道に誤って入ることで起こる肺炎(誤嚥(ごえん)性肺炎)のリスクが高まります。肺炎は日本人の死亡原因第3位。症状が重症化しやすい高齢者は特に注意が必要です。

オーラルフレイルに注意
 フレイルとは、加齢などにより心身の健康が低下した状態をいいます。フレイルの症状の中でも比較的早い段階で起きるものがオーラルフレイル(口の機能の低下)です。オーラルフレイルを放っておくと、食べられる物に偏りができ栄養バランスが乱れるため、そのほかのフレイルを進行させる原因になります。
 健康寿命の延伸にはオーラルフレイルを予防することが大切です。

オーラルフレイルチェック

お口の体操でオーラルフレイルを予防しよう

顔の運動

顔の運動

  1. 口をとがらせて「ウー」
  2. 口を横に広げて「イー」
  3. 上を向いて口を横に広げて「イー」

唾液腺(だえきせん)マッサージ

唾液腺マッサージ

両手を頬に当て、ゆっくり円を描くようにマッサージ
前回し→後ろ回し

舌の運動

舌の運動

  1. 舌を前に出して左右に動かす
  2. 唇をゆっくりなめる

セルフケアとプロフェッショナルケア ポイントをチェック!

健康増進課 平野(歯科衛生士)
健康増進課 平野(歯科衛生士)

 歯科疾患の原因となる歯垢(しこう)や歯石は、自分で行うセルフケアで全てを取り除くことは難しいです。そのため、歯科医師などによる専門的なケア(プロフェッショナルケア)を定期的に受けることも大切です。セルフケアとプロフェッショナルケアの両方を行いましょう。

セルフケア 3つのポイント

その1 歯間部清掃用具(デンタルフロス、歯間ブラシなど)を使おう
 歯ブラシのみで取れる歯と歯の間の歯垢の割合は約6割です。一方、歯間部清掃用具を併用すると約9割の歯垢を取ることができます。

歯と歯の間の歯垢除去率

歯と歯の間の歯垢除去率

その2 フッ化物を含む歯磨き剤を使おう
 フッ化物は歯磨き剤の成分表に「フッ化ナトリウム」または「モノフルオロリン酸ナトリウム」と書かれています。この成分を含む歯磨き剤を日頃から使うことで、虫歯になりにくい歯をつくることができます。歯磨き剤を使った後は15ミリリットル(大さじ1杯程度)の水で5秒間程度のブクブクうがいを1回するだけにし、フッ化物が口の中に残るようにしましょう。また、歯磨き後に1時間程度飲食を控えることで、フッ化物の効果を大きくすることができます。

その3 歯ブラシは小刻みに動かす
 歯ブラシはペンを持つように軽く握り、毛先が広がらない程度の軽い力で磨きましょう。一度に磨く範囲は1本から2本を目安とし、小刻みに20回程度磨くようにしましょう。磨き残しや一部だけの磨き過ぎを防ぐため、磨く順番を決めましょう。
 また、毛先が広がった歯ブラシでは歯垢を取り除くことができません。歯ブラシの毛先が広がってきたら新しいものに交換しましょう。

イラスト
歯ブラシを後ろから見て、柄から毛先が見えていたら交換時期です

プロフェッショナルケア 3つのポイント

その1 かかりつけ歯科医師をもち、定期的に歯科健診を受けよう
 虫歯や歯周病は自覚症状が少ないため自分では気付きにくく、風邪とは違い自然に治らないため、知らない間に症状が進行し歯の寿命を短くします。痛みがなくても1年に1回は歯科健診を受け、虫歯・歯周病がないか確認し、口の健康を保ちましょう。

その2 定期的に歯をクリーニングしてもらおう
 歯並びの悪いところや歯周ポケットは、自分では磨きにくく歯垢がたまりやすいところです。歯垢は2日から3日で石灰化し歯石になり、自分で取り除くことが困難になります。歯石を放置しておくと歯周病の原因になったり悪化させたりします。自分では取り除けない部分の歯垢と歯石を歯科医院などで定期的に取り除いてもらいましょう。

その3 正しくセルフケアができているか確認してもらおう
 丁寧に歯磨きをしているつもりでも、磨き癖(ぐせ)などにより磨き残しが出ます。歯科医院などで歯磨きの指導を受け、正しいセルフケアができるようにしましょう。指導では、体や口の状態を確認しながら、その人に合った磨き方を教えてくれます。磨きづらいなどの悩みがある人は相談しましょう。

自宅で歯の治療ができます
 介護が必要で歯科医院へ行くことが困難な高齢者などを対象に、自宅での歯の治療や口の困り事などの相談に対応します。気軽に相談してください。
市在宅歯科医療連携室(月曜から金曜午前9時から午後5時 電話:025-244-5231)

相談は無料

よい歯のコンクール最優秀者に聞きました

イラスト

石黒静子さん
石黒静子さん
平成30年度「県いきいき人生よい歯のコンクール」で最優秀賞を受賞

歯のケアはどのようなことをしていますか?

 毎朝起きてすぐと、朝・昼・夕食後に必ず歯磨きをしています。夕食後は特に丁寧に磨くようにしています。磨くときは歯間ブラシなども使い、歯と歯の隙間の汚れも取るようにしています。また、3カ月に1回は歯科医院へ行き、歯石を取ってもらっています。おかげで83歳になった今でも自分の歯が29本残っています。

歯が健康で良かったことはありますか?

 自分の好きな物を何でも食べられることですね。毎日の食事を楽しんでいます。また、自分の歯でよく噛んで食べることで口の筋力も鍛えられているので、しゃべることも不自由なくできています。趣味のカラオケなども楽しんでいます。

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