市長説明

最終更新日:2018年8月8日

平成30年度 まちづくりトーク

市長説明

 私から、今年度の新潟市の取り組みについてご説明させていただく。
 まず、今年度の予算編成についてだが、平成17年に新潟大合併を行い、合併建設計画を新たに始めて10年経った。この期間、合併建設計画を着実に推進するために積極型の予算編成で進んできた。合併建設計画が終わった平成27年度から2年間は平時の予算編成に移行する軟着陸期間という位置付けにさせていただいた。そして、昨年度と今年度は、持続可能なまちづくりのために財政も持続可能にするという位置付けで、具体的にはプライマリーバランスを黒字化して市債残高を減少させていく土台をつくっていく。これまで基金を取り崩してきたが、今後は基金に頼らない予算編成を行おうということである。
 基金残高が30億円台まで減少している中で、予算編成の当初段階で119億円の財源不足ということが焦点化されて、皆さま方にもご心配をお掛けして恐縮に思っている。そのような中で、収支均衡、そして市債残高の抑制を今年度以降取り組んでいくことを目標に予算編成を行った。内部組織の改革を行い、課長以上の幹部職の数を減らし、全庁を挙げた事務事業の洗い出し、さらに公債費の積立ルールの変更について取り組ませていただいて、市民サービスへの影響を最小限にしながら、財政も持続可能にしていこうということである。
 新潟市の職員定数をだいぶ減らしてきたが、同規模の政令市と比較すると、まだ470人ほど多く、80万人で八つの区役所ということは1区役所当たりの人口が一番少ない。また、合併地域の市町村の大半の保育園は公立だったため、ここで市の保育士の数が多くなっている。農水関係も若干多いが、これは日本一の大農業都市、田園型政令指定都市ということでよいのではないかと考えている。今後、5年間で220人ほど職員を適正化するということで、行政改革プラン2018を6月議会中に委員の皆さまにお示しし、市民の皆さまにもパブリックコメントをいただきたい。
 今年度の予算規模は3,802億円で、前年度が3,975億円だったので、少し小型の予算編成になったが、三つの都市像をしっかりと早期につくっていく。
今年度は新潟が世界に開かれた開港150周年の節目の年であるため、持続可能な財政を構築しながら、安心安全の部分、活力の部分の二つを両輪として回して、政令市新潟のまちづくりを前進させたいと思っている。
 ここからは、トピックスである。4月15日に新潟駅高架駅第一期開業を迎え、新幹線から特急いなほ、在来線に水平移動ができるようになったことで、非常に乗り換えが容易になった。また、二つの踏切も撤去し、まちなか、特に万代口の辺りでビルの再開発も始まり出して、今度は民間活力でまちづくりを加速させていきたいと思っている。
 次にG20についてである。来年のG20農業大臣会合を新潟市で開催することが決定した。今まで2008年G8労働大臣、2010年APEC食料安全保障担当大臣、2016年G7農業大臣会合を開催してきたが、この大臣会合をいずれも開催したまちは新潟市だけなので、4回連続開催も新潟市のみである。来年の5月11日、12日の2日間で開催されるG20大臣会合は、世界に占める割合は極めて大きい。先進国はもちろん、発展途上国も含めて、これからの農業・食料の課題の解決策を新潟で話し合い、新潟宣言を出していただけるとありがたい。また、おもてなしについても、過去3回の大臣会合は非常に好評だった。今回もしっかり新潟をアピールしていきたいと思っている。
 ここからは開港150周年記念事業についてである。本当の記念日は来年の1月1日だが、7月14日から、海フェスタと、水と土の芸術祭2018を西港のシンボルである万代島の多目的広場「大かま」をメイン会場に開催する。海フェスタは例年、秋篠宮殿下・妃殿下においでいただけるということで、ぜひお二人にお越しいただいて海フェスタを盛り上げていただき、キックオフイベントにふさわしい形にしていただきたいと思っている。
 次に、イベントのタイムスケジュールについてである。民間の方にも本当に多くのイベントを考えていただいており、例えばこの期間に、「なんでも鑑定団」や「のど自慢」を新潟で収録いただけるということで、このようなことも含めて盛り上げを図っていきたい。
 ここからは来年度の新潟市の取り組みについてであり、三つの都市像ごとにご説明する。まずは安心協働都市の分野である。地域で医療、介護が受けられることを可能にする住まいのリフォーム、そして地域の方にもご参加いただきたい生活支援、あるいは介護予防が一体となって地域包括ケアシステムが出来上がり、今年度もその推進を図っていく。さらに、支え合いのしくみづくり会議・推進員の活動を強化していく。また、旧新潟市で始まっている「まごころヘルプ」という有償の助け合い活動の輪を今年度は大きく広げて、「助け合いの学校」なども作っていきたいと思っている。認知症は非常に重いテーマであり、認知症を早期に発見して集中的に支援するチームも強化していく。
