第三回 株式会社ヒューマンリソース

最終更新日:2020年2月25日

インタビュー概要

 株式会社ヒューマンリソースは、新潟市を拠点にプログラミング学習塾「ITものづくり教室 HighTech新潟」と障害者自立支援施設「すまいるはーと白根」を運営する会社です。2017 年に起業した新進気鋭の取締役に、起業したきっかけや職場の雰囲気、これから新潟で取り組みたいことについてインタビューをしました。

インタビュー相手

株式会社ヒューマンリソース
取締役・学校長 東條英明(とうじょうひであき)さん

東條さん

「自分の中のアイデアを形にしたい」

 神奈川県の大学卒業後に新潟へ戻り、大手車両販売店で13 年ほど新車販売の営業をしていました。私はずっと昔から「自分のアイデアを形にしたい」という思いがとにかく強かったんです。お客様がいいなと思ったものをサービスにして喜んでもらい、そしてお代金をいただく。そういうものをどんどん作りたいと考えていました。その思いがどんどん増していき「ならば、自分で会社を作ってしまおう!」と起業しました。


「子どもは宝」

 2 年前に起業して、現在は小学生から高校生にプログラミングを教える「ITものづくり教室 HighTech新潟」というスクールを運営しています。新潟県の教育委員会から依頼を受けて、小学校でプログラミングの授業や先生への研修も行っています。午前中は小学校で子どもたちに授業をしていることが多いですね。その後、スクールへ戻り、学校が終わってから来校する子どもたちに指導をしています。私にも小学1 年生の子どもがいますが、子どもって本当に宝ですよね。自分にも新潟にも、社会にとっても大切な存在。「豊かな教育の中で育って、将来、社会へ出て活躍してもらう」そんなお手伝いをしていると思っています。


「ヒューマンリソース=人は財なり」

 企業名がそのまま経営理念に直結しています。人がいてこその会社ですし、社員なくしては機能しません。現在、正社員は4 名、アルバイト講師が20 名ほど在籍しています。私は子どもたち同様、社員にも仕事を通じていろいろな事を学んでほしいです。「うちの会社でずっと働いてください!」なんてことは言いません。在籍中に“モノゴト”をスマートに吸収して、自分のリソース(材料)にしてほしい。そして、たくさんのリソースを集めたら、ここから巣立って新しい仕事をしてもらっても全然構いません。


「子どもも講師も学べる場所」

 講師として働いている人たちは学生アルバイトがほとんどです。コンピューター専門学校や新潟大学の教育学部、工学部、外国人の先生もいます。いろいろな専門知識を持った人が集まって、「ITものづくり教室 HighTech新潟」はできているんです。学生は学校でインプットしたことを誰かにアウトプットしたいし、子どもたちは自主的に学びたい。その利害関係が一致しているんです。お互いにwin-win の関係ですね。ここは「子どもも講師も学べる場所」なんです。


「意見が活発に飛び交う会社」
 
 弊社には主体的に動ける社員が多いです。「私はこういうことがしたい、これを教えたい」といった個人のアイデアが、子どもたちの新しいプログラミングのコースやおもしろい企画を作っています。常にアイデアを出し合って形にしているので、社員の間で意見が活発に飛び交っています。従来の考えでは、アイデアを出した時、それを起用するかどうかは上司次第ですよね。ただ、その判断の根拠が感情や気分であってはいけない。私がこういう考え方なので、社員からは「東條さん、それはおかしい!」と指摘されたり、怒られたりもします(笑)。取締役とスタッフとの間に、礼節はあっても心理的な壁がないのかもしれません。


「私たちは先生ではない。あくまで子どもたちのパートナー」

 子どもたちには「自分の学びや課題は自分で見つけよう」と伝えています。そして、やりたいことが見つかったら。私たちはその夢中になれることを全力でサポートします。授業中、私たちは子どもに「教える」のではなく、「相談」するようにしています。すると自然と子どもたちも「先生、教えて!」ではなく、「先生、これどうする?」と持ちかけてくるようになります。社員に対しても、問題が起きた時は膝をつき合わせて、その都度相談しながらひとつひとつ解決していきます。実は社員との接し方と子どもとの接し方が同じなんですよ。

プログラミング教室のルール


「時代に合わせて柔軟に対応できる」

時代の変化がとても早い今、知識や過去の経験だけでは乗り切れません。そんな時代だからこそ「どうしたらお客様に満足していただけるのか」をいつも考え、事業も軌道修正していくことが必要です。弊社に通う子どもたちや社員にはいろいろな色(個性)があります。その色を混ぜ合わせることで、たくさんのアイデアが生まれます。だから、私の頭に存在しないようないろいろな気づきを与えてくれるんです。その気づきを軸に、教室の学びや会社の方針も変えるので、時代やニーズに合わせて柔軟に対応できるんです。イエスマンだけの会社では柔軟性は生まれません。


「子どもたちがどんどん成長していくことが何よりもうれしい」

 この仕事の一番のやりがいは、子どもたちがどんどん成長していくことです。できなかったことができるようになったり、私を超えるアイデアを出してくれた時や私が作ったプログラムよりも効率がいいものを出してきた時には「やられた!」と思う反面、とてもうれしいです!子どもが親を超える感覚でしょうか(笑)。


「新潟にどんどんおもしろい会社を作ってほしい」
これから実現していきたいことが2 つあります。ひとつ目はプログラミング教育で子どもを育てること。当校に通っている子どもたちは、いずれ自分で研究、開発や会社を興すことができるレベルになります。そして、どんな業種の企業でも第一線で働ける人材になります。プログラミング教育はIT 技術を学ぶイメージですが、実はロジック(論理)を教えています。目的のために自分でどういう計画を立てていくか、問題があった時はどう解決するか、というロジックです。私もロジックを学んだことが起業、会社の運営に大いに役に立っています。なので、これからも子どもたちにどんどんIT+ロジックを学んでもらい、新潟に世界を相手にできる様々な企業を生み出してほしいです。しかし、起業や会社の経営はトライ&エラーです。「ITものづくり教室 HighTech新潟」では、生徒さんたちにロジックという転び方も立ち上がり方も教えるので、将来的に仕事、趣味、学業においても、見事な「挑戦→失敗→改善→成功」のサイクルを見せてくれるのではないでしょうか(笑)。ふたつ目は新潟の小学校、中学校がプログラミング教育でとても困っているので、これまで以上に学校の先生たちに貢献したいです。そして新潟のプログラミング教育をどこの県にも負けない水準まで上げていきたいです。


「たくさんのリソースの中から、自分のやりたい事を見つけてほしい」

今、若者にはリソースが足りないと感じています。子どもの思考はだいたい中学生くらいにはフレームが決まってくるので、中学生以降になると固定概念にとらわれて自由な発想ができなくなってしまいます。幼少期からいろいろな事を体験して、いろいろな人と話して、いろいろな場所に行って、頭の中にリソースをたくさん入れてほしい。そして、そのリソースの中から自分のやりたいことを見つけて、どんどんトライしてほしいと思います。

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経済部 産業政策課

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