夏のにいつ丘陵
最終更新日:2012年6月1日
昔は、至る所で蛍が飛び交い、夏の風物詩として親しまれてきました。
ところが近年は、蛍の生息する水辺環境の変化や、水の汚れなどで蛍を見ることが珍しくなってきました。
蛍は、自然環境のバロメーターといわれています。
ゴミの減量化やリサイクルをはじめ、下水道の利用、空き缶や吸いがらのポイ捨てをしないなど、私たちの生活の小さな積み重ねが環境を守ることになります。
きれいな環境を取り戻すことによって、蛍を復活させることできたら、それは人間らしさや心の豊かさを取り戻すことにもなります。
蛍カレンダー
1月
幼虫は冠雪した水路の水底や石の下でじっとしています。
2月
さなぎになる前の幼虫は、低温環境でひと月以上生活することが必要です。
3月
水温が上昇するにつれて、幼虫の生活行動が活発になっていきます。
4月
栄養をとり、成虫期の生命活動と産卵活動を支えるエネルギーを蓄えます。
5月
中旬ころから、雨天の夜などに上陸して土まゆをつくり、さなぎになります。
6月
中旬からゲンジボタルの成虫が羽化して、夜空を発光飛翔します。
7月
水辺の草むらに産卵された卵がふ化し、幼虫が水の中に降りていきます。
8月
幼虫は、巻き貝「カワニナ」を食べて生活します。
9月
7月から9月にかけて、幼虫は脱皮を繰り返しながら成長します。
10月
若齢期幼虫の成育適温は21℃前後で、高温が続くと成育困難となります。
11月
幼虫は4~5令虫となり、16℃以下の水温で生活行動が鈍くなってきます。
12月
水温が下がり、越冬期の幼虫の生活行動はいっそう鈍くなります。
ゲンジボタルの一生
ゲンジホタルの成虫は、体長15mmで、寿命は2週間くらいです。この間、露を吸うだけで餌はとりません。成虫は昼間、葉にとまって休んでいますが、日没後にオスは一斉に飛んで光を点滅させながらメスを探します。メスは葉にとまっていて、オスが接近すると強く発光し誘引します。そして、メスは水苔に500個程の卵を産みつけます。
卵は、直径0.5mmの楕円形です。1ケ月くらいするとふ化し、小さな細長い幼虫となって川へ入ります。
生まれたばかりの幼虫は約2mm、成長した幼虫は20~30mmになります。昼間は石の下などに隠れていて、夜になると川底をはい回り、餌のカワニナ(巻き貝)を食べて成長します。10カ月間水の中で暮らした幼虫は、春先の雨が降る暗い夜に、発光しながら一斉に岸辺にはい上がります。そして、土の中に潜りさなぎとなる部屋(土まゆ)を作ります。
土まゆの中で、幼虫は前蛹(ぜんよう)となり、さらに脱皮してさなぎになります。さなぎは乳白色で、成虫のように光を放ちますが、点滅はしません。その後約1ケ月で成虫になり、地表へ出てきます。
ゲンジボタルのオス・メスの判別法
ホタルの生息地
その1
