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第355号(令和4年1月16日)1ページ目

最終更新日:2022年1月16日

地域伝統の「わざ」を伝える
なりわいの匠 西蒲区

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この記事の取材内容に関すること

地域総務課 総務・管理財務グループ(電話:0256-72-8179)
「なりわいの匠」に関すること
産業観光課 農業振興グループ(電話:0256-72-8407)

「なりわいの匠」は、新潟県の農山漁村体験のインストラクターであり、農山漁村地域の暮らしの中で培った「わざ」を活かした体験交流の指導者として、新潟県知事が認定しています。
西蒲区内にも、地元で採れる材料を使った加工品や、地域に伝わる工芸品・郷土料理づくりなどの匠に認定された人たちがおり、学校や地域の体験活動の講師などで活動してきました。
今年度はコロナ禍で学校や地域の体験活動が限定されましたが、地域伝統のさまざまな「わざ」を伝える人として、西蒲区内の「なりわいの匠」から3人を紹介します。

きりあえづくり 阿部 マサ子さん

阿部 マサ子さん
阿部さんは農業を営む傍ら、新潟県農村地域生活アドバイザーやJA女性部での地産地消運動、農業委員などで、長年、地域の農業を盛り上げようと活動してきました。新潟県産米の魅力をPRするために結成された、新潟県の農家のお母さんたちによるユニット「新潟ライスガールズ」としても県内外で活躍しているほか、「なりわいの匠」としても、きりあえづくり・みそづくり・豆腐づくりなどで認定されており、小学校や地域の体験教室などで幅広い人たちに郷土料理を伝承しています。
きりあえづくりを始めたきっかけは、昭和50年代の旧岩室村での郷土料理を復興させようという動きの中で、地域の女性たちで集まり、作り方を習ったことが始まりだと言います。「いろんな人といろんな経験をさせてもらえて楽しい」「これからもさまざまな活動を通じて郷土文化や農業の魅力を伝えていきたい」と話す阿部さんの笑顔は、とてもパワフルで魅力的でした。

「きりあえ」とは

大根のみそ漬けを刻んで絞ったものに、黒すりごま・砂糖・刻んだゆずを加えてあえたもの。岩室地区を中心とした旧西蒲原地域の郷土料理で、ご飯のお供として食されてきました。昔は仏事の際に白いご飯を隠すために供された、という説もあります。

大根のみそ漬けを刻む作業風景と、薬研
阿部さん自家製のみそで3年から4年漬け込んだ大根は、市販のものとは違う、濃いあめ色をしていました。風味や食感を活かすため、フードプロセッサーなどではなく、手で細かく刻むそうです。また、刻んだみそ漬けにあえるごまは、写真左奥にある「薬研(やげん)」という道具ですりつぶすとおいしいそうです。

きりあえと麩寿司
取材に伺った際は、きりあえ(写真右下)のほか、「麩寿司(ふずし)」(写真左)も作ってくれました。
「麩寿司」は、甘く煮詰めたおわん型の丸麩で酢飯を包んだもので、西川地区の一部で食されてきた郷土料理です。

からし巻きづくり 岩﨑 修さん

岩崎 修さん
岩﨑さんは大学卒業後、新潟を離れて農業とは関係のない仕事に就いていましたが、祖父母の経営していた「岩﨑食品」と農業を継ぐため、10年ほど前に地元にUターンしました。祖父母のもとで働きながら新潟県農業大学校に通い、一から農業や経営を学んだそうです。現在は家業を継ぎ、平成30年にからし巻きで認定を受けた「なりわいの匠」としても体験授業などを行っています。
岩﨑さんは、「からし巻きを通して、西蒲区の魅力をたくさんの人に知ってもらい、ふるさとの味を後世へつなげていきたい」と話していました。

「からし巻き」とは

乾燥した輪切りの切り干し大根を水で戻し、からしを塗って巻いて漬けたもの。平成4年から始まった旧巻町の「特産品をつくるプロジェクト」で掘り起こされ、地域の農家グループで人に聞いたり昔を思い出したりしながら作り、今の形になりました。昔は田植え時期のごちそうとして重宝されていたそうです。

からし巻きづくりの作業風景
一つ一つ丁寧に手で巻いていく手間のかかる作業。岩﨑食品では、地元のお母さんたちが熟練の技で素早く巻いていました。

からし巻き
若い人にも手に取ってもらえるようにパッケージを新しくしたり、するめなどを使った辛くない切り干し大根巻きも作っています。

干し柿づくり 阿部 雄平さん

阿部 雄平さん
阿部さんは新潟県農業大学校を卒業後、JA越後中央での勤務を経て、祖父母から「あべ農園」を継いで柿づくりを始めました。それに伴い、干し柿づくりも本格的にスタートさせ、令和元年度に柿づくりや干し柿づくりなどで「なりわいの匠」の認定を受けています。地域の小学校で柿づくりについての授業を行ったり、いわむろやなどで干し柿づくり教室を行い、「わざ」を伝える活動をしています。
一般的な干し柿づくりでは殺菌のために加熱やアルコールが用いられますが、阿部さんの作る干し柿は、殺菌と酸化防止のために硫黄燻蒸を行ってから吊るします。こうすることで、鮮やかな色が保たれるそうです。
子どもの頃から家業を手伝い、郷土の良さを感じてきたという阿部さん。「自分の「なりわいの匠」の活動などを通して、若い人にも農業に興味を持ってもらいたい、郷土のことをもっと知ってもらえたら」と語ってくれました。

柿の皮をむく作業風景
春先の霜で収穫量は少なかったものの、出来は良かった昨年収穫の柿。大量の柿の皮を手作業でむくところから干し柿づくりが始まります。

柿が吊るされている様子
硫黄燻蒸後の柿は、風通しの良い所で1カ月程度吊るした後、赤外線室に移して外側を乾かし、カビを防止します。

西蒲区データ

人口 55,043人(−73) 世帯数 20,774世帯(−4) 男 26,674人(−46) 女 28,369人(−27)
注記:12月末現在の住民基本台帳。カッコは前月末比

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