チクングニア熱(Chikungunya fever)

最終更新日:2016年2月8日

チクングニア熱(Chikungunya fever)とは

 チクングニアウイルスは1952年のタンザニアでの流行で初めて分離され、以来アフリカやアジアでその流行が報告されています。デング熱やウエストナイル熱と症状が類似しており、感染症法に基づく4類感染症および検疫法に基づく検疫感染症に指定されています。

感染経路

 チクングニアウイルスを持っている蚊に刺されることによって感染が成立します。ヒト→蚊→ヒトの感染環を形成し、森林ではサル→蚊→サルの感染環が存在するとされています。ヒトからヒトに直接感染することはありません。これまで国内感染例はありませんが、チクングニアウイルスを媒介する蚊のうち、ヒトスジシマカは日本にも生息するため、注意が必要です。

症状

 典型的には、蚊に刺されてから3~12日(多くは3~7日)の潜伏期の後、発熱、発しん、関節痛がみられ、発熱と関節痛は必発で発疹は8割程度に認められます。関節痛は四肢(遠位)に強く対称性で、その頻度は手首、足首、指趾>膝>肘>肩の順であり、関節の炎症や腫脹を伴う場合もあります。関節痛は急性症状が軽快した後も、数週間~数年にわたってリウマチに似た関節痛や腫脹、圧痛が続くことがあります。その他の症状としては、全身倦怠・頭痛・筋肉痛・リンパ節腫脹があります。また出血傾向(鼻出血や歯肉出血)、 結膜炎や悪心・嘔吐をきたすこともあります。また、重症例では神経症状(脳症)や劇症肝炎が報告されています。

検査

 血清中のRT-PCR法によるウイルス遺伝子の検出およびVero細胞によりウイルス分離を行います。神経症状を呈している場合は、髄液も検体となりウイルスが分離されることがあります。

予防

蚊に刺されないために

  • 虫よけ剤を適切に使用する。
  • 蚊が室内に入らないよう戸や窓の開け閉めを減らし網戸やエアコンを使用する。
  • 渡航の際は設備が整った(網戸の設置や必要な清掃が行われている等)宿泊施設を利用する。
  • 戸外に出るときは肌の露出をできるだけ避ける。

蚊を増やさないために

  • 蚊の繁殖を防ぐため、雨水タンクに蓋をしたり、古タイヤに溜まった水・ペット用の水・鉢植えの下皿の水を放置しない。
  • 室内の花瓶の水などは最低週1回は交換する。

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