(26-1-1)市の固定資産税の恣意的な過税と22年間未調査物件の違法な新課税

最終更新日:2014年5月16日

(26-1-1)市の固定資産税の恣意的な過税と22年間未調査物件の違法な新課税

平成26年2月13日 苦情申立受理

申立ての趣旨

  1. 固定資産税の恣意的な過重課税がなされたので是正してもらいたい。
  2. 22年間未調査であった建物に対して過去に遡っての課税には応じられない。また、土地に関する過払い分との相殺にも応じられない。
  3. 所有する土地や建物の固定資産税の還付、課税に関するやり取りの際の、市職員の対応に問題があるので是正してほしい。
  4. 住宅用地の特例軽減について広く広報すべきである。

申立ての理由

申立人が説明したこれまでの経緯の概要は以下のとおりである。

 昨年11月上旬、所有権移転があったことから、資産税課A分室の家屋担当の職員が家屋の用途を確認するため、所有者である私のところに調査に来た。その際、家屋担当から住宅用地の特例措置について教えられたので、私の自宅庭として利用している周辺の6筆について、特例措置が適用になっているか確認を求めたところ、家屋担当は、新潟市の場合は担当が現地調査をしているので、特例措置になっているはずであるが、土地担当の所管であるので、帰って調査させると言って帰った。
 その後、12月3日に家屋担当が来宅し、その担当から当該土地が特例扱いになっていない旨の説明を受けた。また、土地担当から預かってきたという申請書を示し、申請主義なので、今、申請書に記載してもらえれば平成26年度分から特例措置で約3万円安くなると説明された。ただし、過去7年分には遡れないとのことであった。なお、その申請書は、B5版を半分に切ったような小さな用紙で、わら紙のような安っぽい簡単な書類だった。
 次に未登記の車庫の課税について尋ねたところ、家屋担当から、固定資産税の対象として課税扱いになるので来年から課税させてもらいたいとの話があった。
 このため、私が、土地を特例措置にしなかったこと、車庫の課税をしなかったことの両者とも市の誤りであるのに、土地特例措置の部分は過去に遡って返還できず、また、車庫は未課税物件なので新たに課税するというのはひどい取り扱いではないかと話したところ、家屋担当から、土地特例措置の過去7年分は返還できないので、平成26年度分から申請書に記載してもらえれば車庫の課税の件はなかったことにしようと言われた。
 これに対し、私は「土地特例措置分は、特例にしてこなかった市が悪い。車庫の件については、平成4年に建てて22年も経過している建物について、今課税対象と言われても困るし、既に時効で本来ならば請求できないだろう。」と言った。そして、その日はそれ以上話の進展はなかった。
 その後、12月6日に資産税課A分室に出向いて、土地の固定資産税の過払い分の返還を請求したところ、応対した2名の職員から、特例については広報しており、毎年春に送付するその年の納税通知書にも記載がある旨説明を受け、土地の固定資産税の過払い分は返還できないが、今申請書を記載してもらえれば、平成26年度分から特例扱いで計算すると言われた。
 これに対し、私は、税の専門家でもないので特例措置があることを知らなかった。一般の人が知らないことは十分に知らせてから相手の了解を得たのちに行うのが普通ではないか。知らなかった人が悪い、申請しなかったことが悪いということはないと思うので返還してほしい旨要求した。その後、上司が出て来て、申請主義なので過去の過払い分は返還できないと言った。
 このため、私が裁判を行ってでも請求する旨話すと、上司から土地特例措置分について、地続きになったのが平成19年であり、課税は平成20年から課税されているので、平成20年度分から、還付の利息分を加算して返還する旨説明があり、さらに、未課税であった車庫の固定資産税と相殺する提案があった。その時はわかったと答えたが、帰宅後、この特例措置について広報もなく、冊子などで、「申請してください。」との文言もなく、車庫の固定資産税の未課税に対して過去に遡って課税されることに納得できないと感じた。
 その後、12月25日にA分室職員3名に私の家へ来てもらい、車庫の件については、合併前から、また合併した後も課税調査しなかった市の落ち度であるから、過去に遡っての請求には応じられない旨述べた。
 年が明けて、1月24日に市から資産税課長名で、車庫の固定資産調査について2月5日までに返事をもらいたい、返事がない時は外観から算定して強制的に課税する旨の通知文書を受け取った。
 担当が住宅特例は申請主義であると言っていたが、地方税法第408条には、「市町村長は固定資産評価補助員に当該市町村所在の固定資産の状況を毎年少くとも一回実地に調査させなければならない。」とあり、申請主義ではないのではないかと考え、2月13日にメディア関係者を連れて資産税課A分室に行って説明を求めたところ、申請主義でないことを認め、メディア関係者から、私に謝罪したらどうかと話しがあり、担当が私に頭を下げた。
 その後、2月20日までに車庫の固定資産調査をしたいので調査させてもらえる日について返事がほしいとのことだったが、無視していたところ、2月21日の午後2時過ぎに、私の妻に外観から調査させてもらうとあいさつして調査を行ったようである。

