マイコプラズマ肺炎

最終更新日:2016年11月29日

マイコプラズマ肺炎とは

 マイコプラズマ肺炎は、幼児期、学童期、青年期を中心に全年齢で1年を通してみられ、晩秋から早春にかけて報告数が多くなります。日本では、1990年頃までほぼ4年周期で流行が繰り返されていたことから、オリンピック肺炎とか五輪病などと呼称されてきました。
1984 年と1988年に大きな流行があって以降は、2011年~2012年の流行まで大きな全国流行はありませんでした。しかし、2000年以降より徐々に全国定点当たり患者報告数が増加傾向にあり、2016年10月17~23日(第42週)の1週間の患者報告数は統計開始以来、過去最多を記録しました。


全国におけるマイコプラズマ肺炎報告数推移

原因と感染経路

 病原体は肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae )ですが、これは自己増殖可能な最小の微生物で、生物学的には細菌に分類されます。
感染経路は、患者の咳やくしゃみなどを吸い込んだり(飛まつ感染)、患者と身近で接触したり(接触感染)することにより感染します。感染には濃厚暴露が必要と考えられており、保育施設、幼稚園、学校などの閉鎖施設内や家庭などでの感染伝播はみられますが、短時間の曝露による感染拡大の可能性はそれほど高くはありません。

症状

 感染してから発症するまでの潜伏期間は長く、2~3週間くらいとされています。初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などで咳は初発症状出現後3~5日から始まることが多く、当初は乾性の咳ですが、経過に従い咳は徐々に強くなり、解熱後も3~4週間程度続きます。昔から「異型肺炎」として、肺炎にしては元気で一般状態も悪くないことが特徴であるとされてきましたが、重症肺炎となることもあり、無菌性髄膜炎、脳炎などの中枢神経系症状、中耳炎などの合併症がみられることもあります。

検査

 血清検体より抗体を検出する方法、気道から採取した臨床検体より病原体を分離する方法や迅速キットを用いて病原体の抗原を検出する方法及び遺伝子検査で病原体遺伝子を検出する方法があります。

予防

・感染者との濃厚な接触を避ける。
・手洗い、うがいなどの一般的な予防方法の励行。

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