 子育てについては、まずは出会いと結婚の支援ということで、地域と民間の方によるネットワーク構築を支援していく。そして、結婚後の新生活の背中を押して差し上げる支援制度を新たに創設した。それから、妊娠・出産・子育てを切れ目なく支援させていただく。特に子育てでは保育園の待機児童が非常に大きな課題になっているが、新潟市はこの年度替わりは待機児童ゼロであった。しかし、前年度は待機児童が二人おり、年度途中にも待機児童が発生した。今年度の待機児童はゼロだが、実質的な待機児童はいるという考え方で、今後も私立保育園の拡充を進めていく。さらに放課後児童クラブは小学6年生まで受け入れることになり、まだまだ環境が厳しいところはあるが、整理を図っていく。
 また、ありがたいことに子ども食堂などの子どもの居場所が新潟市の各地域で立ち上がっている。これを持続可能にしていきたい。また、子ども食堂という名前だが、これをみんなの食堂というような形にして、例えばおじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんを連れて食堂に行くというような形になるとありがたい。高齢者は自分の食事だけだと思うとどうしても栄養が偏りがちになったり、栄養不足でフレイルという虚弱状態に陥ったりしてしまうという例が各地で出ている。フレイルになると介護に陥る可能性が非常に高まるので、その改善もこのような食堂で行っていただければと思っている。民間のお力を借りた、「にいがたっ子すこやかパスポート」については、中学生まで拡充する。
 教育についてだが、すべての子どもたちに農業体験と食育を行うという教育ファームの取り組みをさらに充実させていく。そして新潟の良さを伝え、愛着を育む「大好きにいがた体験事業」は小・中学校で展開しているが、これを今年度から中等教育学校、私・市立高等学校まで拡充し、さらに子どもたちにさまざまな新潟の良さを刷り込ませていただいて、一度新潟を離れてもまた戻りたいと思ってくれる子を増やしたい。
 働き方改革の中で、教員の多忙化が大変な状況になっている。この解消はなかなか難しいが、学校事務支援員、あるいは部活動指導員をモデル的に配置させていただいて、多忙化解消に踏み出したいと思っている。
 ここからは環境健康都市の分野である。昨年度は中学校区単位で健康度を見える化し、その健康度の課題によった取り組みの実践を始めていただいている。新潟市民は塩分の取り過ぎであり、ちょい塩プロジェクトは全域で展開したいと思っている。そして健康や環境に良いことを行っていただいている方、また健康づくりで地域が盛り上がっているという地域に手を挙げていただいてアワードを決めるという取り組みも始めさせていただいた。今年度は企業・団体との連携を強め、健康経営を推進したいと思っている。健康経営認定制度などを設け、民間企業にも健康に関心を持っていただきたい。
 昨年8月にNEXT21に中央区役所が移転し、古町や柾谷小路の人の流れが良い方向に変わってきている。今後は大和の跡地再開発ビルを支援し、2020年のオープン時には市役所古町庁舎が整備されているように取り組んでいきたい。また、まちなかの魅力ある店舗づくりを支援するということで、それぞれの地域でまちなか活性化を図っていく。
 次にバスについてである。新バスシステムBRTを作るまでは10年間でだいたい40パーセントという大変な利用者減であり、路線も利用者も減るという悪循環だった。そこで、新バスシステムBRTを開業したところ、1年目で利用者が0.8パーセント微増し、少なくとも下げ止まったと言えると思う。2年目はさらに1年目を2.5パーセント上回った。これはシニア半わりの効果もあったと思うが、持続可能なバス交通の土台が構築されつつあると思うので、さらに整備していく。
 そして、健康づくりとまちづくりを連携させる健幸都市づくり、スマートウェルネスシティについてである。歩いて楽しく、自転車や公共交通で便利に移動できるまちを目指して、新バスシステムをさらに推進していく。区バスは、西蒲区を含めて小型ノンステップバスの導入を一部の地域でさせていただき、さらにシニア半わりを継続していく。JRの二つの新駅を造るということについても、実現に向け、より前進していく。
 働き方についても、特に女性、若者たちが働きやすい環境をつくろうということで、すでにワーク・ライフ・バランスなどに配慮している優良企業を表彰させていただいている。現在、ワーク・ライフ・バランスに配慮しないブラック企業には人が集まらないので、このことは企業の存続にとっても非常に重要である。新潟市には素晴らしい企業があるのだが、あまり知られていないので、良い働き場があるのだということをもっと発信し、U・I・Jターンも促進していきたい。
