市報にいがた 令和元年6月16日 2697号 1面
最終更新日:2019年6月16日
手話を通じて 思いが伝わるまちへ
写真左:森川さん(聴覚障がい者) 写真右:朝妻さん(同僚)
4月1日に新潟市手話言語条例を施行しました。この条例は、「手話は言語である」との認識に基づき、全ての人が心を通わせ、お互いの人格と個性を尊重し合う社会の実現を目的として制定したものです。
手話を必要とする人が日常生活や社会生活を円滑に行うことができ、誰にとっても安心して暮らせる新潟市にするために、聴覚障がいや手話について考えてみましょう。
問い合わせ 障がい福祉課(電話:025-226-1238、FAX:025-223-1500)
※イラストは「新潟」の手話表現。左右の手のひらを交互に前後に動かす(港に出入りする船の様子から)
手話はお互いをつなぐコミュニケーションツール
新潟市手話サークル連絡協議会会長(手話通訳者)
鈴木和美(かずみ)さん
手話は一つの言語
手話は、確立した文法を持つ一つの言語であるといえます。名詞や動詞などの単語を表す手の動きや、平仮名1字ずつに対応した指文字を組み合わせて会話をします。「私が」や「あなたの」といった意味合いを伝えるときは、手の動きに加えて体の向きや目線を変えたり、指差しを使ったりします。また、音声言語では声のトーンで感情を表すように、手話では手の動きの大小、強弱や顔の表情で気持ちを伝えます。「ありがとう」の手話も、相手の目を見ながら笑顔ですると、より感謝の気持ちが伝わると思います。
日本語と同じように、手話も地域や年代で微妙な違いがあります。知り合いの若者たちは、「や」の指文字を2つ重ねて「やばい(倍)」という意味で使っています。時代が移り変わるに連れて新しい言葉が生まれるように、手話も日々変わり続けています。
「伝えたい」気持ちが大切
聴覚障がいのある人とコミュニケーションを取るには、細かい文法を気にするよりも「伝えたい」という気持ちが大切だと感じます。正しい手話の動作が分からなくても、身振り手振りや表情から意図を酌み取ってくれます。マスクをしていると表情が読み取れないので、相手に口元を見せて会話するといいですね。
聴覚障がいのある人は、街で手話を使って会話できる人に出会うととても身近に感じるといいます。手話言語条例の制定をきっかけに聴覚障がいへの理解がより深まり、少しでも手話に興味を持つ人が増えてほしいと思っています。
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