市報にいがた 平成31年1月6日 2686号 2面・3面
最終更新日:2019年1月6日
開港150周年 新潟を支える“みなと”の今
世界に開かれてから150周年を迎えた新潟港。水辺と共に歩み、発展してきた私たち新潟市民にとって、港の風景はとても身近なものです。
一方、新潟港には重要な“役割”もあります。今号では、新潟港で何が行われているか、どんな機能を果たしているかを紹介します。
東港区 国際的な物流の拠点
北区と聖籠町にまたがって建設された東港区は、東港工業地帯の核として昭和44年に開港しました。55年には外貿コンテナ航路が開設され、現在は中国、韓国へ週9便の定期コンテナ航路が運航しています。平成23年の東日本大震災発生時には、被災した東北太平洋側港湾の代替機能を果たし、同年のコンテナ取扱量は過去最多となる約20万5千TEU※を記録しました。
また、年間800万トンを超えるLNG(液化天然ガス)を受け入れるなど、日本海側最大のエネルギー基地として、国民生活や産業を支えています。
※1TEUは20フィートコンテナ1個分の容量
コンテナ船が積み下ろしを行うコンテナターミナル
本州日本海側港湾 取扱総貨物量(平成28年)
1位 新潟港 3,037万トン
2位 敦賀港(福井県) 1,564万トン
3位 舞鶴港(京都府) 1,082万トン
※出典:国土交通省港湾局「港湾統計(年報)」
株式会社新潟国際貿易ターミナル
吉沢郁夫さん
本州日本海側最大規模の設備を持つコンテナターミナルでは、1日に3隻のコンテナ船が同時に積み下ろしをすることができます。東港区は工業港としてのイメージが強く、市民の皆さんはあまりなじみがないかもしれませんが、実はホームセンターなどで見かける日用雑貨や家具類など、皆さんの生活に身近な品物を多く受け入れているんですよ。
今後も、新たなコンテナ航路の開拓で取扱貨物の量を増やし、新潟港のさらなる発展に貢献したいと思っています。
西港区 人々が行き交う海の玄関口
古くから港町として発展してきた西港区は、佐渡や北海道航路の旅客定期船が発着する新潟の海の玄関口です。新潟港の平成28年の内航(国内)船舶乗降人員は約131万6千人で、全国では16番目となっています。
本市では交流人口の拡大や新潟の認知度の向上、観光需要の創出を目的として、国内外からのクルーズ船誘致に取り組んでいます。今年は初入港の4隻をはじめ、延べ15回寄港する予定です。
国際・広域観光課 乙川
開港150周年の今年は、国内外から多くの旅行者が新潟を訪れます。みんなで温かく歓迎しましょう!
船内見学会も予定しています。市報やホームページで参加者を募集するので、楽しみにしていてください。
ダイヤモンド・プリンセス
(写真提供:プリンセス・クルーズ)
飛鳥2
期日 | 船名 | 寄港場所 |
---|---|---|
4月14日(日曜)、11月15日(金曜) | ダイヤモンド・プリンセス | 新潟東港 |
4月26日(金曜)、5月31日(金曜) | カレドニアン・スカイ | 新潟西港 |
4月30日(火曜) | クァンタム・オブ・ザ・シーズ | 新潟東港 |
5月23日(木曜) | シルバー・エクスプローラー | 新潟西港 |
6月29日(土曜)、7月2日(火曜) | にっぽん丸 | 新潟西港 |
9月3日(火曜)・5日(木曜)・9日(月曜)・23日(祝日) | 飛鳥2 | 新潟西港 |
9月6日(金曜)・8日(日曜) | ぱしふぃっく びいなす | 新潟西港 |
10月7日(月曜) | シルバー・ミューズ | 新潟西港 |
万代島地区 港を身近に感じる交流空間
信濃川河口部の万代島地区は、本市の中心市街地にも近く、人々が集まり、にぎわう交流の拠点としての役割を果たしています。
平成22年には、旧新潟魚市場跡地に市民市場「ピアBandai(ばんだい)」がオープン。隣接する漁港で水揚げされた鮮魚など地元特産品の直売所のほか、海鮮丼やすしなどの飲食店がそろい、新潟の食を気軽に楽しめる港の観光スポットです。また、30年には対岸の旧水揚場(みずあげば)跡地に「万代島多目的広場」が完成。かつての水産物荷捌(にさばき)施設で、大きなかまぼこ型屋根が特徴的な屋内広場(通称「大かま」)と、新たに整備された屋外広場は、誰もが港の景観に触れ、憩うことができる交流の拠点として期待されています。
多くの来場者で活気づくピアBandai
昨年7月「海フェスタにいがた」が開催された万代島多目的広場
万代にぎわい創造株式会社
藤田普さん
「港のそばで水辺のにぎわい空間を作りたい」。昔からそんな思いを抱いていた仲間が集まり、「ピアBandai」を運営しています。年間110万人を超えるお客様からご来場いただき、バーベキューや生産者と直接触れ合えるイベントなど、いろいろな形で楽しんでいただいています。
開港150周年をきっかけに、新潟も横浜や神戸のような「港町」としてのイメージが定着するといいですね。これからも、市民の皆さんが誇りに思える「みなとらしさ」を感じられる場所を作っていきたいと思っています。
Starting port みんなでつくる、みなとまち新潟スタート!