次に、大地・田園の力をさまざまな方面に活かそうという12次産業化の取り組みについてである。子育て・教育の取り組みも良い形で始まっているが、さらにこの1、2年に、農業と福祉が非常に相性が良いということが分かった。例えば、秋葉区の社会福祉法人では六条大麦を育てるプロジェクトで、農業、福祉、子育て、保健・医療が連携しており、これは昨年度の優良事例賞にさせていただいた。また、西蒲区でも農業戦略特区に参入いただいている、たくみファームでは、精神障がい者を雇用して、非常にレベルの高いGGAP(「GAP」とは、食の安全や環境保全に取り組む農業に与えられる認証のこと。「GGAP」は、その世界認証のこと)も取得されている。このような取り組みをさらに推進していく。
 三つ目の創造交流都市の分野についてである。稼げる農業を目指そうということを明確に打ち出していく。新潟は県も市も米の依存が強すぎるため、米価が下がると農業産出額も下がる傾向が十数年続いている。一方、青森県では米があまり良くなかったこともあり、りんごなどの果樹園芸、そして水産物にシフトして、この10年近く農業産出額は右肩上がりになっている。それに続いて山形県や秋田県も3、4年前から園芸作物導入の取り組みを行って、この1、2年下げ止まって少し農業産出額も上向き始めている。私どもも高収入な部分を導入しようと考えており、これは新潟県、新潟市、JAの三者が一体にならなければ効果がでない。この三者一体がそろってきた。
 魅力ある農業の担い手を今後も育成し、先ほど申し上げたGAPを取得していただきたい。現在、GGAP、JGAP(日本GAP協会が認証を行っている「GAP」のこと)を取得していただかなければ2020年東京オリンピックに新潟の食材が使えないということが課題になっている。そして、米・酒を中心に輸出も促進していく。
 農業特区については、私どもは地道に行っており、優良企業に西蒲区などで農業に参入していただいている。また、農家レストランが西蒲区に二つあるが、市内の3軒は2年目も非常に好調だった。これをさらに伸ばしていく。特区民泊も西蒲区でオープンした。非常に環境が良いところなので、これはインバウンドにも活用できるのではないかと思っている。
 国家戦略特区の波及効果についてである。基本的に規制緩和は活用しないが、ICT農業を行うのであれば農業特区の新潟でという取り組みが増えている。水田センサーや、NTTドコモ、ウォーターセルといった企業グループがドローンなども使っており、ICTコンバインをイセキやクボタが新潟で実証実験を行い、実用化までいっているところもある。また、昨年は、オランダ型の最新鋭植物工場が西蒲区にオープンした。今まで新潟市内の最高は1ヘクタール規模だったが、こちらはその倍の規模の2ヘクタールである。しかも環境制御型の最新鋭施設であり、通年のミニトマトなどの栽培が始まった。さらに、農業分野で外国人材の受け入れを認めいただいた。今後はクールジャパンの分野でも認めいただきたいと思っている。
 多様な働く場が必要だということで、内発型産業の育成、創業支援が必要である。こちらは人材がすでに不足している、あるいは人手がこれからもっと大変だということで生産性を上げなければならないという企業、中小企業への設備投資への意欲が非常に高いということが調査で分かったので、そこにしっかりと補助をしていく。また、中小企業の事業所へも相談の専門人材を配置して強化をしていく。ICT企業向けにオフィスビルリノベーションを行わなければ企業が入れないというビルが多くあるため、そのリノベーションについても支援していく。
 新たな工業用地の確保については、八つの地域を特定し、これから工業団地、工業用地を造成していく段階まできた。
 成長産業も重要である。航空機産業は、西蒲区でエンジン関係がすでに稼働しており、隣の南区は機体関係で稼働している。こちらもすべてのエリアが埋まり、Nadcapという一番レベルの高い認証も取れるようになり、本格的な受注に向けて力を集めていく。さらに、最先端の技術による新しいビジネスの創出を促進するために、ICTなどを活用した実証事業を行うための相談窓口を企業立地課に設けて、さまざまな企業からの相談・提案を受け付ける。
 次に交流拠点を明確につくるということについてである。今年は、フランスと日本の交流友好160周年の節目である。新潟もフランスのナント市と姉妹都市という縁もあり、日本文化をパリで紹介するジャポニスム2018に手を挙げたところ、西蒲区の鯛車をはじめ、古町芸妓など、おそらく地方都市で一番数多く採用された。
