米の新規販路開拓に関する農業DXの取り組み事例紹介

最終更新日:2021年9月17日

新潟市では、新たなアグリビジネスの創出や農業現場の課題解決を目指して、『アグリビジネス総合相談窓口』を設けており、労働力不足解決のためのスマート農業・農業DXや売れる米づくり等に関する取り組みの支援、事業マッチング等を実施しています。
このたび、需要に応じた米づくりの優良事例として、本市が事業マッチングのサポートを行った取り組みのひとつをご紹介します。
皆様の新たなチャレンジの参考になれば幸いです。

『需要に応じた米づくり』に関する課題

近年、新潟市では、担い手への農地集積が進み、1農業者当たりの生産規模は年々拡大傾向にあります。規模拡大に伴い、栽培品種構成の多様化によって作期分散を行う農業者が増えてきています。
一方で、新たな品種の作付けには様々な課題があります。市況やニーズ、品種の特性を把握しながらの品種の選択から始まり、栽培体系の習得が容易でないことや、これまで付き合いのあった集荷業者が必ずしもその新しい品種を買い取ってくれるとも限らないため、新たに別な業者を見つけて出荷契約を締結するといった新規販路開拓が必要であることが少なくないことなどが、農業者の負担となっています。

農業者さんにお話を伺いました

新品種導入と販路拡大の課題を、スマート農業・農業DXを活用して解決しようと取り組んでいる新潟市江南区の農事組合法人あけぼのクラブさんにお話しを伺いました。

立川さん
あけぼのクラブ代表の立川喜彦さん

「コシヒカリの生産を抑えて、ニーズのある業務用米などの栽培を開始しようと考えていました。ですが、どの品種を新たに栽培するかがなかなか決まりませんでした。それに、販路開拓も個々の農家にとっては困難な作業です。契約の煩雑さも気になっていました」
と、代表の立川喜彦さん。

そこで、あけぼのクラブさんでは、米のオンライン契約栽培仲介サービス『アグリノート米市場』を活用し、販路開拓、契約栽培の契約締結、集出荷手続きをすべてオンラインで実行できる農業DXの仕組みを取り入れ、米の新規販路開拓に挑戦しています。

『アグリノート米市場』は、ウォーターセル株式会社が提供する米のオンライン契約栽培仲介サービスです。農業者は、パソコンやスマートフォン上で様々な企業から提示された米の買い付けニーズを簡単に把握でき、そのままオンライン上で事前契約(播種前~収穫前の契約)が締結できます。

あけぼのクラブさんは今年度、大手米卸業者株式会社神明と繋がり、『大粒ダイヤ』という多収性品種の出荷契約をオンラインで締結しました。

「大粒ダイヤは、現在私たちが作付けしているどの品種よりも晩生で作期が重ならないところが良かったです。今年度は約2ha作付けしました。初めて栽培する品種でしたが、普及指導センターも生育調査に協力してくれていますし、契約先の神明さんとはリモートで栽培状況を共有することにより、コロナ禍における人の往来を削減しつつ、栽培経験のない品種でも安心して栽培ができています。収穫の時期が楽しみです」


7月の大粒ダイヤの様子

「経営者としては、需要に応じた契約栽培によって、経営が安定してくれることを期待しています」
と、立川さんは語ってくれました。

気になる大粒ダイヤの刈取り時期は、10月中旬の予定です。
収穫の様子もレポートしたいと思います。

今後も新潟市におけるスマート農業、農業DXの更なる普及に向けて、様々な実証実験や事例紹介を実施していきます。

関係リンク

農事組合法人あけぼのクラブ

ウォーターセル株式会社

株式会社神明

新潟市農林政策課

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