開港150周年を新しい新潟を切り開くスタートとして、地域の総合力で「みなとまち新潟」を盛り上げていきます。
Nii portブランドによる情報発信
商品開発プロジェクト
「みなとまち新潟スイーツ」
にぎわい創造プロジェクト
「みなとまちラッピングバス」
みなとまちの歴史を意識した都市デザイン
開港150周年を契機に「都心軸」中心のまちづくりを推進
企業・市民団体などとのコラボレーション
30社以上の企業とパッケージ開発
「企業連携」
市民団体などの活動を支援
「みなとまち助成」
地域の行事や取り組みとタイアップ
「パートナー事業」
メモリアルイベント
2月9日(土曜) 開港150周年記念シンポジウム
基調講演「開港150周年の新潟のまちづくり」
講師 西村幸夫(東京大学名誉教授)
パネルディスカッション「Starting port(スターティング ポート)―みなとまち新潟の新たな船出」
コーディネーター 菊野麻子(フリーアナウンサー)
出演 高橋すみ(料亭鍋茶屋女将)、中原八一(新潟市長)、西村幸夫、野内隆裕(路地連新潟代表)、花角英世(新潟県知事) ※五十音順
時間 午後1時30分から午後4時
定員 先着250人
参加費 無料
会場 だいしホール(中央区東堀前通7)
申込み 電話で市役所コールセンター(電話:025-243-4894)
問い合わせ 新潟開港150周年記念事業実行委員会事務局(電話:025-226-2162)
問い合わせ先
新潟港の振興・整備促進について
問い合わせ 港湾空港課(電話:025-226-2739)
クルーズ船について
問い合わせ 国際・広域観光課(電話:025-226-2614)
新潟開港150周年記念事業について
問い合わせ 2019年開港150周年推進課(電話:025-226-2162)
新潟港の歴史
927年(延長5年)
文献に初めて信濃川河口の港についての記述が載る
平安中期の法令集「延喜式(えんぎしき)」に、越後国の国津(くにつ)(公的な港)として「蒲原津(かんばらのつ)」が記載される。
1672年(寛文12年)
江戸商人河村瑞賢(かわむらずいけん)が西回り航路を整備
越後各地から川舟で集められた米などを北前船で直接大坂・江戸に運ぶ仕組みが確立。
1858年(安政5年)
「安政の五か国条約」により開港五港の一つとなる
五港の中で「川湊(みなと)」として唯一の選定。
1869年(明治元年)
新潟開港
水深が浅く外航船が入港できなかったことから、港の改修が緊急課題となる。
1889年(明治22年)
市制施行により新潟市誕生
1908年(明治41年)に制定された市章は、港を表す「いかり」と開港五港を表す「五」に「雪環」を頂いたデザイン。
1926年(大正15年)
県営ふ頭完成
近代的港湾としての機能が整備され、対岸貿易の門戸として栄える。
1969年(昭和44年)
東港区開港
日本海沿岸の工業開発の拠点として、臨海工業地帯と一体的に整備された。
2003年(平成15年)
万代島地区に朱鷺メッセがオープン
今年5月に開催されるG20新潟農業大臣会合の会場。
2019年(平成31年)
開港150周年を迎える
関連リンク
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