 また、食文化創造都市も明確につくろうということだが、このシンボルがレストランバスであり、今も新潟市で運行している。そして食文化ガストロノミーで人を呼ぼうというガストロノミーツーリズムも新潟がトップランナーになりたいと思っている。意欲のある生産者とレベルの高い料理人を結び合わせ、消費者とつなぐピースキッチン新潟運動もさらに強化していく。
 7月14日が開港150周年のキックオフだと先ほど申し上げたが、来年の1月1日が記念日で、5月にはG20大臣会合、秋口から新潟県が国民文化祭を行い、10月から12月にJR各社でデスティネーションキャンペーンが始まるというこれらの流れを東京オリンピック・パラリンピックに向けていきたい。そのような中で、ずっと利用者が低迷していた空港が昨年度、ようやく反転攻勢の兆しが見えた。LCCピーチが非常に好調である。また、港クルーズ船についても、来年さらに大型のものが入ることも決まった。交通体系もより整備していこうと考えているが、花角新知事は旧運輸省でこれらの部門を担当していたということなので、新潟県内市町村が一緒になって頑張りたい。
 防災救援指導の機能もさらに強化していき、中央環状道路なども整備推進していく。先ほど申し上げた空港、港のさらなる活性化を図り、平時の拠点性の強化を行って、有事に備えていく。
 また、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、2020年は東京は大混雑だと思われるので、例えば滞在拠点を新潟の岩室温泉などにしていただいて、見たい競技のときだけ東京へ行くという新潟プラス東京運動を全県で立ち上げたいと思っている。その前の平昌冬季オリンピックでは、ロシアからの選手団に新潟で合宿をしていただいて、団体部門は銀メダルを獲得した。そしてその後、新潟に帰ってきてさらに練習をしザギトワ選手金メダル、メドベージェワ選手銀メダルというワンツーフィニッシュをしていただいて、ロシアの新潟市に対する評価は非常に高まっている状況である。ロシアで強いのは新体操だと思うが、新体操の役員が新潟市を合宿地にするのが良いのではないかということで視察もしていただいている。そのような合宿やキャンプを新潟で大いに行っていただきたいと思っている。
 外国人を含めた誘客に力を入れていく。花角新知事は、観光庁をつくったときの初代の総務課長であるため、観光についても非常に強い。また、外国人そしてクルーズの誘致にも大いに頑張りたいということで、今年、寄港回数が西港でようやく11回まできた。小型でも富裕層は非常に活性化の効果が大きいということで、西港は富裕層、そして東港は大型クルーズ船を誘致していく。来年度は16万トンクラスで4,000人以上が乗れる船が東港に入ることが決まった。
 最後に、新潟暮らし創造運動についてである。これは新潟暮らしの良いところを伸ばし、欠点・弱点は早めに改善するという運動である。新潟の弱点の一つは初任給が安いということである。東京首都圏と比べるとさらに下がる。しかし、生活コストも東京首都圏は高いので、生活コストも比べられる見える化サイトを創設した。これで初任給だけで東京へ行く流れを変えたいと思っている。また、移住を希望される方にLINEによってしっかりと情報をお届けするサービスも始めた。大好きにいがた体験事業と連携して地域の愛着をさらに育てていきたい。移住者交流会なども実施し、越前浜などの成功事例を多くの地域で共有していただきたいと思っている。HAPPYターンの第1号は越前浜だが、昨年秋葉区の小須戸地区を選定させていただいた。そして今後は、地域に手を挙げていただく方式にしていこうと考えている。まずは秋葉区の朝日地区と金津地区にU・I・Jターンを頑張るということで手を挙げていただいたので、こちらの地域に合った支援を今後考えていきたい。
 人口減少に対応した地域づくりについてである。人口の中学校区別の増減率で減少幅が大きいところは、やはり新潟市の縁辺部に多いが、真ん中の部分にもあり、また、新潟島、みなとまち新潟の原点である下町、柳都中学校区が一番減少率が大きく、松浜も減少しているという状況である。このようなものを地域カルテで人口ピラミッドを見ていただき、自分たちの地域の人口はこのようになっていて、それが5年後、10年後、20年後にどのように変化していくか、何もしなければ、このような形で推移するということを見える化した。それを見ていただいて、うちはU・I・Jターンを頑張ろうとか、そこまではできないが婚活なら頑張る、あるいは交流人口なら西蒲区は良いのではないかというようなことで、それぞれの地域の特性を踏まえて取り組んでいただきたい。そのための補助メニューを取りまとめ、先行優良事例についても取りまとめている。今年度から、取り組みの実践をぜひスタートしていただきたい。

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