平成27年職員の給与等に関する報告及び勧告

最終更新日:2015年10月9日

平成27年10月9日、新潟市人事委員会は、地方公務員法の規定に基づき、新潟市議会と新潟市長に対し、市職員の給与などについて報告及び勧告を行いました。

本年の勧告のポイント

月例給、ボーナスともに昨年に引き続き引上げ 平均年間給与は56,000円の増額

 月例給については民間給与との較差1,158円(0.32%)を解消するため、俸給表の水準を引き上げるとともに、給与制度の総合的見直しにおける地域手当の支給割合を引上げ
 ボーナス(特別給)については、0.10月分引上げ (改定後は4.20月分)

給与制度の総合的見直し(平成28年度において実施する事項)

 地域手当の見直し(支給割合の引上げ)
 単身赴任手当の見直し(基礎額・加算額の引上げ)

報告・勧告の内容

公民給与の比較

1.民間給与実態調査

 市内の企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上の428事業所から103事業所を無作為抽出し、本年4月分の給与等について調査(調査完了96事業所、調査完了率93.2%)

2.月例給

 事務・技術関係の職務に従事する職員と民間の従業員について、役職段階、年齢、学歴の条件が同等である者の給与を比較(ラスパイレス方式)した結果、職員の給与が民間の給与を1,158円(0.32%)下回った。

職員給与と民間給与との較差の表
民間給与 職員給与 較差
359,656円 358,498円 1,158円 (0.32%)

注記:職員の平均年齢43.0歳、平均経験年数18.6年
注記:職員と民間従業員について、役職段階、年齢、学歴の条件が同等である者同士を対比させるラスパイレス方式により、4月分の給与(決まって支給する給与から時間外手当及び通勤手当を除いたもの)を比較

3.特別給

 昨年8月から本年7月までの民間従業員の特別給の支給割合と職員の期末・勤勉手当の年間平均支給月数を比較

民間と職員の特別給の比較の表

民間の特別給の支給割合

職員の特別給の支給月数

4.19月分

4.10月分

給与の改定

1.俸給表

 一般俸給表については、大卒・高卒の初任給を2,300円引上げ、若年層について概ね初任給と同程度の改定。その他については、700円の引上げを基本に改定。(平均改定率0.3%)

2.特別給

 民間の特別給の支給割合を考慮し支給月数を引上げ(4.10月分から4.20月分)
 引上げ分は、勤務実績に応じた給与の推進のため勤勉手当に配分

3.初任給調整手当

 医師等に対する初任給調整手当について、医療職俸給表(1)の改定を考慮し、最高支給限度額を800円引上げ(307,000円から307,800円)

4.地域手当

 給与制度の総合的見直しを円滑に進める観点から、本市及び人事委員会規則に定める支給地域(見直しのない地域を除く)に勤務する職員の支給割合を0.22%引上げ。なお、医療職俸給表(1)の適用を受ける医師等の特例措置については、人事院勧告に準じた取扱いとする。

5.教育職員の給与等の改定

 教育職員に適用する教育職俸給表その他の給与に関する措置については、新潟県の教育職員への措置内容に準じた取扱いとする。

6.実施時期等

  • 1.俸給表、3.初任給調整手当、4.地域手当については平成27年4月1日から実施
  • 2.特別給については平成27年12月1日から実施

給与に関する課題

1.獣医師に対する初任給調整手当

 食品の安全や動物の愛護といった、今後も重要性が高まると考えられる業務を担う獣医師について、近年は採用者数が採用予定者数を下回るなど、安定的な確保が困難な状況となっていることから、都道府県の状況を考慮し、平成28年4月1日から獣医師に対し初任給調整手当を支給(支給月額の限度35,000円)

2.再任用職員の給与

 再任用職員の給与については、民間事業所における再雇用者の給与の動向や国等における再任用制度の運用状況等を踏まえながら、引き続き、そのあり方について検討

3.人事評価の給与への反映

 人事評価を任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とする旨を定めた改正地方公務員法の趣旨を踏まえ、勤務成績に応じた昇給機会の確保など給与への反映が適切に行われるよう、必要な措置について検討

給与制度の総合的見直し(平成28年度において実施する事項)

1.地域手当の支給割合の改定

 本市及び人事委員会規則に定める支給地域(見直しのない地域を除く)に勤務する職員の支給割合を0.28から1.78%引上げ。なお、医療職俸給表(1)の適用を受ける医師等の特例措置は、人事院勧告に準じた取扱いとする。

2.単身赴任手当の支給額の改定

 基礎額及び加算額の限度について、人事院勧告に準じた取扱いとする。

3.実施時期等

 平成28年4月1日

 

人事管理に関する課題

1.人材の確保・育成等

(1)多様で有為・有能な人材の確保
 高い意欲を持つ受験希望者に対応するとともに、広報活動の充実・試験内容等の検討を進め、引き続き広く人材を求めていく。また、面接試験において受験者の人物をより適切に評価できる手法について研究を進めていく。
(2)人材の育成
 人事評価の結果を開示することで職員が自主的に弱みを改善し、長所を伸ばす契機となるため、研修等により自己啓発や能力開発を行っていくことが重要。評価結果が良好でない職員に適切な指導、助言を行っていくことが重要
 市民の信頼を損なう事例が多く見られるため、より一層人材育成に努めていくことを望む。
(3)女性職員の登用
 女性活躍推進法に基づき積極的な行動計画を策定すること等により、女性職員の積極的な登用に取り組んでいくことを望む。

2.職員の勤務環境の整備

(1)超過勤務の縮減
 月100時間以上もの長時間残業を行っている職員が大幅に増加していることから、超過勤務の縮減に有効な対策を講じていくことが必要
(2)メンタルヘルス対策
 予防や再発防止、職場復帰の支援等個々のケースに即した対策を組織全体として粘り強く進めていくとともに、改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度を適切に運用し、職員のメンタルヘルス不調の未然防止等に努めていくことが必要
(3)仕事と家庭の両立支援の推進
 男性職員の育児休業及び子育て目的の特別休暇の取得を促進するためには、制度の周知や研修等により組織全体で意識啓発に取り組み、男性職員が制度を利用しやすい職場環境の整備に引き続き取り組んでいくことが必要

3.高齢期の雇用問題

 再任用職員の増加が予想されることから、再任用職員を活用するポストの確保が課題。職員の意向を踏まえフルタイムとしての活用を積極的に進めていくことが必要
 高齢期雇用のあり方については、国や他都市等の動向を踏まえながら引き続き検討していくことが重要

4.公務員倫理の確保

 昨今、懲戒処分を受ける事案が多発している事態を踏まえ、組織として業務のチェック体制をさらに強化・徹底するとともに、法令遵守や倫理観の向上を図る研修によりコンプライアンス意識を根付かせ、職員一人ひとりが自信と誇りを持って働くことができるよう取り組んでいくことが必要

5.改正地方公務員法への対応

 人事評価を人材育成に限定せずに、人事管理に幅広く活用していくことが求められる。 また、退職管理の適正を確保できるよう取り組んでいくことが必要。
 遅滞なく改正地方公務員法の趣旨に沿った運用ができるよう早急に検討を進めていかなければならない。

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