 以上の経緯を踏まえ、申立ての理由は次のとおり。
1 所有する土地について、新潟市が平成19年からの住宅用地の特例軽減について、調査の上、特例軽減すべきであったのに行わなかったのは、市の落ち度であるから、土地に関する過払い分は計算して返還してもらいたい。
2 所有する建物について、車庫を隠していないのに、当時、平成4年から車庫について課税調査せず、合併した後も課税調査しなかったことが悪い。このため、過去に遡っての請求には応じられないし、また、土地に関する過払い分との相殺にも応じられない。

3 上記経緯のとおり、固定資産税の還付、課税に関するやり取りの際の市職員の対応に不満がある。特に、12月3日に家屋担当が来宅し、土地が特例扱いになっていないこと、土地担当から申請書を預かってきた旨述べた上で、申請主義なので、今申請書に記載してもらえれば平成26年度分から特例措置で約3万円安くなるとして申請書を渡された。その時の申請書は、B5版を半分に切ったような小さな用紙で、わら紙のような安っぽい簡単な書類であったが、その後に申請書を見せてもらった時はそれとは異なる申請書になっていた。これは公文書偽造ではないのか。
 また、特例措置の適用は申請主義との説明であったのに、12月6日にもらった書類には申請主義との記載はなく、調査を行うのならば申請主義ではないのではないか。
 さらに、何も知らない市民に対して、「このような措置手続きを行うと税金が安くなります。どうしますか。お手間をかけますが、立ち会ってもらって建物の中を見させてください。基準表があって計算させてもらいますが、これも皆様のための行政で使わせてもらう税金ですから、ご協力をお願いします。」と丁寧に言えないものか。また、問い詰めないと非を認めないことに憤りを覚える。
4 隣地の買い足しによる住宅用地特例軽減が適用されるかどうかについて、市民向けの主な冊子を見ても記載がないことは不親切であるので、住宅用地の特例軽減について広く広報すべきである。

所管部署

資産税課

調査の結果

平成26年4月2日 決定

意見の趣旨

1及び2について
 還付、課税については別に不服の申立てができるので、当審査会ではその適否の判断を差し控える。
3について
 申立人と所管部署はそれぞれの主張で一部説明が異なるため、当審査会でその適否の判断はできない。しかし、申立人は理解及び納得していないようであるので、今後丁寧に説明してもらうとともに、即座に回答できない場合は、持ち帰って上司と相談するなどして所管部署で共通認識を図ったうえで、後日改めて正確な回答を行うなど工夫をしてもらいたい。
4について
 固定資産税のしおりなどの冊子には住宅用地の特例軽減に関する記載はなされているが、一般市民にはわかりにくい。隣地の買い足しによる特例の適用など、具体例を挙げて基本的な部分はさらなる広報を行うとともに、「詳細な部分については職員にお問い合わせください。」と記載するなど工夫をしてもらいたい。

