デング熱( dengue fever, break bone fever)

最終更新日:2016年9月1日

デング熱( dengue fever, break bone fever)とは

 デングウイルスはフラビウイルス科に属し、4 種の血清型が存在します。デング熱が現れるようになったのは1779年からであり、ウイルスが原因であることや伝染経路について解明されたのは、20世紀初頭です。第二次世界大戦以降、デング熱は世界的に広まり、1960年代から急激に増加しています。現在では、110か国以上で毎年およそ5,000万人から1億人が感染しています。うち70%がアジアで、インドは全世界の34%を占めています。日本では1946年から国内感染はありませんでしたが、2014年8月に約70年ぶりとなる、国内感染例が報告されました。

感染経路

 デング熱は、デングウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることによって生じる感染症です。日本では、ネッタイシマカの生息は確認されておらず、ヒトスジシマカによる媒介によって生じます。ヒトからヒトに直接感染することはありません。

症状

 2~14日(通常3~7日)の潜伏期間を経て、2~4割の方が発症します。突然の発熱(38~40度)で始まり、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛を伴うことが多く、関節などの痛みは激しく、英語ではBreak bone feverとも呼ばれています。発症後、3~4日後より胸部・体幹から始まる発疹が出現し、四肢・顔面へ広がります。
 デングウイルスの4つの血清型のうち、同じ型のウイルスに再び感染しても軽症ですみますが、異なる型に感染すると免疫が過剰に働き重症化することがあります。重症化したものはデング出血熱またはデングショック症候群と呼ばれ、稀に死亡することもあります。
 感染後の発症率が数10%、そのうち重症化する患者が数%ほど、さらに重症化した患者の中で死に至る人が数%です。

検査

 血清中の非構造タンパク抗原(NS1抗原)の検出やRT-PCR法によるウイルス遺伝子の検出およびVero細胞によりウイルス分離を行います。

予防

蚊に刺されないために

  • 虫よけ剤を適切に使用する。
  • 蚊が室内に入らないよう戸や窓の開け閉めを減らし網戸やエアコンを使用する。
  • 渡航の際は設備が整った(網戸の設置や必要な清掃が行われている等)宿泊施設を利用する。
  • 戸外に出るときは肌の露出をできるだけ避ける。

蚊を増やさないために

  • 蚊の繁殖を防ぐため、雨水タンクに蓋をしたり、古タイヤに溜まった水・ペット用の水・鉢植えの下皿の水を放置しない。
  • 室内の花瓶の水などは最低週1回は交換する。

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