<安吾賞の選考を終えて>
このたび、第6回安吾賞の選考が終わりました。今回も県の内外より、ほんとうに多数のご応募をいただきました。
選考の結果、今回の受賞者は写真家の荒木経維さんに決定いたしました。
荒木さんは1960年代に広告の世界に入られると同時に、写真家として活躍してこられました。
80年代にフリーとなられてからは、風景、人物などを素材に多彩な活動をされ、愛称のアラーキー≠ニともに多くのファンを獲得してこられたのはもちろんのこと、ジャンルを問わず多くのクリエイターにも、刺激を与える存在でいらっしゃいます。
事物を観ること、写真を撮ることがすなわち生きることであるという荒木さんの姿勢に、共感する人も多いのではないでしょうか。 既成の枠にとらわれず、つねに新しい手法に挑まれるとともに、毎日シャッターを切り続け、つぎつぎと作品を発表される荒木さんのバイタリティーは、まさに坂口安吾のバイタリティーに通じるものがあると考え、今回安吾賞を贈らせていただく運びとなりました。
ご応募・ご推薦いただきました皆さんに、心より感謝申し上げます。
第6回安吾賞は、写真家の荒木経惟さんに決定しました。
荒木さんは独自の写真観で注目を集める、日本を代表する写真家です。天才アラーキー≠ニして知られ、私生活やご自身の妻、日常などを撮影した情感あふれる写真で多くの写真家に影響を与えており、センセーショナルな作品で注目を集める一方、東京の町並みや、出会った人のスナップ写真など日常的写真も数多く発表し、高く評価されています。
人々に元気と誇りを取り戻したいと、日本全国に暮らす人々の肖像写真を撮影するプロジェクトを続けるなど、常に新しいテーマに挑戦し、精力的な活動を続ける荒木さんは、その作品を通して多くの人々に感動と力を与えています。 荒木さんの写真に対する強い信念と情熱に満ちた生き方は、まさに挑戦者魂にあふれ、私たちに勇気や元気を与えてくれるという点で、安吾賞に相応しいと思います。
また、新潟市にゆかりのある方にお贈りする新潟市特別賞は、「にいがた総おどり」の副会長で総合プロデューサーの能登剛史さんを選ばせていただきました。
能登さんは、平成13年、後世に感動できる祭りを残そうと、数人の仲間とともに活動を開始。翌年の第1回開催で13万人の観客を動員する大成功を収めました。10周年を迎えた昨年の「にいがた総おどり」では、1万5千人の踊り子と、28万人の観客を動員。新潟に活力を与える一大イベントへと成長させました。
そして、平成17年には、300年前に新潟に実在した四日四晩踊り明かしたと言われる踊りを「新潟下駄総踊り」として復活・再現し、国内外で披露しているほか、昨年は姉妹都市のフランス・ナント市に事務所を開設し、世界への発信を目指していらっしゃいます。
新潟市はこれからも反骨と飽くなき挑戦者魂の安吾精神を発揮する「現代の安吾」に光を当て、安吾賞を広く発信してまいります。