意見の理由

1及び2について
 申立人の所有する土地、建物で還付、課税が予定されているが、制度上、不服を申し立てることができるので、当審査会ではその適否の判断を差し控える。
3について
 申立人は、12月3日に渡され、その場で記載した申請書と、その後再度写しをもらった申請書の様式が異なるので偽造であると申し立てたが、これに対し所管課では、12月3日には申請書に記載してもらえず、12月6日に来庁した際に申請書に書いてもらったとの説明であった。また、申立人に渡した申請書の写しの原本は、申立人から署名してもらったもので間違いないとのことであった。両者の主張が異なるところであるが、これ以上の調査は困難であるため、当審査会では適否の判断をしかねる。
 また、申立人は、住宅用地の特例の適用について、当初所管課から申請主義と言われたが、その後家屋の比準評価の実施について実地調査の協力依頼文書が送付されてきたので、実際には申請主義ではなかったということがわかったと主張している。これに対し、所管課では、基本的には実地調査で認定しており、申請がないから住宅用地の特例が適用できないということではないが、どの用地が住宅用地になるかは認定が必要とされるところ、その対象が極めて多数にのぼるため、これらを把握する必要から、市の調査に加え市民から申告してもらっているとのことである。
 さらに、申立人は、所管課から、「対象家屋の固定資産税の賦課は今年度判明したので翌年度からとなる。しかし、土地の還付があるので、対象家屋の賦課も5年遡り、土地の還付と相殺してもらう。」と説明を受けたとのことであった。
 今回、この説明に至るまでに、申立人と市の担当との間で申立人の誤解を招くようなやり取りがなされたと思われる。申立人に対しては、申立人に関わる課税と還付の流れを理解して納得してもらう必要があり、今後、説明を丁寧にしていただくとともに、即座に回答できないような場合は一旦所管部署へ持ち帰り、共通の認識を持って申立人には正確な回答をしていただきたい。
4について
 申立人は、隣地の買い足しによる住宅用地特例軽減が適用されるかどうかについて、市民向けの主な冊子を見ても記載がないことは不親切であるので、住宅用地の特例軽減について広く広報すべきであると主張する。これに対し、所管課は、課税明細書と課税明細書の見方を記載したチラシを同封するほか、課税状況が変わっている場合には通信用ハガキを添付し、市に申出することができるようにしている。また、市報やホームページ、市税のしおりによる広報をしているとのことである。しかしながら、固定資産税の課税について熟知していない市民にとって、これらの広報はわかりやすいとは言えない。ただ、固定資産税の賦課、還付等については専門的で一般的な広報にはなじまないということも理解できる。このため、基本的な部分や多くある事例についてはさらなるわかりやすい広報をするとともに、「詳細な部分については職員にお問い合わせください。」と記載するなどの工夫をしてもらいたい。

よって、以上のとおり意見の表明を行う。

所管課の処理方針

平成26年5月2日 資産税課

1及び2について
 申立人に地方税法の規定による課税について、真摯に説明を行ってきたが理解を得られませんでした。不服申立てが提出された場合は、同法の規定により対応します。
3について
 今後、現地で納税者へ課税説明をする際、担当者が即答できない事案などについては、必ず所管部署に持ち帰り、上司と相談のうえ、正確な回答及び情報を納税者にお知らせするよう、職員に徹底するとともに、相談者への丁寧な説明を行います。
4について
 (1) 住宅用地特例軽減の隣地買い足しによる申告のお願いを、「平成26年度市税のしおり」に掲載し、「暮らしのガイド」にも掲載する こととしました。
 (2) 固定資産税制度について、基本事項や多くある事例を中心にチラシ等の限られたスペースの中で、わかりやすく工夫し広報することにします。
 (3) 広報の最終部分に「詳細な部分については、職員にお問い合わせください。」などの趣旨の文言を記載します。

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