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委員長、市長コメント

委員長、市長コメント

三枝成彰

<安吾賞の選考を終えて>

このたび、第7回安吾賞の選考が終わりました。今回も県の内外より、ほんとうに多数のご応募をいただきました。

選考の結果、今回の受賞者は映画監督の若松孝二さんに決定いたしました。

若松さんは1963年のデビュー以降、映画監督として、つねに既成の枠にとらわれない、斬新な映画作りをしてこられました。60年代に若松プロダクションを設立されて以降、大手の映画会社では手がけないような題材を積極的に取り上げる姿はまさにインディペンデント映画の雄であり、その作品は常に大きな期待をもって迎えられ、多くの観客と作り手に刺激を与える存在であるとともに、若松さんは長年にわたって日本映画界を牽引するリーダーの一人でした。日本のみならず海外でも、その作品は常に注目を浴び、高い評価を獲得されています。

惜しくも昨年、監督は急逝されましたが、坂口安吾の反骨精神に通じるそのご活動に対して安吾賞を贈ることはご存命の時に決まっており、ご本人は大変お喜びであったと聞きました。亡くなられたことはまことに残念ではありますが、受賞をお伝えできただけでも、私たち選考委員は報われる思いでおります。

ご応募いただきました皆さんに、心より感謝申し上げます。

新潟市長 篠田昭

第7回安吾賞は、映画監督の故・若松孝二さんに決定しました。

若松さんは受賞内定後、誠に残念ながら不慮の事故でお亡くなりになられました。突然の訃報に大変驚き、ショックを受けましたが、そのような状況であっても若松さんにお受けいただきたいという選考委員の皆さまの一致したお考えや、若松さんのご遺族のご賛同もいただきましたので、そのまま若松さんにお贈りすることとなりました。

若松さんは、その衝撃的な作風や、豪快な演出、反体制的な視点で描く手法でヒット作を量産し、幅広い世代から支持されました。また、多くの映画人が若松さんに師事するなど、日本映画界に大きな影響を与えてこられました。近年の作品が相次いで国際映画祭に招待されるなど、国際的にも高く評価されています。

若松さんの映画に対する強い信念と情熱に満ちた生き方は、まさに挑戦者魂にあふれ、私たちに勇気や元気を与えてくれるという点で、安吾賞にふさわしいと思います。ご逝去は残念でなりませんが、その生き様に敬意を表し、安吾賞をお贈りするとともに、ご冥福をお祈りしたいと思います。

また、新潟市にゆかりのある方にお贈りする新潟市特別賞は、写真家の天野尚さんを選ばせていただきました。

天野さんは、1975年から、アマゾン、ボルネオ、西アフリカの世界三大雨林や日本の原生林を訪れ、「手つかずの自然」をテーマに大判カメラを用いた撮影に取り組んでこられました。解像度の高い大判フィルムを用い、自然のありのままの姿を克明に記録した生態風景写真は他に類がなく、国内外で高い評価を得ています。近年では、豊富な自然体験をもとにした講演活動や写真展を通し、環境保全の重要性を訴えていらっしゃいます。

新潟市はこれからも反骨と飽くなき挑戦者魂の安吾精神を発揮する「現代の安吾」に光を当て、安吾賞を広く発信してまいります。

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