新潟市の川にすむ生き物調査(昆虫の幼虫など)
生き物調査について
私たちのまわりの川にはどのような生き物がすんでいるのでしょうか?
コイやフナなどの魚や小さなプランクトン、昆虫の幼虫などさまざまな生き物を川でみることができます。
このような生き物はその地点の長い時間の水質状況を反映してるため、どんな生き物が住んでいるか調べると川の状況を判定することができます。
研究所では新潟市の河川について、川の状況判定に使用される指標生物62種の調査を行いました。
調査方法
1 主な用具
用具を準備します
地図、網、バケツ、白いバット、虫眼鏡、ピンセット、温度計、採取した虫を入れる瓶、長靴、筆記用具、記録用紙、デジタルカメラなどを準備します。
2 生物の採取風景
生物を採取します
石や砂を足でけったり、泥をかき回したりして、流れ出した生物を網ですくい取ります。
どんな川でも調査できますが、危険な場所は避けましょう。
安全に調査するためには、流れが緩やかで、ひざくらいの深さの川が一番適しています。
3 生物の分類
生物を調べます
捕まえた生物を白いバットの中に入れ、ピンセットでより分け分類します。
生物の写真を撮ると分類の参考となり便利です。
4 判定
川の状況を判定します
捕まえた生物をスコア表に記録します。
生物のスコアを地点ごとに合計し、1~10の平均値で判定を行います。
数字が大きいほどきれいな川です。
(参考文献:環境庁水質保全局 平成11年度水生生物等による水環境評価手法検討調査 2000年)
調査結果
河川名 | 調査地点 | ASPT値 | 調査年度 |
---|---|---|---|
矢川 | 岩室橋 | 5.7 | 平成21年度 |
西川 | 前田橋 | 3.7 | 平成24年度 |
西川 | 小明橋 | 6.5 | 平成24年度 |
西川 | 新通橋 | 3.7 | 平成24年度 |
大通川 | 学校橋 | 5.0 | 平成20年度 |
大通川 | じぞう橋 | 5.5 | 平成20年度 |
新川 | 槇尾大橋 | 5.3 | 平成20年度 |
鷲ノ木大通川 | 鍋潟橋 | 2.5 | 平成21年度 |
鷲ノ木大通川 | 大通橋 | 3.0 | 平成21年度 |
鷲ノ木大通川 | 大通小通学路 | 3.5 | 平成21年度 |
信濃川 | 庄瀬橋 | 7.0 | 平成23年度 |
信濃川 |
小須戸橋 | 6.8 | 平成23年度 |
信濃川 | 親水広場 | 6.0 | 平成23年度 |
小阿賀野川 | 小阿賀橋 | 5.6 | 平成21年度 |
能代川 | 若宮橋 | 8.0 | 平成23年度 |
能代川 | 大島橋 | 3.7 | 平成23年度 |
阿賀野川 | 新郷屋 | 7.7 | 平成25年度 |
阿賀野川 | 大阿賀橋 | 6.4 | 平成25年度 |
下の図は平成20年~25年に調査をおこなった18地点の結果です。
汚れが少ない青丸地点が1ヶ所、汚れが多い赤丸地点が6ヶ所です。
指標生物62種とは
下表の生物が川の状況を判定するための62種の指標生物です。写真は当所で採取された生物です。
(参考文献:環境庁水質保全局 平成11年度水生生物等による水環境評価手法検討調査 2000年)
分類1 | 分類2 | スコア |
---|---|---|
トビケラ目 | カクスイトビゲラ科、エグリトビゲラ科、ケトビケラ科 | 10 |
ハエ目 | アミカ科 | 10 |
カゲロウ目 | フタオカゲロウ科、チラカゲロウ科、ヒラタカゲロウ科、 トビイロカゲロウ科、マダラカゲロウ科、モンカゲロウ科 |
9 |
トンボ目 | ムカシトンボ科 | 9 |
カワゲラ目 | アミメカワゲラ科、カワゲラ科、ミドリカワゲラ科 | 9 |
アミメカゲロウ目 | ヘビトンボ科 | 9 |
トビケラ目 | ヒゲナガカワトビケラ科、カワトビケラ科、ナガレトビケラ科、 ヤマトビケラ科、カクツツトビケラ科 |
9 |
ヨコエビ目 | ヨコエビ科 | 9 |
カゲロウ目 | カワカゲロウ科、アミメカゲロウ科 | 8 |
トビケラ目 | クダトビケラ科、イワトビケラ科、ヒゲナガトビケラ科 | 8 |
コウチュウ目 | ミズスマシ科、ヒラタドロムシ科、ドロムシ科、ヒメドロムシ科 | 8 |
ハエ目 | ガガンボ科、アブ科、ナガレアブ科 | 8 |
ニナ目 | カワニナ科 | 8 |
エビ目 | サワガニ科 | 8 |
カゲロウ目 | ヒメカゲロウ科 | 7 |
トンボ目 | カワトンボ科、サナエトンボ科 | 7 |
カメムシ目 | ナベブタムシ科 | 7 |
トビケラ目 | シマトビケラ科 | 7 |
チョウ目 | メイガ科 | 7 |
ハエ目 | ブユ科、ヌカカ科 | 7 |
ウズムシ目 | ドゲッシア科 | 7 |
カゲロウ目 | コカゲロウ科 | 6 |
カワゲラ目 | オナシカワゲラ科 | 6 |
コウチュウ目 | ホタル科 | 6 |
コウチュウ目 | ゲンゴロウ科 | 5 |
ハマグリ目 | シジミガイ科 | 5 |
トビゲラ目 | ヒメトビケラ科 | 4 |
コウチュウ目 | ガムシ科 | 4 |
トンボ目 | オニヤンマ科 | 3 |
ハエ目 | ユスリカ科(腹鰓なし) | 3 |
モノアラガイ目 | モノアラガイ科 | 3 |
モノアラガイ目 | ヒラマキガイ科、カワコザラガイ科 | 2 |
ヒル網 | --- | 2 |
ワラジムシ目 | ミズムシ科 | 2 |
ハエ目 | チョウバエ科、ユスリカ科(腹鰓なし) | 1 |
モノアラガイ目 | サカマキガイ科 | 1 |
ミミズ網 | --- | 1 |
当所で採取された指標生物
(参考文献:環境庁水質保全局 平成11年度水生生物等による水環境評価手法検討調査 2000年)