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第7回安吾賞受賞者

若松孝二

選評

偽悪の人=会田誠

衒い てらい も、狙いも、計算も、プランも無い人である。もしかしたら、ちょっとだけ、愛が欲しい人かも知れない。  

敬愛する人や未だ会えぬ愛しい人へのラブレターを書くように絵を描く。「想い」を届けたいのだろう。しかも、その手法は、直球ではなく前人未踏の「偽悪」という変化球に彩られている。  

その一方で、あからさまな自我を描くことによって、自分自身とも対峙しているように見える。裸の自分をさらけ出すことは、相当な胆力が必要だ。

 「偽悪」のメインディッシュをともに喰らい、ともに墜ちきってみたい、と思わせる。これは、安吾も共感するところだろう。

本人コメント

生き方の評価は嬉しい

国内の美術賞とはとんと縁のない僕ですが――とはいえ絵描きとして邪道と自覚しているので何の不満もないのですが――初の受賞が安吾賞というのは嬉しい限りです。文学の賞でも、作品の質的評価だけでもなく、生き方とか在り方みたいなあたりの評価もあるらしいところが、嬉しいと同時に身が引き締まる思いがしました。これからもっとテキトーな生き方に邁進せねばと、決意を新たにした次第です。

追伸。同郷の大先輩・坂口安吾さんのことは折に触れ意識していますが、その話はまた別の機会に…。

プロフィール

美術家。1965年新潟市生まれ。1991年東京藝術大学大学院美術研究科修了。
絵画のみならず、写真、立体、パフォーマンス、インスタレーション、小説、漫画など表現領域は多岐にわたる。

ミヅマアートギャラリーを中心に国内外の展覧会に多数参加。近年の主な展覧会に「アートで候。会田誠・山口晃展」(上野の森美術館、2007年)、「THE BEAUTY OF DISTANCE: Song of Survival in a Precarious Age」(第17回シドニービエンナーレ、オーストラリア、2010年)、「Medi(t)ation」(第3回アジアアートビエンナーレ、国立台湾美術館、台中、台湾、2011年)、「The Best of Times, The Worst of Times, Rebirth and Apocalypse in Contermporary Art」(第1回キエフビエンナーレ、ウクライナ、2012年)など。2012年11月から4ヶ月半に渡って開催された東京・森美術館での大規模個展「天才でごめんなさい」には約49万人の観客を動員した。

小説「青春と変態」(ABC出版、1996年)、漫画「ミュータント花子」(ABC出版、1999年)、エッセイ集「カリコリせんとや生まれけむ」(幻冬舎、2010年)、「美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか」(幻冬舎、2012年)など著作多数。
自身の制作を追ったドキュメンタリー映画に「≒会田誠〜無気力大陸」(B.B.B. Inc.、2003年公開)、「駄作の中にだけ俺がいる」(Z-factory、2012年公開)がある。

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