はじめに

はじめに

　新型コロナウイルスの感染が拡大し、我が国においても緊急事態宣言が発令され、外出自粛要請に伴い、休校のほか、施設や店舗・企業の休止・休業、各種イベントの中止など、社会経済活動はこれまでに例のない深刻な状況となりました。このたびのコロナ禍は、私たちの暮らしや、働き方など、あらゆる場面で価値観の転換をもたらしています。 同時に、集中豪雨や大型台風の発生、記録的猛暑など、気候変動の影響により災害が多発するなど、地球環境問題への対応は喫緊の課題として認識されています。今後は、感染防止対策と社会経済活動を両立させながら、環境配慮の視点をもって、さまざまな取り組みを進めていく必要があります。
　本市では、令和2年度に、「地球温暖化対策実行計画（地域推進版）」を策定しました。「地域循環共生圏」及び「持続可能な開発目標（SDGs）」の考え方に基づき、環境・経済・社会の統合的向上により課題解決を目指すことを視点に、地域気候変動適応計画を新たに包含しています。 また、さらなるごみの減量と持続可能な循環型社会・低炭素社会・地域循環共生圏の創造を目指して、超高齢社会などの社会的な動向はもとより、食品ロス削減やプラスチックの排出抑制、SDGsといった国際的な潮流も考慮し、次期「一般廃棄物処理基本計画」を策定しました。 本市ではこれらの計画に基づき、人口減少やレジリエンス強化といった社会課題を踏まえながら、市民や事業者の皆さまと協働で、低炭素社会・循環型社会を創造し、さらに豊かな自然環境を次世代に継承する環境保全の取り組みを進めることで、「田園と都市が織りなす、環境健康都市」の実現に努めてまいります。
　本書は、令和2年度における本市の環境の現状と施策の実施状況をまとめたものです。市民の皆さまに広く活用され、本市の環境問題へのご理解をさらに深めていただくとともに、環境保全活動の一助となることを願っております。

令和2年12月

新潟市長　中原八一